深掘れ⭐︎ワンチャン特別編 〜インタビュー導入編〜

深掘れ⭐︎ワンチャン特別編 〜インタビュー導入編〜



「⁉︎…もしやルビーちゃん、その話題の…ってまさか⁉︎」

MCの芸人さん。流石だ。私達の状況を理解した上で素晴らしいリアクションをしてくれる。リハの時も協力的でありがたかった。

そんなご厚意にはこの企画の反響と出来を持って応えたい。

「はい!!私のパパ、カミキヒカルと!ママの星野アイ!!

二人がどんな感じで過ごしているのか!!何で一緒になったか、何故夫婦生活を黙っていたのか!!

皆さんが気になっていることを娘の私が深掘りしちゃいます!BOW♡」

さてお兄ちゃんはどんな反応かな?

「」

唖然としていた。顔面を手で覆って呻いてる。

最近マルチタレント化して毒舌イケメン兼モデルと持て囃されているお兄ちゃんの貴重な渋面が全国公開だ。

「お兄ちゃん!ちゃんと観ていてね!」

「お前…ホントお前…」

「アクアくん、凄い顔してるけど知らなかったの?」

「兄妹でこの仕込み知らんとか無いやろ?…え?マジなん?その反応…」

ザワつくスタジオ。MCの芸人さんは苦笑している。地味にこのネタを知っている人は一部スタッフさん、鏑木p、MCさん、私とごく少数だ。 

だからスタジオの芸人さん、レギュラーの女優さんがお兄ちゃんに確認して来るが、何も知らない星野愛久愛海くん(18)は

首を横にフルフルと振るのみ。

この番組の見どころとしてお兄ちゃんのリアクションがあるから

「いつもの澄まし顔とは違う、全く新しい反応をするうちの兄…見たくないですか?」

と制作会議で言うと即全会一致。娯楽に貪欲な業界だ。きっと乗っかかると思っていた。

お兄ちゃんだけ何も知らない形で水面下で準備し今日に漕ぎ着けたのだ。

「………母さんも父さんにも担がされたわけか。やられた…」

「はい!お兄ちゃんの貴重な表情!みんな見ましたか⁈見ましたね!では、VTR…BOW♡」

「お前ホント覚えてろよ」

お兄ちゃんが居る方から地の底から響く声聞いたけど今は気にしなーい♪

『○○月+日、芸能界に激震が走った。

それは苺プロ所属元B小町、不動のセンター、アイこと星野アイについてだ。

彼女はアイドル卒業後現在、精力的に女優業やタレント業もこなしている。

そんな彼女について匿名の情報がある記者に情報が寄せられた。

「星野アイには夫と子どもがいる。」

「その子どもはアイドル、新生B小町の星野ルビーとマルチタレントの星野アクア。

夫は舞台俳優のカミキヒカル」

この情報を受けた記者が苺プロに確認するとあっさり認められてしまった!!

その後激動の公式発表、記者会見があり

星野アイと夫とされる俳優 カミキヒカルは休業を宣言することとなった…』

ナレーターの声優さん、優しい声音で嫌味が無いなー

何処となくママと声が似ていて好きな声優さんだ。歌も上手いらしいし、今度私達のラジオで呼びたいなー

と少し関係のないことを考えていた。

色々客観的に素の自分や仕事モードの演じている自分をこれから交互に見せられるのは恥ずかしい。

『当番組でまさかの!!休業中の星野アイ夫妻から取材許可が降りたので早速、リポーターの星野ルビーちゃんが行ってくれました!』

「ルビーちゃんと親子やもんなぁ…アイちゃんにあんな大きな娘さんと息子さん居るとは思わなかったから驚いたホンマ」

「確かに似てますよねルビーちゃんとアイさん。いやー羨ましい顔面偏差値」

「ヒカルくんと舞台一緒したりしてますけど、彼家庭的なところあるから何か納得しましたね」

ワイプ用に色々コメントするスタジオの方々。

この番組のレギュラーで出ている方々は感じが良い人が多くて野次や嘲笑するようなことを言わないから結構好きな現場だ。

それなのに業界での受けと視聴率も良いから、色々ギリギリな内容でしているのに放送後雰囲気が悪くなりにくいのが良い。

ママとパパの炎上を終わらせるには良い番組なのだ。

『都内某所 

「はい!リポーターの星野ルビーでーす♪今日は例の大炎上中な芸能人夫妻、星野アイさんとカミキヒカルさんに色々聞いていきたいと思います!!では、今日はよろしくお願いします」ペコリ

「よろしくお願いします。」

「よろしくね、ルビー」』

VTR内の二人はかなりリラックスした様子だ。

ママはリラックスし過ぎて部屋着のファミリーTシャツ「mother」とロゴが入ったTシャツ。

パパは同じくファミリーロゴの「father」と入ったロゴT。

さてさて、周りの反応は?

「リラックスし過ぎやろ⁉︎」

「…ウチの両親、あのTシャツがお気に入りでシリーズモノが10着あります。オールシーズン用」

「「「「オールシーズン用⁈」」」」

お兄ちゃんが顔を赤くしながら補足説明。

…この反応が欲しかったからお兄ちゃんの

立ち回りは流石だ。こちらの意図を読んでくれている。

さて次は私の番。

「私達も同じシリーズのTシャツお気に入りなんですよー

ね?お兄ちゃん」

写真で家族四人、「mother」「father」「「twins」」と着て撮った写真をスタジオに映す。パパが「面白いから撮ろう」と思い付きで撮ったやつ。

こういうところで生きるとは。

「我が家のプライベート晒すな!」

「この写真、アクアくんが少しムッとしてカミキさんから離れているのが思春期感あるよね」

「反抗期かな?」

「いや違いますんでホント勘弁してください…」

顔を手で覆って伏せる仕草をするアクア。

いつもの毒舌クールらしかぬ仕草に

どっ!とスタジオで笑いが起きる。

『「僕達に色々聞きたいこと、あるんだよね?この際だから娘としてお父さんに色々聞きたいことを聞いてくれても良いよ」

「私もヒカルに聞きたいことあるんだけど?ダメ?」

「えーっと、まずかったら色々カットするから大丈夫です…とのことです!良かったですね!」

「他人行儀はママ悲しいなぁ…いつものルビーになら色々教えちゃうよ?」

「では…コホン…パパ、ママ!教えて?♪」キャルン☆』

「家でもこんなんだったら僕は絶縁しています。」

「辛辣!!」

いつもの番組内の兄妹の掛け合い。受けが凄く良いのだ。コレが。

『「「良いよ!!」」』

「「「テンション高っ⁉︎」」」

「ウチの両親、ルビーに弱いところあるんです…」

インタビュー、スタート!!

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