深夜配信【俺くんが出演する回】
閲覧注意:R18
モブ(俺くん)×ヴィト
アレな配信している怪銃注意
時系列、口調迷子
モブ(俺くん)視点
ネタバレ:俺くんは死ぬ
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と同じ時空
運命って言うのは、本当にあるんだと思った。
今日分の仕事を終えて、いつものバーに顔を出す。
照明の薄暗いタバコの煙が充満した馴染みの店。
まだ日が高いのに、相も変わらずそこはごちゃごちゃと賑わっていた。
この治安のよろしくない島で同じように働く知人たちに軽く挨拶をして、ひとりカウンターで軽く酒を嗜む。
ぼんやりとウイスキーを舐めながら、先日見た配信を思い出してにや付く口元を慌てて抑えた。
アンダーグラウンドで流行ってる映像電伝虫を使った『配信』。
偶然見付けたそれは独り身の寂しい俺なんかにとっては、最高の夜のお供である。
そんな配信に運命の推しを見つけてしまったわけだ。
通称『怪銃』。高身長にサングラスの成人男性。
俺の好みには完全に外れているはずなのに、色気を感じる長い舌と長い指。
高そうなスーツとしっかり決めた髪をぐしゃぐしゃに汚しながら乱れる姿にすぐに虜になってしまった。
同じ気持ちの奴らがリスナーとしてコメントを打っているからか、俺の性癖は普通なのでは? なんて、錯覚してしまったのも原因だと思う。
特に最高だったのは某キャラクターイメージのピンク色の禍々しいディルドを使ったパフォーマンス。
ぐぽっ♡ と奥に入った時のあの嬌声と言ったら!
常連リスナーたちに混ざり、生まれて初めて高額投げ銭までしてしまった。
最近では稀に相手を用意して濃厚な絡みを見せつける配信もしている。
相手はマスクやサングラスで容姿を隠しているが、毎回違う相手なのは恋人ではないアピールのようで少し安心してしまった。
あの怪銃に突っ込める相手に恨みの感情を抱くが、愚息を握る右手は止まらないから困る。
先日は巨体の持ち主が相手で、抱きかかえられてびっくりした表情を晒してくれて可愛くて仕方がなかった。
「うひゃあっ」なんて、あんな声まで出せるのか!
魅力が留まるところをしらない怪銃を思い出して、また口元が緩んでしまいごまかすように酒をあおった。
物思いに耽っていると、隣にふっと影が差す。
狭いバーだ。カウンター席も埋まり始めているから今日はさっさと出た方が良いか。
思いながら何となしに隣の客人に目をやった。
「…ッ!!??」
「あ、隣いい?」
酒を吹き出したりグラスを落とさなかった俺を褒めて欲しい。
だって目の前に、今さっき思い出し萌えをしていた怪銃が立っていたんだから!!
水音が隣の浴室から響く。
先にシャワーを浴びさせてもらった俺は腰にタオルを巻いただけの姿。
腕には昔イキって彫った刺青を隠すテーピング。黒いマスクは外れないようにしっかりピンまで留めてもらっている。
ベッドの前には先ほど怪銃が角度を調整して設置した映像電伝虫。
現実味が一切ない。
夢かと思って頬をつねるとちゃんと痛い。
そわそわしながら部屋を見回すが、何の変哲もない宿の一室だ。
今からここで、怪銃を抱く配信をするのか。俺が。
先ほどのバーで偶然出会った怪銃に、思わずファンボーイ丸出して声をかけてしまった。
サングラスの奥で目をまん丸くして驚いていた怪銃だったが、俺の熱量が伝わったのか長い人差し指を口元にもっていって「しー」って声を落とすように施して話を聞いてくれた。
野暮用でこの島に立ち寄ったという怪銃は、配信のネタ集めにこの辺を散策していたそうだ。
この裏通りにはアダルトグッズのショップもあるし、なるほどな、なんて思った。
俺は配信の好きなところ、投げ銭をしたことがあること、酒を飲みかわしながら一生に一度のチャンスだと思って精一杯伝えた。
こんな俺の話を怪銃は配信で見るより柔らかく笑って嬉しそうに聞いてくれた。
そして怪銃は、話が途切れると俺の耳元に顔を寄せて呟いた。
「そんなにおれが好き?」
色気で死ぬかと思った!
