烙印円環後編

烙印円環後編


フルルドリスの身体に靄がかかり姿を変えていく

アルバスは心を落ち着け着衣を整える

「アルバスくん」

「エクレシア…」

ずっと待ち望んでいた相手との再会

「どうしたんですか?そんな悲しそうな顔をして。やっぱり旅立ちは寂しいですか?」

「旅立ち?」

アルバスはエクレシアの言っていることがわからない

「寝惚けているんですか?約束しましたよね?平和になったこの世界を二人で見て回ろうって」

エクレシアは嬉々として語る

「ほら、こっちこっち」

エクレシアに手を引かれてアルバスは歩きだす 

「さあ出発しましょう」

エクレシアはなに乗り物のようなものに乗り込もうとしている

だがそこにはなにもない

やはり彼女も他の聖女と同様に狂気に囚われてしまったのだろうか

「ほら見えますかキットちゃんたちが手を振っていますよ」

キット

幾度もアルバスとエクレシアの窮地を救った彼女は既にこの世から去っていたはずだ

「あっ、そうだ。髪型変えたんですよ。気づきました?またフルルドリスお姉さまに整えていただきました」

「うん、似合ってるよ」

エクレシアが紡ぐ言葉には彼女が信じた希望溢れる未来があった

だが、現実はエクレシアの望みは何一つとして叶っていない

その事実がアルバスの心に暗い影を落とす

「アルバスくん、大好きです」

「俺もだよエクレシア」

するとエクレシアは指をモジモジとさせ頬を赤らめる

「あの、ですね。この好きと言うのは…恋人とかそういう意味の好きなのであって…」

「わかっているよ。俺も…同じ気持ちだから。」

アルバスが微笑むとエクレシアは満面の笑みを浮かべる

「えへへ。嬉しいです」

そう言ってアルバスの胸に顔を埋める

これが現実で今まで見てきたものが夢だったらどんなに良かっただろうとアルバスは思う 

「これからなにがあっても、どんなに変わってしまっても俺はずっと君のそばにいるから、離れても必ず戻ってくるから」

「はい、いつまでも一緒ですよ。アルバスくん」

エクレシアはどんな姿になっても自分を受け入れてくれた

だからアルバスはたとえ彼女の心が壊れていたとしても最後まで寄り添うと決めた 

「その…言わなければいけないことがあるんだ」

アルバスはこれまでの聖女たちとの交わりについて伝えた

エクレシアに嘘はつきたくなかったからだ

「なにを言っているかよくわかりませんがそれは記憶をなくす前のお話ですか?だったら気にしてませんよ。アルバスくんはかっこいいですし他の方とそういう関係になっていても不思議じゃありません。でも冗談でもフルルドリスお姉さまと交わったなんて言っても面白くありませんよ?」

