無題

無題


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やっぱりダメだ。いくら目を閉じていても眠れない。

喉がカラカラに乾いているのに気づき、キッチンへ行き水を飲む。

時間は深夜二時を過ぎていた。

部屋はしんと静まり返り、カチコチという時計の音が神経を逆なでする。

気がつくとじっとりと汗をかいていた。

まとわりつくような闇が耐えられなくなり、思わず部屋を出て屋上へ向かった。


都会のビル風が肌にあたる。

雲のない夜だった。それでも星は殆んど見えない。

なにか自分が大きな鍋の底に閉じ込められているような気分になる。

その途方もない閉塞感に追い詰められ、明日の朝を想像することができなくなっていた。


下を見ると街灯がの光がちらちらとにじんでいる。

フェンスを越えてさらに下をのぞき込む。

今なら簡単にいけそうだ。

そう思った時にはすでに体が空中へ一歩踏み出していた。


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