明らかにアルコールのせいではない体温の上昇を感じて、真っ赤になった顔で俺は何度も首を縦に振ったと思う。
「じゃあ、おれの配信出てみるレロ? 抱いてよ」
そこからの記憶は曖昧で、ふわふわして、あれよあれよとこの宿に連れ込まれシャワーを完了していた。
やはり現実味が一切ない。
思い出し勃起をしているちんこをタオルの上から軽く握る。やっぱりちゃんと痛い。
ガチャリ。
浴室のドアの音が鳴り、慌てて手を膝の上に置いた。
「お待たせレロ~…あれ? 緊張してる?」
「そ、それはもう…」
シャワーを浴びて少し頬が赤くなった怪銃に見下ろされる。
髪もしっかり乾かし、きっちりスーツを着込んでいて、これからのこととのギャップに正直めちゃくちゃ興奮した。
「配信見てたらわかると思うけどおれに任せてくれればいいレロ~安心して、ね?」
「は、はい!」
天にも昇る気持ちで何度も頷く。
こうやって行きずりの男と行為をしているのなら、相手が毎回違うのも納得ができた。
あわよくば常連になりたいので、怪銃のペースに合わせつつ彼を満足させよう!
そう気合いを入れている俺の頭を優しく撫でてくれて、何回目かわからないときめきを感じた。
そのまま怪銃は映像電伝虫に触れ、配信が開始された。
「こんばんはロレロ! 今日は絡み配信! こちらの彼にお相手してもらうレロ~!」
配信が開始すると、配信テンションの怪銃がぐいっと俺の肩を抱いた。
コメントが見えやすいように設置されているモニターには『誰よその男!』『いい体してんじゃん』『うらやましい!』とリアルタイムのリスナーの感情が伝わってくる。
気恥ずかしいが、このリスナーたちより優位に立てている現実にマスクの下でニヤニヤしてしまう。
可愛い怪銃を見せつけて、投げ銭も稼いで喜んでもらおう…!
配信の主役はあくまで怪銃なので、余計なノイズにならないように声を出さずに画面に向かってぺこりと頭を下げた。
基本的に好きにしていいと言われてるが、何をしたものか。
おたおたしていると俺の緊張を知っている怪銃はばっと俺のタオルを取り去った。
「っ…!!」
やっぱりちんこを配信にさらすのは恥ずかしい! しかも推しに見られてる!!
既に緩く勃ち上がってる俺のそれをあの長い指がくすぐるように撫でる。やばいやばいやばい!
