無題
どうしてこんなことに…ブルーベリー学園生スグリは心の底からそう思った、時は遡るほど十分程前
「おいスグリぃ、お前にこれ着てもらいたいんだけどねぃ」
カキツバタはそう言いながらフリフリのフリルがついたメイド服をもってきた
「は…?いやだべ、そんなもん着るの」
「おねがーい」
カキツバタは薄ら笑いを浮かべながら言った
「嫌なもんは嫌だべ、タロもなんか言ってやって…タロ?」
いつもならタロがカキツバタのことを注意してくるはずだが今日のタロはいつもとは違うようだ
「いや!スグリくん!今回はカキツバタに賛同します!」
「えっ!?な、なんで?」
カキツバタは笑いながら言った
「そりゃお前、タロは可愛いのがだーいすきだからねぃ、乗ってくると思ってたぜぃ」
カキツバタにまんまとしてやられた、慌ててスグリはそばにいたネリネに助けを求める
「ちょっ!ネリネ!助けて!」
「…スグリ申し訳ありません、ネリネもカキツバタに賛成の意を表明」
「そんなぁ…」
助けになりそうなアカマツは今日は不在、ゼイユはブライア先生の手伝いで学校にいない
「というか、ねーちゃんがいてもなんにもならないべ…」
恐らく、ゼイユもカキツバタに賛成するだろう
「はい、ということでお着替えの時間だよーん、スグリぃ」
「わやじゃぁぁぁぁぁ!」
四天王三人に身ぐるみを剥がされ着替えさせられてしまい、現在に至る、着替えの途中でゼイユも帰ってきてしまい、実の姉にも自分のメイド服姿を見られる羽目になった
「うぅぅ…スースーするべ…俺の服返してよ…」
「あっははは!!スグ!アンタ可愛すぎでしょ!」
「やっぱりオイラの目に狂いはなかったねぃ」
タロはかわいいかわいいと言いながら写真を取っている、ネリネもこっそり一枚写真を撮った
「まあ、この写真はここだけ限定だから安心しろぃ」
「後で覚えてろカキツバタ…」
スグリは顔をリンゴのように真っ赤にしながらカキツバタをにらみつける、
カキツバタには効果がないようだ…
まぁ後々、スグリの女装大会が極秘で開かれるようになったのは時間の神でも知り得なかったことである
おわり