油断大敵トラップ

油断大敵トラップ

黒庭勇者さん

「勇者様、この遺跡はトラップが多くて危険だという噂ですっ」

 仲間の水遣いが忠告する。いつも彼女は心配性だ。私が前に出る度に、色んなことを警戒するように教えてくる。

「大丈夫だって、ほら、私って強いじゃないっ」

「ゆ、勇者様が強いのはわかりますが、それでも警戒はほどかない方が…!」

「平気だよ、ほら、この罠も解除できた」

 アラメシアの儀によって呼び出されてから、モンスターに負けたことはない。罠だって呪文を使えば解除は簡単。どんな仕掛けだって怖くはないだろう。

 前に進んで、徹底的に罠を壊していく。恐れるものなんてない。水遣いだって、私がいれば安全なはずだ。

 前に、横に、前に。遺跡のダンジョンを攻略している。気分はまるで達人ゲーマーだ。

「今の私には敵なんていないからっ」

 さっくり襲いかかってきた魔物を撃破。問題ない、お宝まで一直線だ。そう思って進んでいたときだった。


『カチッ』


 なにかが作動する音が聞こえた。

 地面になにか変化が起きている。そう思った頃にはもう、手遅れだった。

 足元が落とし穴になっていた。

「なっ……」

「勇者様っ!」

 水遣いの声がどんどん遠くなっていく。そうして、私は落とし穴の底に落ちてしまった。




「いたた…っ」

 落とし穴の奥底。身体には支障はない。トゲみたいなのがなかったのは不幸中の幸いか。

「ま、まぁ、私なら大丈夫。はやく水遣いと合流しないと」

 砂や埃を払い、落とし穴から脱出することを試みる。少し歩いた先に、通路のようなものがあった。

「あそこから出られるかな」

 歩いて、脱出を狙う。

「あっ、解除の呪文も使っておかないと」

 万全に挑むためにはこの呪文は必須だ。解除の呪文を発動して、周囲の罠の仕掛けを解く。

「あ、あれっ?」

 罠にかかっていた魔法を解除した瞬間だった。桃色の煙が周囲に立ち込めた。しまった、二重のトラップだったのか。

 煙を吸わないように口や鼻を塞ぐ。しかし、それはあまり効果がなかったみたいだ。

「あっ、これ、だめ……っ」

 身体がうずうずする。胸の先端……いや、乳首が立ってしまっているのが下着越しでもわかる。えっちな妄想が頭に過って、集中できない。

「は、はつじょうとらっぷ……?」

 意識をしっかり保たないと、すぐにでも秘所を触りたくなってしまう。こんなところで、そんなことはできない。けれども、いまはひとりきり……

「が、がまんして先に進まないと…っ」

 おなにーしたい。

 大きな声でいっぱい、くちゅくちゅしたい。淫らにイってしまいたい。もう、頭の中は気持ちよくなることしか思い浮かばない。

 それでも、前に進む。ちょっと安全そうなところならば、しても、問題ないはずだから。

 目の前に扉がある。あそこはきっと小さな部屋だ。あの場所なら、おなにーしても大丈夫。安全なはずだ。

「はぁ、はぁ……♥️♥️」

 興奮が抑えられない。気が付いた頃に、秘所に手を伸ばしていた。いっぱいとけたい、感じたい。そう思って扉にもう片方のてを伸ばした時だった。


 中から、うねうねした触手が私の身体を絡めとってきた。


「ひっ、ぁあっ……♥️」

 驚くよりも先に、興奮が胸を支配していた。あぁ、触手に好き放題されてしまうんだ。ぐちゃぐちゃにしてもらえるんだ。そう思うと、心が弾む。

 とくん、とくん。鼓動がはやくなる。あぁ、もうがまんできない。

「ん、んぅ……♥️」

 触手が品定めをするように、私の身体を触る。けれども、敏感なところは触ってくれない。

「ど、どうしてぇ」

 手足が触手に絡まれる。それもあって、自分では触ることができない。もどかしい感覚が身体を支配する。

「ひにゃっ……♥️」

 次に触手が行ってきたのは透明な液体を全身にかけることだった。男性のそれではない。ただ、液体で濡れた服は溶かされていく。露になる下着。自分でもはしたなく思うその状態に、興奮を覚えてしまう。