「ニョロロ、立派なもの持ってるロレロ~♡ じゃあ、さっそく…いただきます♡」
じゅぷんっ♡
一切の躊躇もなく咥えられ息を呑む。あつい熱に包まれ一瞬でバキバキに勃起した。あ、これちんこ溶ける。
「~~~っ!」
ちゅっ♡ ちゅぷ♡
「…ん、ん゛っ♡」
ゆっくりと舌が動くたびにぞくぞく背筋に快感が走る。いや、無理。でも即発射したくない。勿体ない。
喉の奥に誘われぎゅっと先端が絞られる。びくっと体を震わせると楽しげに笑う感覚が伝わってきた。
歯を食いしばりながら、気を散らすために怪銃の髪に手を差し入れる。
思ったより髪質が柔らかい。直にそれを感じられる現実に感謝。
唾液をまとった長い舌で丹念に竿全体を舐め上げ、先っぽをちゅう♡ と吸われる。
「は、ァ…♡」
うっとりとした顔で愛しそうに見上げられるとか、完全に視覚の暴力。多分俺の全身真っ赤だと思う。
髪で遊ばせていた指を耳へと移すと、ぴくんっ♡ と怪銃が体を震わせた。
やわやわ耳朶を指で挟み、そっと掠めるようになぞる。
「んぅ…♡♡」
怪銃はぷはっと一度ちんこから口を離し、蕩けた声を漏らす。かわいい。
そのまましつこく耳をいじっていたら、一時的に主導権を渡す気になったのかふにゃふにゃと俺の膝に頭をのせておとなしくなってくれた。
ちらりとコメントを見ると『B1000 今日のヤツやるじゃん』『B5000 かわいい♡』『アイツずるい!』なんてあって、かなり気分が乗ってきた。
マスクをしているので口は使えないが、代わりに耳元から首筋に指を這わせ、開いたシャツの中に潜り込ませる。
「ぁ…?♡」
このスーツを着たままの行為に性癖をぶち壊されたので、俺から脱がすことは絶対しないと心に決めていた。
手探りで硬くなり始めた胸の先へ、手を伸ばす。
「ぅひッ…!?♡」
ぎゅむっ♡
人差し指と親指で乳首を緩く摘まんだ。潰すようにこりこりしたそれを愛でる。
「あッ…ん゛!♡ ぅ、…ゃッ♡」
くにゅ♡ ぎゅっ♡ ぐりぐりっ♡
摘まんで、引っ張って、弾いて、撫でる。
びくっ♡ びくんっ♡
「あっ、あ゛ッ♡ 待っ、それ…ん゛ぅっ♡ ~~ッ♡♡♡」
サングラスに、頬に、俺のちんこが当たってでろでろになりながら身を捩る。
見ると、へこっ♡ へこっ♡ とわずかに腰が揺れてる。
「乳首すきなんですか?」
配信に乗らないように小さな声で、怪銃の耳元で囁く。
「んッ♡ あ、ちくびっ♡♡ すき…♡ もっと、いじめて欲し…レロ…♡♡」
「……ッ!!」
暴発しなかった自分を褒めたい。
頬を真っ赤に染め涙を浮かべてとろけている怪銃の破壊力たるや。
ご要望通り、丹念に乳首をいじって差し上げよう。
「ん゛ぅっ♡ はぁ♡ ぁ、ン゛っ♡ ふぁ…ッ、ぅ♡♡」
くるくる円を描くように乳輪を撫で、焦らして焦らしてピンっ♡ と弾く。
それだけで口元から覗く舌が甘そうな唾液をぽたぽたと零して可愛らしく喘いでくれる。
スラックスにはしっかりと布地を盛り上げてる存在が見えて、ちゃんと感じてくれていることに俺は安堵して更に息を荒らしくした。
「ね、もう…こっち…欲しいロレロ…♡」
愛撫がしつこすぎたのか、赤い顔で俺を見上げながら怪銃は自らのベルトに手をかけた。
怪銃の生おねだり!
暫く放置されたのにも関わらず、俺のちんこは臨戦態勢でちょっと恥ずかしい。
もうコメントに目をやる余裕もなく、下着ごとスラックスを脱ぐ怪銃に釘付けだ。
俺に向けて軽く開いた脚の間には、とろとろ先走りを零す勃ち上がった長くて立派なちんこ。
その奥には仕込んだローションがわずかに漏れ出ている濡れた縦割れのアナル。
鼻血出そう。ガン見しよ。
怪銃はベッドの隅に置いておいたコンドームの箱を引っ掴んで、乱暴に中身をぶちまける。
投げて寄こされたひとつをキャッチして、少し悩んでから開封して自らの指にはめた。
不思議そうにこちらを見上げる怪銃の長身を押し倒して、濡れたアナルに触れる。
ぬちゅっ♡
音を立ててローションが溢れ、抵抗なく俺の指を飲み込んでいった。
「ぅあ…ッ♡ 待て、指じゃなく、て…ッん゛!?♡♡」
ゆっくりと差し込み、指を腹側に曲げるとびくっ♡ と、大げさに体が跳ねる。
配信時、すぐに奥に突っ込む傾向にあったから、手前に弱いところでもあるんじゃないかと妄想していた。
もしや大正解か?
