河上彦斎(アサシン)

河上彦斎(アサシン)



元ネタ 史実

クラス アサシン

真 名 河上彦斎(かわかみ げんさい)

性 別 女性

身 長・体重 148cm・43kg

外 見 髪を後ろで結んだスレンダーな色白の女性

属 性 秩序・悪・人

ステータス 筋力:D 耐久:E 敏捷:B+ 魔力:E 幸運:E 宝具:−


 クラススキル

気配遮断B

サーヴァントとしての気配を絶つ。完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。が、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。本職の暗殺者たちと比較すると一歩劣るが、それでも高ランクであることに変わりはない。

少なくとも、彦斎の戦闘スタイルでは、特にデメリットはない。


 固有スキル

人斬りB

刀で人を斬ることに特化した剣術スキル。勝つことのみを目的とした実践的な剣術であり、求道者的な精神とは無縁のものである。

しかし、彼女の思想とは噛み合わぬ故に、多少ランクがダウンしている。


抜刀術A

納刀状態=非戦闘状態からの初撃において、攻撃力が格段に上昇する。

河上彦斎の剣術は我流であるとされ、抜刀からの逆袈裟斬りを得意としていたとされる。


蝮蛇の執念C

ヒラクチのしゅうねん。ヒラクチとは対馬におけるニホンマムシの呼称。生前、ヒラクチの彦斎と怖れられた逸話に起因するスキル。

酒の席にて、とある横暴な役人の話題になった際にフと立ち上がり、その役人の首を片手に戻ってきて、また酒を呑んだとされる。

ヒラクチに狙われた者は、決して逃れる事はできず、蛙のように震えて死を待つのみ。

殺害対象を一個人に固定する事で、対象の耐久と敏捷を一段階ダウンさせる。ゲーム的には敵一体にターゲット集中+防御ダウン。


 保有宝具

『居合抜刀・蝮牙一閃』

ランク− 対人魔剣 レンジ1〜2 最大補足1


河上彦斎が生前に編み出した自己流の抜刀術が宝具へと昇華された、文字通りの《必殺》技。

対象の懐に潜り込み、瞬時に逆袈裟の一閃を放ち、納刀。傍から見ればただそれだけであり、多少武芸に覚えのあるサーヴァントなら容易く避けられるかに思える。事実、ただ速いだけの一撃であるが────────彦斎は、度重なる創意工夫と技術の果てに、この魔剣を編み出した。

一つ。五尺足らずの身体を縮め、対象の視覚の下へと潜り。

二つ。本来ならば鞘内で加速を完成させた速度を更に超え。

三つ。抜刀の瞬間に腰を切り、初動を認識させず敵を斬り。

四つ。斬り捨てた後に音を立てずして納刀し、何時斬られたかを不明とす。

結果として、対象は斬られたという結果以外を理解する事なく地に附する。


一人の女が練り上げた、ただ相見えた者に先をうち、斬り捨てるだけの技。誇りあるとは到底語れぬ暗殺術。

コツさえ掴めば誰でもできますよ、と本人は語るが、表面的な技法の猿真似だけでは模倣できず、細やかな所作、彦斎本人の柔和な雰囲気、そしてその小柄な体躯を活かした不意打ち等の条件が含まれる故に、彦斎以外の人間には扱えぬ、殺す為だけの必殺魔剣。


 解説

真名、河上彦斎。岡田以蔵、田中新兵衛、中村半次郎と並ぶ、幕末四大人斬りの一角。

熊本の下級藩士、小森貞助の子として産まれ、小森彦次郎と名付けられたが、同藩の河上源兵衛に引き取られ、河上彦斎と名乗る。齢16にして茶坊主となり、後に新選組に殺害される宮部鼎蔵や林桜園達から様々な情報を得た事で尊皇攘夷派へと傾く。