「それに、なんだか、へんっ……♥️」

 身体の熱がもっと上がった気がする。

 もぞもぞする。とろとろで、あたまがどんどんえっちなことしか考えられなくなっていく感覚……

「え、えっち、して…っ」

 いっぱいおくまでいれてほしい。おっぱいもむにゅむにゅしてほしい。じぶんでもしたいのに、できない。身体が、うずうずする。

 ひくひく。糸を引いている。

 触られていないのに、身体は受け入れる準備が整っている。けれども、触手は動かない。

「あ、あの、ぐちゃぐちゃにして、おねがい……♥️」

 一生懸命身体を揺らして誘惑する。自分では触れないから、それしかもうできない。

 それでも、動いてくれない。

 えっち、えっちしたい。くちゅくちゅしたい。こわされたい。あぁ、でも、できない。

「い、いままで、ちょうしにのって、ごめんなさいっ、わたしは、ただのめすですからっ、触手様に、おそわれたいのぉ…♥️」

 どんなことばでもいい。わたしはもう、きもちよければいい。そうおもって、いっぱい誘惑する。

 その言葉が届いたのか、触手は私の下着をずらし、敏感になっていたおっぱいと、秘所に群がってきた。

「ひぁ、それ、すごいのぉっ……♥️」

 ずぼずぼと行き来するだけで、頭が真っ白になる。おっぱいをむにゅむにゅされているだけで、道具のようにあつかわれている事実に興奮する。もう、もどれない。

「おっ、すごく、いいっ、あたま、ばかになっちゃう、あひ、おっ、おっ、おっ……♥️」

 全身が触手に揺らされる度に、きゅんと、身体が反応する。その度に、どんどん壊されていく。わたしはただのメス。触手に好き勝手される、勇者なんだと……

「あぁ、おっぱいもすきぃ、むにむに、もっとしてぇ……♥️」

 よだれがでる。

 びくびくして、からだがわたしのものじゃないような、かんかく……

 きもちいい、きもちいい……!

「ひっ、あふ、う、はげ、はげしく、なって、あっ、いっぱい、いく、いく、いくの、ゆうしゃ、いく、いくぅぅうぅぅうう♥️♥️♥️♥️♥️」

 ぴちゃぴちゃぴちゃっ!

 ひく、ひくからだがうごく。

 からだが、とろとろして、うごけない……

「わ、わたしぃ、まけちゃいましたぁ……♥️」

 触手にずっと気持ちよくさせられていたい。そう思いながら、目を閉じた……





「勇者様、勇者様っ」

「ふぇ……?」

 水遣いの声で再び目覚める。目覚めた場所は遺跡の小部屋。私が触手に襲われていた場所だ。

「よかった、目を覚まして」

「わた、し……?」

「動かないでくださいね、その、色々されてしまっていたみたいなので……」

 回復魔法が全身に行き渡る。その瞬間、身体に甘い刺激が走る。

「はぅっ…♥️」

「ゆ、勇者様?」

 むずむずする感覚が甦る。どうやら、危機は脱出できても、触手に開発されてしまった身体は元通りにはならなかったみたいだ。

「な、なんでも、ないよ……っ」

「そ、そうですか。帰り道は見つけましたので気を付けて帰りましょう」

「うん……っ」

 水遣いのおっぱいが揺れる。それに釘付けになる私。そこで気がついてしまった。

 身体が性的なものを求めるようになってしまった、と。もっと気持ちよくなりたい。あの体験をもう一度してみたい、破滅的な経験に身を委ねたい。倒錯的な性癖を植え付けられてしまった。

「……ごめん、水遣い」

「いいんですよ、次、気を付けましょう」

 また、彼女に助けられるならもう一度、罠にかかって気持ちよくなりたい。そんなことを考えてしまっている。せめて、足を引っ張らないようにしよう。興奮に悶える身体はしばらく元に戻る様子はなかった……

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