壁を引っ掻くように何度もなぞり、見付けたしこりを撫で回す。
「ぁ、い゛あ、ッ!?♡♡♡ そこ、やめ…っ♡ ぉあ゛ッ!!♡♡」
怪銃の手が俺を静止するように伸びて来たが、中で指を折り曲げた瞬間ぱたり、とシーツに落ちる。
ぎゅうっ♡ と耐えるようにシーツを握りしめる度に、アナルもきゅうきゅう♡ 締め付けて来る。
狭くなったそこにもう一本指を挿入して、今度は二本で入念にトントン♡ と前立腺をノックする。
ぶちゅっ♡ ぐちゅっ♡ ぷちゅんっ♡
「ッぉあ゛!♡♡ やら゛…ッ♡♡ そこ、キツ…んぅぅうう゛っ!!♡♡♡ ぁ、ぐっ…───ッッ♡♡♡♡♡」
声とは裏腹に、自ら腰を揺らし更に刺激を求める姿にごくりと生唾を飲み込んだ。
「やぁ゛あ゛ッ♡♡♡ イ゛、イく、っ♡♡ も、イくっ゛から゛♡♡ やめっ♡♡」
ぐちゅんっ♡♡♡
三本の指を束にして、全体でしこりを刺激しながら勢いよく根元まで挿し入れた。
「ひッ、イぐ♡ イ゛…ッ♡♡ んん゛ぅッッ♡♡♡♡」
瞬間、ぎくり、と体を硬直させ、怪銃の勃ち上がったちんこは精液を吐き出す。
ぱたぱた、零れる精液がスーツを汚し、暗い色に白が綺麗に映えた。
「は、…はァっ♡ イっちゃうって…言ったのに…♡」
肩で息をしながら赤い顔で、少し不貞腐れたように怪銃が呟く。
かわいくてしょうがないので、お望み通り指以外を献上しようと思った。
指に嵌めてたゴムを外し、新しいゴムをついに自分に装着する。
「え」
ぐいっと怪銃の長い右脚を肩にかけて、そろそろ暴発しそうなちんこを柔らかくなったアナルにぴたりと押し当てた。
「待って、待って、今イッたばっか…あ゛ぁあ…───っ♡♡♡♡」
ばちゅんっ♡♡
とろけるような中へ一気に挿入した。
「あ゛…っ♡♡♡ ァ、っ♡♡♡」
先ほど吐精したばかりで萎えかけだった怪銃のちんこからぴゅくっ♡ と残滓のような精液が溢れた。
ぎゅうぎゅうっ♡ と絞り取るように蠢くアナルに抗うことはできず、本能のまま、あとはもう無我夢中で何度も腰を打ち付けた。
ぐちゅん♡ ぐちゅんっ♡ ばちゅんっ♡
「っ!♡ んォ゛ッ!♡♡♡ あ゛あ゛あ゛あァッッ♡♡♡」
腹側に当たるように腰を使うと、長い左脚がシーツの海を泳ぐように痙攣する。
気持ち良すぎて食いしばった奥歯がみしり、と音を立てた気がした。
二人の間で揺れるぐちゃぐちゃになった怪銃のそれに手を伸ばし、先端をくるくる指で遊ばせる。
「ぁ゛っ、や゛っ♡ やめ…ッ♡ あ゛ぁ゛ぉぉ゛──っ♡♡ ──────ッッ♡♡♡」
抵抗らしい抵抗はできないまま、びくびくっ♡ と体を震わせ、潮がぶちまけられた。
「っはぁ♡ ッひ、ぅう゛♡ また、…イ゛…ッ♡♡ も゛、キツ…ッ♡♡♡ うう゛~~~ッッ♡♡」
ぐちゅんっ♡ ぐちゅんっ♡
降参したかのように俺の下で身を投げ出し、されるがまま感じ入ってる怪銃。
最高の姿を網膜に焼き付けながら、俺はゴムの中で我慢に我慢したそれを吐き出した。
ふらふらしながら配信のスイッチを切った怪銃は、項垂れるようにベッドに腰掛けた。
俺は汗だの何だのでぐちゃぐちゃになったマスクを漸く外し、隣にお邪魔する。
「お、お疲れ様です…」
「おつかれレロ~…」
ガッサガサに掠れた声に若干心配になる一方、そうさせたのは俺だという事実。ニヤニヤが止まらない。
「なに笑ってんの」
あ、バレた。
肩に腕が回り引き寄せられる。すぐ傍に怪銃の赤くなった顔。
吐き出したはずなのに、また腰に熱が集まるのを感じる。
これはもしや、お気に召して頂けた? 常連チャンス?
