満たされる心、白濁の聖杯

天の衣を纏ったアイリスフィール・フォン・アインツベルンと、藤丸立香の秘密の関係。その始まりは単なるラッキースケベによるものだった。
立香に部屋の掃除を手伝ってもらった際、アイリが転んで彼の腕に飛び込んでしまったというだけ。普通ならそこでアイリが謝罪して終わりのはずだった。
───しかし、アイリは不覚にも立香にときめいてしまった。
立香の腕や胸板の感触、体臭、至近距離で見る顔の諸々に下腹部を熱くさせてしまったのだ。
そうしてアイリは、元々ご無沙汰だったのもあってか転げ落ちるように立香へと溺れていった。
───
深夜、アイリのマイルーム。ベッドの上にて。
「あはっ♥ ぁっ♥ あんっ♥ あなたっ♥ あなたぁっ♥」
騎乗位の体勢を取ったアイリが、天の衣と銀の長髪を揺らしながら腰を振る。真紅の瞳に映す相手は、当然の如く立香のみ。それ以外は既に眼中にもない。
(彼女の成り立ちが特殊なのでそう言っていいかは不明だが)生前の“夫”その人が来ておらず、肉欲を持て余していたアイリにとって、立香との逢瀬は地獄に垂らされた蜘蛛の糸も同然だった。
「アイリさん……いつものことながらすごい乱れっぷりだね…! そんなにオレのが良いの?」
「イイッ♥ 最ッ高なのッ♥ あなたとのセックス気持ち良すぎてッ♥ もう止まらないのッ♥♥」
…このアイリの痴態を見て「乱れ過ぎだ」と感じる人もいるだろう。まだフィニッシュでもないのに、「あなた」と愛おしげに呼びかけるのは流石におかしいと。
しかし、生前におけるアイリの実年齢はどう甘く見積もっても10歳前後。それがセックスによる快感を実感として覚えてしまったら、病みつきになるのは道理なのだ。
「じゃあ、もっと最高にしてあげるよ…!」
「あぅぅっ♥♥」
天の衣越しにアイリの巨乳が鷲掴みにされ、同時に薄布一枚では隠すことなどできない勃起乳首が弄ばれる。
いじられ、摘まれ、その度にアイリの口から嬌声が漏れる。
アイリの珠の肌を彩る“天の衣”……それは人が触ると黄金になると言われるものだが、アイリは立香の妻仲間に頼んでそうならないような術式を組んでもらっていた。なので、服と人間のどちらが黄金になるかは今もって不明である。
しかし、それは主題ではない。この場において重要なのは、それが『情欲を煽る衣装である』ということのみ。
場合によっては外される胸当て。そもそも身に着けない下着。それによっていわゆる『乳暖簾』と化す胸元。アイリの恵まれたスタイルと組み合わさったそれら要素は、少なくとも立香にとっては目に毒だった。
「駄目っ♥ 駄目ぇッ♥ このままじゃ立香専用になっちゃう♥ 立香のこと夫って認めちゃううぅッ♥♥♥」
「もうなってるし……認めてる、でしょッ!!」
「アアアァッ♥♥♥」
立香が突きあげる腰のスピードを上げる。ベッドの軋む音が強まり、アイリの嬌声と合わさって淫らな協奏曲を奏で始める。
「ああ、出す、出すのねっ♥ 夫も娘もいる人妻ホムンクルスを寝取って種付けするのねっ♥♥ 身も心も染め上げて専用ホムンクルスへの種付けを正当な権利にするのねッ♥♥♥」
「っ……くっ……アイリさんっ…! アイリ!!」
「来てっ♥ 来てェッ♥♥ 立香の愛で私の聖杯浄化してぇぇぇ♥♥♥♥♥♥♥」
立香とアイリの心身がシンクロし、互いの性器がぶっちゅん♥ とキスを交わす。
そして。
「アイリッ!! ナカで出すぞッッ!!!」
───ドビュッ!! ドビュっ! ビュルッ!! ビュクンッ!!! ビュルルッ!!
「あぁぁぁぁッッッ♥♥♥」
かつて、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンを産み落とした子宮に立香の精液が注がれていく。…アイリが、内側から立香のものにされていく。
部屋に充満するのはアイリの体臭でも“夫”の体臭でもない、立香とアイリの性臭だ。つまり、アイリは外側も立香のものにされているのだ。
───もう、戻れない。アイリの全ては立香の色に染められた。
「はぁッ…♥ はぁッ…♥♥ …はぁッ…♥♥♥ …ふふ、あなたの想いは強力ね、立香♥ 私という聖杯を満たす程に♥ 以後私は、もっと多くの力をあなたに貸す事が出来るでしょう♥」
「?」
「白濁の聖杯よ、喘げ♥」
そう呟いたアイリが立香に手を触れ、唐突に魔力パスを繋げた。すると。
ずくん。
(…!?)
立香のチンポが活性化した。いや、それだけではない。前立腺も、金玉も、全てがアイリの魔力を受けて活性化し始めた。
「魔力を貯めて、聖杯は願いを受け止める。…そう、立香の精液と願い。それが今の私に注がれたモノよ♥」
そう言い切ったアイリが、キスを捧げてくる。恋人同士がやるような、甘くとろけるようなディープキスを。
「ん……ぷはっ♥ 私は、ようやく聖杯に相応しい相手を見つけたわ。…だから、末永くよろしくね? “あなた”♥♥♥」
そうして何も止めるものがないまま、アイリは聖杯の所有権を立香に譲渡。アイリ自身もそのまま立香の妻となったのだった。