汝、シヴァにあらず

汝、シヴァにあらず


ああ、お久しぶりです。

大層お怒りの様ですね。何故そんなに怒っているのです? 部外者であるあなたに、我々が何か粗相をしましたか?

…はあ…。

「戻ってこい」と来ましたか…。此の期に及んでまだ自分の非を認めようとしないなんて。あなたって本当、男としても…。

……。

…昔、私が聖典の講義中に眠ってしまった時、あなたは怒った末に私を漁村に追放しましたよね。私、あれですごく傷ついたんですよ? 離縁の理由は、そういう不満が積もり積もったからに他なりません。

ああ、知っての通り先手は打たせていただきました。

私の追放後、身勝手にも追放を後悔したあなたは、ナンディーを鮫に変化させて漁村の近海で暴れさせ、漁村の人々に「鮫を退治した勇者に村一番の美女であるパールヴァティーを与える」よう仕向けた。『かつては』、漁師に化けたあなたが鮫を捕まえるというマッチポンプで私を得たのでしたね。

私達の手であの逸話は改変させていただきました。三柱分の女神パワーで神代のあの時期に無理矢理レイシフトし、立香さんにナンディーをいち早く倒してもらったんですよ。無論、殺さずに捕まえる形で。それを知ったからここまでやって来たのでしょう? でも、残念なことにあなたの対応は何もかもが遅かった。

私を追放などせず心の傷まで癒やしてくれた立香さんと、私を追放したあなた。正々堂々捕まえた立香さんと、マッチポンプで私の夫の座に居座ったあなた。立香さんの方が身も心も優れているのは、火を見るより明らかですよね?

流石に本体の私ともなると強情でしたが、あれで楔は穿たれました。後は本体の私の記憶を時が来るまで封印し、立香さんにも『時が来るまでパールヴァティーの夫としての権利を手放す』という手順を踏んでもらって表面上逸話通りの流れにしつつ、こうして疑似サーヴァントとして召喚された瞬間夫としての権利を取り戻してもらった……という訳です。あなたは『私の夫』という立場を“借してもらっていた”だけなんですよ。…ぷぷっ……残念でしたね?

ふふ、虚偽などではありませんよ。貴方の権勢、神妃三柱分は衰えているでしょう? それが動かぬ証拠です。

…ああそうそう。貴方と離婚する決心をした残りの二柱、ドゥルガーとカーリーも貴方に話があるそうですよ?




お久しぶりです、かつて愛した貴方。

…突然ですが、当女神はある聖杯戦争の顛末をカーマから聞いています。

別のマスターに召喚された、アルターエゴの私。その私は、狂おしい程に貴方を求めていたそうです。…まあ、貴方は最後まで来てくれなかったそうですが。

事が大きくなる前に終わらせたからなのか、それとも混ざり物風情は神妃足り得ないのか…。…ふふ、ひどい人ですね。よりにもよって自分が理不尽に殺した相手に、自分の尻拭いをしてもらうなんて。もうこの時点で貴方に勝ち目はありません。立香は、貴方のようなひどい人ではありませんから。

……。…まだ負けを認められないのですね。元とはいえ、一応は夫だった相手を傷つけるのは……ふふ、本意ではないのですが。

私はかつて、「戦いにおいて自分に打ち勝った者だけが私の夫になる資格がある」と発言したことがあります。立香は、ここにいる私を独力で抱き潰して打ち倒しました。彼は正当なる私の夫なのです。

それに比べ、貴方はどうです? 「パールヴァティーの化身なら自分の妻」と決めつけ、それをしていません。閨において、貴方と私は互角だった。つまり貴方に、私の夫たる資格は初めからないのです。

貴方の最低限の名誉のため一応付け加えておきますが、貴方の男根(リンガ)は立派な物でしたよ。しかし、立派すぎて痛くなることもあった。この依代の身体とは相性最悪でしょうね。…立香と違って。

当女神から伝えるべき事項はこれで全てです。当女神を好きにしたいのならば、いつものように実力行使で簒奪してみれば良いでしょう。

───今の貴方如きにそれが出来れば、の話ですが。




…まさか、汝などとまた顔を合わせることになるとは…。…何? 女神(われ)にまで背を向けられる理由はないと……そう言うのか、汝は?

本当にそう思うか? 自分の胸に手を当てて、良く考えてみろ。

……。…まさか、本当に分からぬのか? ───チッ…。今度こそ、本当に失望したぞ。

…かつて、汝はパールヴァティーに言ったな。「その肌の色は好かぬ」と。あの時のパールヴァティーと、同じ色の肌を持つ女神(われ)を、汝はどう思う!?