ばくばくと高鳴る心臓の音がうるさい。
「お前、ヤバいハーブ売り捌いてるな?」
部屋の空気が冷えたのが分かった。
突然の言葉に、何も反応ができない。
今、この人は何を言った?
「紅茶に混ぜて輸入すればバレないとか言われたレロ? 馬鹿だなあ」
くつくつ笑うその顔は、俺の知っている配信者の『怪銃』の顔をしていなかった。
「あのバーなんか使用者の溜まり場なのバレバレだったレロ~末端の教育がなってない組織で助かったけどな」
ぐっと腕を引かれ、先ほどあんなに楽しんだベッドに押し倒される。
サングラスの奥の瞳に射抜かれて、俺は震えあがった。
「ち、違う! 俺は金が稼げるって聞いて! 何を売ってるかなんて知らな…」
「あ、そういうのどうでもいいロレロ」
ぼふん、と顔に真っ白の何かが当てられる。遅れてふわふわした感覚に枕だと気付いた。
「ウチが目ぇ付けてる島でそういうことされると迷惑レロ、それだけ」
「…っ!! …っっ!」
否定の声を上げようにも、強い力で押さえつけられ呼吸もままならない。
「ニョロロ、リスナーだったのは予定外だけど、最後に良い思い出できてよかったね♡」
カチリ、と鉄の音が響く。これは、まさか。
抵抗するために俺は腕を伸ば
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夜明けが近い。
宿の裏口を開けると若干肌寒くて身震いする。入浴を済ませて別のスーツに着替えたというのに、また風呂に入りたくなってしまった。
荷物を担ぎ直すと店員が手を貸そうと申し出てきたが、丁重に断り代わりに部屋の清掃を依頼した。
少し歩くと足元は草から岩へと変わり、目前には青い海が広がった。
見事な断崖絶壁。素晴らしい立地である。
見下ろすと荒れ狂う波が飛沫を上げる。落ちたら大惨事だなぁ、なんて他人事のように思う。
担いだ荷物を無造作に下ろし、海に向かってよいしょーっと勢いよく放る。
それは歪な放物線を描いて、落ちた音ごと海流に飲み込まれた。
確かこのへん名産の魚がそろそろ繁殖期のはずだ。栄養を求めているだろうからさっさと処理をしてくれるだろう。
…ぐう。
小さく鳴った腹に薄く笑って踵を返す。そういえば晩飯を食べてなかったし運動もしたっけ。
宿へと戻ると部屋の掃除を完了させた店員と鉢合わせたので、何か食事を用意できないかと頼み込んだ。
こんな時間で申し訳ないが、と付け足すと笑顔で問題ないと腕まくりをする。
相談役に食事を提供できるのが光栄なのだろう。気合いが入るのが良くわかって苦笑する。
「何にしますか?」
「海鮮以外で頼むレロ」
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後日、新聞に小さく記事が載った。
ある島でひとりの青年が行方不明になったこと。
違法薬物の売買に関わっていた容疑があり、島一帯が調査されたこと。
結果、主犯のグループが捕まったこと。
青年の姿は未だ見付かっていないこと。
その島が、ある海賊の縄張りとなったこと。
興味なさそうに新聞を折りたたみ、配信画面に映らない位置に投げた。
そうしてヴィトは、今日も配信を開始する。