そして、元治元年。京都にて開国派の重鎮である佐久間象山を襲撃。晒し首にしようとするも役人から逃げ出し、長州藩に紛れる。

その後、禁門の変や第二次長州征伐にも参加し、熊本藩へ帰還するも投獄。大政奉還、王政復古などの明治維新の最盛期を獄中で過ごした。

出獄後、報復を避ける為に高田源兵衛と名乗る。鶴崎へと左遷され、「有終館」を設立し、数百の兵士を集め兵法と学問を教えながらも、殖産新興のため朝鮮、大阪、北海道との交易にも着手した。しかし、開国せんとする新政府は、未だに攘夷思想を掲げる彦斎を疎ましく思い、免職の後に暗殺事件の関連を疑われ(彦斎が関与していた可能性はかなり薄い)、斬首を言い渡される。

辞世の句は三つ存在し、その全てが天皇へ、引いては日本国への想いを込めたものであったとされる。


他の幕末四大人斬りに対し、彦斎の公的な殺害記録は佐久間象山ただ1人。しかし、表舞台には出ない殺害を数多く行っていたと目される。『暗殺』者としてはこれ以上ない程の功績とも言えよう。

前述の通り、ヒラクチの彦斎と渾名され、勝海舟からは「酷い奴だった。アイツに人を殺してなんとも思わないのか、と聞いたら、『いえ、開国派の者共はナスやキュウリと同じです。アレはスグに千切って漬けてしまうでしょう?開国派に何を言っても通じぬので、サッサと千切るに限ります』って澄ました顔で言ってたよ」と思い出話をされる程の尊皇攘夷過激派。コレを顔色一つ変えずに遂行するのでたちが悪い。

しかしながら佐久間象山を殺したのは彼女も想う事があったようで、『私は初めて人を斬ったと感じた。もう二度と人を斬る事はできないだろう』と語った。また、高田源兵衛に名を変えた後に、佐久間象山の出身である信州松代藩へ訪れた際、藩士から(河上彦斎その人と知られずに)「河上彦斎という奴に象山先生は殺されたのです、その御子息が仇討ちへと出ております」と言われ、顔色一つ変えずに『そうですか。私も河上の事は知っておりますが、仇討ちが叶えば良いですね』と語ったともされる。


以上のエピソードから冷血な印象が強い彦斎だが、一方で身内には優しく、また、木戸孝允から「攘夷は飽くまでも旧政府打倒の方便。維新がなった今、攘夷思想を掲げるのは止めたほうが良い」と諌められると、『貴様は攘夷に命を賭した者を愚弄する気か!』と激昂し、木戸に襲い掛かったとされる。コレが原因で危険人物と見做され、濡れ衣を着せられ処刑されたともされる。




女として産まれ、しかし男児のように剣の道へと進もうとした。父からは反対されるが、その同僚の河上源兵衛に引き取られ、男として生きるのを条件に剣を学ぶ事となる。


だが悲しいかな、当然女子故に男児には力で到底及ばず。試合形式の立ち会いで負けていたのは元より地力が違う為。負けるのは当然であり、受け入れるべきなのだと、誰よりも彦斎自身が理解していた。


茶坊主になり、攘夷への意思を固める。しかし、京へ移り、三十路になり、気づく。


そのような偉業は、一藩士たる自分がどうこうできる物事ではない。桂小五郎(木戸孝允の旧名)や勝海舟、高杉晋作程の者の舞台であり、剣を振り続けただけの己には何一つ成す事ができない。己は無為に生き、命を賭すことなく死んでいくのか。


絶望の淵へ立たされた矢先───────とある噂を聞く。田中新兵衛、岡田以蔵らが、それぞれ開国派の者を斬り殺した…と。


ああ、成る程。確かにそれなら私にもやれるやも知れん。幼少より振り続けた剣は、天誅が為にあるのかも知らん。


国の為にならぬ愚か者を斬った。庭に生った野菜を採るように。話にならぬ売国奴を。人とも思わず斬り殺した。




だが──────佐久間象山殿だけは殺さなくても良かったかな─────────と。澄んだ殺人者の胸に一つだけ、墨のように染み付いた。




史実では男性だが女性。俺が女性だって言ってんだから女性。一応の逸話として、およそ150センチと、幕末の男性としても低身長であり、色白であった為に女性と間違えられる事もあったとされる。余談も余談だが緋村剣心のモデル。