「……ごめん」

エクレシアは怒るどころか笑って許してくれた

「謝らないでください。それでもアルバスとして私の側にいてくれるんですよね?私はそれで十分すぎるほど幸せなんですから」

二人はあの決戦のときに届かなかった手と手とを繋いでいる 

じんわりとした温もりがアルバスの手に伝わってくる

「アルバスくんの手あったかいです」

「エクレシアもあったかいよ」

二人の体温が溶け合うように混ざり合い、そして……

「いまロッキーちゃんは寝ていますよね?」

「ああ……そうだな」

彼女の見えているものが見えないとりあえずアルバスは相槌を打つ

「アルバスくんはいっぱい……経験してんるですよね……だったら今の私の気持ち、わかりまよね」

エクレシアはどこか熱っぽい視線を向けてくる

「ああ、わかるよ」

アルバスはエクレシアの肩を抱き寄せ口づけをする

「んっ、ふっ、ちゅっ、んんっ」

舌と唾液を交換し、お互いの呼吸を共有しあう

「んっ、ぷはぁ、アルバスくん……んんっ!」

その後エクレシアは気恥ずかしさから頬を赤く染めながら緊張した面持ちでアルバスを見つめる

それにつられてアルバスもバクバクと心臓が高鳴っていく

多くの聖女と交わってきたがこのようなときめきを抱くのははじめてだった

やはり彼女は自分にとっての特別なのだとア ルバスは実感する

「私は初めてなので優しくしてくださいね……」

エクレシアはゆっくりと服を脱いでいく

羽織っていた上着を外し、シャツを捲り、それに合わせてスカートとパンツも下ろしエクレシアらしい飾り気のない下着が露わになる

「脱ぐのを見られるって恥ずかしいですね」

少し間をおいて意を決したエクレシアは下着に手をかけ一気にずらす

「あっ…」

アルバスは言葉をつまらせる

「幻滅しましたか?」

「いや、すごく綺麗だ」

エクレシアの身体は傷ひとつなく透き通るような白さだ

しなやかな曲線と全体的に細身ながらも柔らかそうで肉感的な肢体はその全てが神秘的で美しい

アルバスにはこれまで見てきたどんな女体よりも光輝いて見えた

「ありがとうございます。アルバスくんに褒めていただけると自信になります」

エクレシアは胸と股間を隠すように腕を組む

その仕草にアルバスはより一層興奮を覚える

「触って……いいかな?」

「…っ……はい」

アルバスをエクレシアの髪に触れる

宝石のような輝きを放っていたブロンドヘアーは冷たさを感じる白に染ってしまっている

彼女を救えなかった後悔が再び昇ってくる

そんな感情をアルバスは振り払う

どんな姿でも愛すると心に誓ったから

たとえそれが現実逃避だとしても

「アルバスくんは今と昔の髪型どちらが好きですか?私は整えられた今のほうが好きですけど」

「俺も好きだよ」

アルバスはエクレシアの頭を撫でる

「えへへ、嬉しいです」

アルバスは指先を髪から頬えと滑らせ、そのまま首筋、鎖骨へとなぞる

「んぅ、あっ、」

エクレシアの口から艶めかしい吐息が漏れる 

「上手ですね」

本当だったら馴れない同士で互いにぎこちないながらも少しずつわかり合っていくのだろうか

エクレシアはアルバスにとって希望であると同時に後悔と絶望の象徴でもある

きっとこの十字架は一生背負わねばならないとアルバスは思った

アルバスはそれからもゆっくりと丁寧に愛撫を続ける

脇腹、背中、太もも、お尻、あらゆる箇所を触れていく

「あっ、んっ……くすぐったいです」

エクレシアは身を捩り悶える

だが嫌がっている様子はない

むしろ快感を感じているようだ

「胸は触らないんですか?」

理性がもたないのではないかと意図的に避けていた部位をエクレシアは求める

エクレシアはアルバスの手を取り自分の胸に持っていこうとする

アルバスは恐る恐るといった感じにエクレシアの乳房を揉みほぐしていく

「ああっ!んんっ、はぁ……っ、気持ちいです」

エクレシアの乳首を摘むと甲高い声があがった その反応が可愛くて何度も弄ってしまう

「ひゃうっ!?だめぇ、敏感だから……そこばっかり責められるとおかしくなっちゃいますよぉ」

エクレシアの声はどんどん切羽詰まっていく

「下もさわってください」

エクレシアは腰を上げてアルバスの手を自らの秘所へ導く

そこはもう洪水のように濡れそぼっていた アルバスはゆっくりと指を差し込んでいく

「んっ、ああぁっ!」

エクレシアはびくりと身体を震わせる

「痛かったか?」

「いえ、大丈夫です。もっと激しくしても平気ですよ」

「わかった」

アルバスが中をかき混ぜるように動かすとエクレシアは喘ぐ

「あんっ、はぁ、はげしぃ、いいです」

エクレシアの中は熱くうねっていてとても柔らかい

「ここがいいのか?」

アルバスはエクレシアの反応を見て感じる部分を探り当てる

「はいっ、あっ、あっ、イキそうですあんっんああああっ!」

エクレシアは絶頂を迎えるとぐったりとアルバスに身を預ける

