海兵と歌姫と歌う骸骨

海兵と歌姫と歌う骸骨


このssには、キャラ崩壊・設定捏造などが多分に含まれます

ご注意ください!


part1:心臓飛び出るかと思いました!私、心臓無いんですけど!!





「いや~、相変わらず何も見えねぇな~。ウタ、もうすぐデッケェ魚釣ってやるからな!」

「うん……」



深い深い霧の中、逃亡生活を続ける海兵ルフィとウタは、偉大なる航路前半にある海域

"魔の三角地帯(フロリアントライアングル)"にいた。毎年100隻以上の船が消息を断つ、呪われた海域である。

なぜふたりがここにいるのかを説明しよう。




まず二人が明確な目的をもって向かったのは、この近くにある"水の都 ウォーターセブン"である。

これからも追跡者たちから逃れるためには、それなりの性能を持った船が必要だと決定づけた二人は

船大工の島としても有名なウォーターセブン(以下W7と略す)に舵をきった。


しかしその島では、世界政府直下暗躍諜報機関"サイファーポールNo.9"(以下CP9と略す)が潜入任務を行っていたのである。

CP9によって、W7の市長 兼 造船会社「ガレーラカンパニー」の社長であるアイスバーグとW7の解体屋「フランキー一家」の棟梁フランキー

"ウソップ海賊団"所属の考古学者ニコ・ロビン、そして何とウタが攫われてしまったのである。


ガレーラカンパニー船大工やフランキー一家、縁あって親交のあるウソップ海賊団とともにルフィはCP9を追跡

司法の島"エニエスロビー"にてCP9を撃破し、島がバスターコールで壊滅するなか どうにか脱出を果たした。

なおルフィとウタは知る由もないが、ウタ誘拐とバスターコールはCP9長官の独断によるものである。


救出されたことに対する恩義を返すため、船大工と解体屋たちは二人のために船を建造。

結果的に、そして予想を遥かに超えるほど上等な船を手に入れた二人はW7を出港した。

しかし船を建造してる間に海軍からの追手が迫ってきており、それを振り切るために霧のなかに突入したのだった。

そこが"魔の三角地帯(フロリアントライアングル)"とも知らずに……




「釣れた~~~~!!ウタ、飯にしようぜ!!!」

「うん、わかった。今日は私がご飯作るね。」


出口が見えない霧の中、明るく振舞うルフィと対照的にウタの顔色は優れない。

それは決して、霧の中で迷っていることが理由ではなかった。

CP9に攫われたことで、かつて天竜人に連れて行かれそうになったトラウマが再発したのである。

さらにCP9との激闘では、ウタは何もできず、ルフィに全てを任せる形になってしまい、ルフィはそれなりの重傷を負ってしまった。

ルフィの傷はもう完治しているが、ウタの心の傷は未だ癒えていなかった。

ルフィもそれに気づいており、なんとか元気になってほしいと、明るく振舞っていたのである。



♪ヨホホホ ヨホホホ、ヨホホホ ヨホホホ、ヨホホホ ヨホホホ、ヨホホホ ヨホホホ、


二人が食事の準備をしている最中、どこからか歌声が聞こえてきた。

それは、二人にとって思い出深い歌であった。


「嘘…この歌って……」

「シャンクス達が歌ってた…」


♪ビンクスの酒を届けにゆくよ 海風きまかせ波まかせ


それはルフィにとって憧れの、ウタにとっては父親であるシャンクスとその仲間たちが歌っていた歌であった。

何事かと思い甲板に飛び出す二人。


♪潮の向こうで 夕日も騒ぐ 空にゃ 輪をかく鳥の唄


(ひょっとして…助けに来てくれたの…?シャンクス…)


♪さよなら港 つむぎの里よ、ドンと一丁唄お 船出の唄


かつて自分を置き去りにして水平線の彼方に消えた父、長年恨み憎んでいたが

今の自分とルフィの窮地を知り、助けに来てくれたのではないか。

ウタの胸の中で、かつて父と仲間たちと一緒に過ごした思い出が蘇っていた。


♪金波銀波も しぶきにかえて おれ達ゃゆくぞ 海の限り


やがて霧の中から、ゴーストシップともいうべき、ボロボロの巨大な帆船が現れた。

その甲板の縁で、シルクハットとスーツ姿のアフロヘアー骸骨が二人を見下ろしていた…


「うわあぁぁぁぁぁぁん!シャンクス、なんて変わり果てた姿に~~~~~!!!!!!」

『ええええええええええええっ~~~~!!!??』

「何言ってんだウタ!?あいつはシャンクスじゃねぇぞ!? おい、お前シャンクスじゃないよな!」

「え、ええ。私、死んで骨だけ、音楽家のブルックと…いや待って下さい、お嬢さん!私と見間違えるなんて、そのシャンクスって人も、私を同じ歌う白骨死体なんですか!?

びっくりして心臓飛び出しそうです! 私、心臓無いんですけど~~~~~!!」


これがルフィとウタと、歌う骸骨ブルックとの出会いであった…




TO Be Continued


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