適正クラスはアサシンの他にバーサーカー。狂戦士としての彼女ならば私情を一切挟まずただ主の命の下に『天誅』を下すだろう。

刀を用いるにも関わらずセイバーの資格はない。己が技は剣道ではなく剣術、即ち"剣"を以て殺す"術"。剣を以て斬殺せし者が、主君に剣士と名乗るなど。



 人物

中性的な妙齢の美女。帯刀こそしているが、アサシンのクラスが示す通り、切り合いよりも奇襲を得意とする。…というか、真っ当なサーヴァント相手ならステータスが低過ぎて手も足も出ない。宝具による一撃必殺を決めれるか否かで勝敗が決まる。つーか攻撃=宝具なため、宝具を回避、耐えられたらそのまま返す刃で殺される。正直、対サーヴァント戦では弱いと言いざるを得ない。一方、対マスターに対しては絶大な効果を発揮する。何処迄も暗殺者のクラスに相応しい英霊である。

生前においても試合形式の立ち会いでは負け続きであり、それでも天誅が為に編み出した我流の剣術こそが上述の宝具である。女としての弱い肉体を疎むが、嫌悪する訳ではなく、己の女性としての雰囲気や仕草を用いて魔剣をも編み出す。


常日頃は共通語を使うもの静かな女性だが、それは真名を悟られぬ為であり、隠す必要がなければ熊本弁で喋る。また、語気が荒くなった時も思わず熊本弁が飛び出す事も。

どこぞの新撰組一番隊隊長宜しく、普段ははんなりとしているが、いざ戦闘となれば純然たる殺戮機械となり、勝海舟に語ったように殺した相手への慈悲はない。一応殺すには惜しいとは思っているらしく、表には出さずとも内面で憂う事はある。

傍から見れば感情が無い殺戮機械にも思えるが、実際は表面に出さないだけでかなりの頑固者であり激情家。気に食わないモノは糾弾し、されど全身全霊を賭すのならば是とする。そういう意味では根源へ至ろうとする魔術師とは相性が良いのかも知れない。




聖杯への願いは『攘夷を成す』事。

海の外より来たれりモノ共。己が刃を振るうべきは、本来ならば彼らなのだ。

三条は自分を疎んだ。桂は我々を利用した。高杉は私を置いて死んだ。

まだ死ねない。濡れ衣を着せられ終われるか。ここで首を撥ねられれば、攘夷が為に血を流した者らが馬鹿を見る。まだだ、まだ、私は──────





攘夷を成す以外に、もう一つ。

それは、『武芸者と覇を競い合える時代に産まれること』

前者は彼女の責任の強さ故、愛国心故の願い。それに対しこの願いは、純粋な己の願い。


刀を振るうのに、憧れていた。斬り、突き、殺す。純然たる己の武のみで戦う剣豪。幼き人に、意味もなく憧憬を抱いた。

だが、時代はそれを許さず、また彼女もその夢を捨てた。…否。召喚されるその瞬間までは、捨てたモノだと思っていた。


『…聖杯戦争。英雄らが集い、己が武を持って殺し合う。……………ふふっ。

主には悪かばってん………こんおおごつ、堪能させてもらうとしよか。』






 メタいコメント

岡田以蔵とは色々対比になるように作ってるけど…あれ?これ対比になってるかな?いやなってるっちゃなってるけど…俺の脳内だけで完結してるだけで皆には伝わってなかったりするか?あと第一再臨は山南敬介とか田中新兵衛みたいな顔当て?を付けてると思います

キャラ造形のイメージはまんま『女性版緋村剣心』そこに沖田さんをひとつまみ…みたいな。見た目は想像に任せます。年齢は30くらいだけど緋村剣心もあれで三十路なんで若作りさせちゃってください


関連URL

松島聖杯戦争関係者

河上彦斎《オルタ》


使用していただいた素晴らしきSS

『幕末ゲッターチェンジ異聞録 松島心中』


SSを書いてくださった交流スレその3の178さん、本当にありがとうございます!

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