海賊王のお宝争奪戦
祭り屋ブエナ・フェスタにより開催された【海賊万博】。海賊王ゴールドロジャーが遺したとされるお宝は、ノックアップストリームで浮上した宝島、そこに横たわる巨大ガレオン船に眠る財宝の山に隠されているという。
「宝だァ!!」
「お宝を奪え~!!」
『さあ、宝探し争奪戦は最終ステージに入ったぞ!!』
それを手に入れるべく、宝島に乗り込んだ海賊達は争い始めた。司会者ドナルド・モデラートによる実況の中、砲弾の飛ぶ音、刃がぶつかり合う音、海賊達の雄叫びなどが宝島のあちこちで響き渡る。
「“ペンタグランマ”!!」
「うお、何だァ!?」
「動けねェ!?」
真っ先にサニー号から飛び出したルフィ・ゾロ・ウタもまた、この争奪戦に参加していた。ウタが発生させた五線譜で海賊達が拘束され、通行可能になった道を3人は一気に駆け抜けようとする。しかし、そう簡単に突破できるほど、他の海賊達も決して甘くはない。
「! お前ら、先に行け!」
「「わかった!」」
「ハァ!!」
敵の接近に気づいたゾロが立ち止まり、ルフィとウタを先に向かわせる。刀を抜いたゾロに攻撃を仕掛けて来たのは、キッド海賊団の戦闘員であるキラー。鎌を高速回転させた手甲型武器【パニッシャー】で斬りかかって来たキラーの攻撃を、ゾロは正面から2本の刀で防御する。
「おれが相手だ…!!」
「海賊狩り…!!」
2人が斬り結び、甲高い金属音が鳴り響く。実力は互角だが、ゾロならば問題ないと判断したルフィとウタは立ち止まる事なく、お宝が眠る巨大ガレオン船を目指してどんどん突き進む……が。
「“爆(ドーン)”♬」
「「うわァ!?」」
崖を乗り越えようとしたルフィとウタが、謎の爆発で吹き飛ばされる。後退したルフィの前に立ち塞がったのは、オンエア海賊団の船長スクラッチメン・アプー。オトオトの実の能力で、ルフィ達に妨害を仕掛けて来たのだ。
「何だお前!!」
「麦わらァ、おめェのイカれYOには迷惑してるぜい♪」
「宝はおれが取る!!」
「あばよ!!」
「「!?」」
アプーと対峙し、戦闘態勢に入ろうとしたルフィ。しかし2人の頭上を、キッド海賊団の船長ユースタス・キッドが通過する。
「潰し合ってろ、バカ共がァ!!」
「んの野郎!!」
「チッ!!」
キッドに先を越されまいとするルフィとアプー。その時、“ウタモルフォーゼ”で黄金鎧を装備したウタが「どいてルフィ!!」と大声で叫び、それを聞いたルフィがすぐにその場からジャンプする。
「“急速な追奏曲(プレスト・カノン)”!!」
「うお危ねェ!?」
ルフィがジャンプした瞬間、金で装飾された槍【ヒポグリフ】を構えたウタがアプー目掛けて凄まじい速度の突きを放つ。寸前で気づいたアプーがギリギリ回避し、避けられたウタは地面を滑る事で急ブレーキをかける。
「ルフィ、先に行って!!」
「おう任せた!!」
「んな!? くそ、行かせは…」
「“繰り返す協奏曲(ダカーポ・コンチェルト)”!!」
「っておォい!? 待て待て、ちょっとは落ち着けYO!?」
ルフィがキッドの後を追って進み、それを邪魔しようとしたアプーにウタが素早く接近。クロスの形に斬り払うようにヒポグリフを振るい、アプーは慌ててトンファーを構えて何とか捌き切る。
「このアマァ!! 少しはおれの“音楽(ミュージック)”も聴けっての!!」
「悪いけど、あなたの音楽にアンコールは求めてないから!!」
アプーに能力を使わせまいと、ウタはひたすら攻撃を放ち続ける。オトオトの能力を使う隙を与えて貰えないアプーは、苛立った様子でトンファーを振るう。そうしている間に、ルフィや他の海賊達はお宝を求めて先へと進んでいく。
それからしばらくした後、千両道化のバギーがお宝の入った古い宝箱を入手。それを奪い取るべく、ルフィ達がバギーを追いかけていたその時…
「———そろそろ、始めようか」
事態は突如、急変する事となる。