「はぁ、はぁ、はぁ……」

「どうだった?」

「気持ちよかったです」

エクレシアは照れくさそうに笑う

「次は私の番ですね」

エクレシアはアルバスのズボンとパンツを脱がしていく

「すごい……」

はじめてみるものに興味津々といった様子でまじまじと観察している

「あまり見られると恥ずかしいな」

「すみません」

エクレシアは恐る恐る手を伸ばし指で軽く

小突くとそれはびくんと脈打つ

「えっと…どうすればいいんでしょうか?」

「まずは手で上下に擦ってくれないか?」

「こうですか?」

エクレシアはぎこちなく手を動かす

「もう少し速く動かしてみて」

「はい」

エクレシアは言われた通りに手の動きを速める

「あっ、また大きくなってきましたよ」

「エクレシアのせいだよ」

「ふふ、嬉しいです。ほかにしてほしいことはありますか?」

「口でしてくれないかな?」

「はい、がんばりますね」

エクレシアは口を開け舌を出して亀頭に這わせはじめる

「んっ、ちゅぷ、んん」

エクレシアはアルバスのものを口に含み頭を前後に揺らす

「はむ、じゅるる」

エクレシアの口淫はとても拙くてぎこちないが一生懸命さが伝わってくる

「んぐぅ、おっきくて全部入りきらないですね」

「無理しなくていいぞ」

「だいじょうぶです」

エクレシアは喉奥まで飲み込み吸い上げるように刺激する

「くっ、出るっ」

「んんっ!?んくっ……けほっ」

エクレシアの口に大量の精液が流れ込む

「大丈夫か!?吐き出してもいいんだぞ」

「いえ、大丈夫です。んぐっ…ごくっ」

エクレシアはアルバスが吐き出したものを飲み干した

「苦くて美味しくないですね」

エクレシアは困ったような笑顔を浮かべる

「でもアルバスくんのだと思うと不思議と飲めちゃいました」

そういってどこか楽しげにクスクスと笑う

「それじゃあ…そろそろ」

「はい、お願いします」

エクレシアは自ら脚を広げ指先で割れ目を拡げる

アルバスはエクレシアの中に挿入しようとする

「んんっ……やっぱり大きいですね」

エクレシアの中はかなり狭くぎゅうぎゅうと締め付けてくる

「ああっ…んぐっ…うっ」

エクレシアは目尻に涙を浮かべて痛みに耐えようとしている

「エクレシア、力を抜け」

「はい、んっ……ああっ」

アルバスはゆっくりと腰を進めていく そしてついに根元まで入ったところで二人は結合部を見つめ合う

「はいり……ましたね。私、アルバスくんと一つになれたんですね」

エクレシアは嬉しそうな表情を見せる

「大丈夫か?」

「大丈夫……ではないですけど。痛いですけど……気持ちよくしてください」

その言葉でアルバスの理性は吹き飛んだ

アルバスは激しく腰を打ち付ける

「ああっ、んっ、はぁ、はげしい、あっ、んっ」

エクレシアの声は次第に甘いものへと変わっていく

「エクレシア、好きだ」

「んっ、わたしもっ、大好きです」

アルバスはエクレシアの唇を奪う

「んっ、ちゅっ、んむっ」

エクレシアも積極的に舌を絡めてくる

「ああ、もう、ダメ、イクっ、イッちゃいますっ」

エクレシアは限界を訴える

「俺もだ」

アルバスはラストスパートをかける

「んっ、ああぁぁっ!!」

「うっ」

アルバスはエクレシアの中で果てた

「ごめん。まだ収まりそうにない」

「はい、何度でも受け止めますよ」

それからも何度も交わった お互いの身体を求め合い快楽を共有し合った

エクレシアはアルバスが満足するまで受け入れ続けた

「もしかしてアルバスくん辛いですか?」

「えっ……」

不意に投げかけられた言葉にアルバスは心臓を鷲掴みにされたような感覚を覚えた

「そうか?いつもと変わらないと思うけど」

「そう意識して振る舞ってるんですよね。私にはわかりますよ。アルバスくんは私の知らないところで変わってしまったんですよね」

「………」

エクレシアは壊れている

だがそれは恐らく自分もなのだろうとアルバスは考える

エクレシアはそれでもなおアルバスに手を差し伸べる

「それは私のせいなんですか?私になにかできることはありますか?」

「エクレシアは何も悪くないよ」

「じゃあどうしてそんな顔をしているんですか?」

アルバスの頬に一筋の雫が流れる

アルバスはそれを見せまいとエクレシアを抱きしめる

「エクレシアはいっぱいがんばったから。だからもうこれ以上がんばらなくてもいいんだ」

アルバスは彼女の目を塞いでこれ以上傷つかないようにしている

アルバスはとうに立ち上がる気力を失っていた

「俺はなにがあってもアルバスだから、それだけは信じてほしい」

エクレシアが応える前に彼女は姿を変える

「ねえ〇〇くん、また一緒にしよ」

「ああ……」

エクレシア、また会えるかな

アルバスの瞳の色は妄執に綴る少女と同じだった

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