…それが答えだ。今汝は、女神(われ)のシャクティ(※)としての力にしか興味がないと自ら証明したのだ。

(※シャクティ(性力)……シヴァの神妃であることの表れ。シヴァ神の権勢の象徴であり、ジャランダラの逸話などでは「妻の貞節が力を与える」ともされる)

女神(われ)とて、汝を愛していた時期はある。しかし今の女神(われ)は、あの日々に疑いしか持てん。

思えば、汝は女神(われ)に、振り回されてばかりだった。それに加えて肌の色……愛に不純物が混ざることは多々ある。が、ここまで巨大なものが混ざれば、それはもう愛とは呼べぬ。はっきり言おう。汝が女神(われ)に向けた愛は、パールヴァティーやドゥルガーのそれに一段劣る。

「人の身を依代としているからそうして落ち着いていられるだけ」、か。確かに、本来の女神(われ)なら上手く行かなかっただろう。しかし、女神(われ)のこの姿はある意味人に寄り添った結果だ。

神として歩み寄り、汝に壁を感じた。人に近い者として歩み寄り、立香に愛を感じた。それが真実だ。

…体の良い厄介払いが出来たと思え。そこだけは、今の女神(われ)も思いは同じだ。

───もう、汝を夫などとは思わん。我が夫の優しき光の前に消えよ、荒ぶる炎。




…さて、ドゥルガーとカーリーが語り終えた今、改めて聞きます。あなたは今更、何をしにのこのこやって来たのです?

ああ、答えなんか求めていませんよ。大方破壊神らしく、立香さんと私達の幸せをぶち壊しに来たのでしょう? 最低ですね。それに愚か。そんなこと、出来る訳ないのに。

まんまと妻を寝取られて、権勢を削がれた「だけ」とでも? 芸術的馬鹿さ加減ですね。

我ら三柱の神妃が心の底から愛し、身を捧げる藤丸立香こそは、マハーカーラを真に名乗るべき者。今のあなたは、我らにとってシヴァの偽物にも等しいのです。その上性根までみみっちいなんて……はあ…。暴力以外、何もかもが立香さん未満じゃないですか、あなた。

───まあ、その暴力も今から立香さんに負けるのですが♥

…あ、ふふ♥ あなたを貶して自分を持ち上げてくれる私達に感動して、立香さんが射精しちゃいました♥ ああ、良いんですよ立香さん。そのお召し物は、あなたのためだけに私達が用意したもの。ですからいくら汚したって良いんです♥

では、少し失礼して……ふふ♥ どうです、“そこの人”? この雄々しいリンガとそこから放たれた精液(シュクラ)は♥ あなたに負けていないでしょう? ですから、「雄としてなら勝てる」などというふざけた思い上がりは捨てることですね。

───さあ、ハッピーエンドに至るための、偉大なる戦いを始めましょう?

あなたは真なるシヴァたる立香さんの前で、不遜にもシヴァを騙る詐称者にして魔そのもの。

ですからその罪に──私達全員で神罰をあげます。

期待していますよ、“夫気取りの破壊魔”さん? 立香さんの威光に箔をつけるくらいには、無様に足掻いてくださいね──?


───


マスター礼装:堕ちた三神妃の衣

パールヴァティー達が立香のため用意した、真なるシヴァとして君臨するための大いなる力。

その豊満な身体も、愛に溢れた心も、全て立香のものだ。


・マハーリンガ:A+

女王メイヴの宝具『愛しき私の蜂蜜酒(マイ・レッド・ミード)』に近いスキル。

本来は『愛を生み出す猛き竿』という名称だが、この礼装装備中はパールヴァティーらの加護によりこの名称に変化する。名称はサンスクリット語で「偉大」「標・男根」を示している。

近いとは言ったが、実態はメイヴのように敵すら惑わす魅了系ではなく、既に堕ちつつあるor堕ちている相手にのみ効果を発揮する特攻系。

その肉の槍を一回でも受け入れてしまえば、たとえ想い人のいる女性だろうと立香への愛情を抑えられなくなる。槍から放たれる白濁の蜜が女性の芯を塗り潰せば、もう立香のものになったも同然。


効果(戦闘時・CT10)

・味方単体のNPをものすごく増やす(150%)

・味方単体の宝具威力をアップ(3ターン)

・味方単体に無敵貫通状態を付与(3ターン)

・味方単体に「攻撃時、相手に〔シヴァの真炎〕状態(永続・弱体解除無効)を付与する」状態を付与(3ターン)

・味方単体に〔シヴァの真炎〕特攻状態<対象の〔シヴァの真炎〕状態が多いほど対象に対して特攻威力アップ(最大10個)>を付与


効果(セックス時・CT10)

・自身の射精量をものすごく増やす(150%)

・自身のペニス硬度をアップ(3ターン)

・自身のペニスサイズをアップ(3ターン)

・自身に「ピストン時、相手に〔上書き純愛〕状態(永続・強化解除無効)を付与する」状態を付与(3ターン)

・自身に〔上書き純愛〕特攻状態<対象の〔上書き純愛〕状態が多いほど対象に対して特攻威力アップ(個数制限なし)>を付与



・マハーカーラ(真):EX

インド神話の破壊神、シヴァの別名。立香の場合、パールヴァティー・ドゥルガー・カーリーから力を授かったことで習得した。

「破壊神シヴァの妻である自分達が心の底から愛しているなら、それはシヴァに違いない」という概念の元成り立つスキル。これはつまり、三柱の神妃が藤丸立香を正当なる夫と認めていることを意味する。


効果(戦闘時・CT9)

・味方全体の攻撃力を大アップ(1ターン)

・味方全体の宝具威力を大アップ(1ターン)

・味方全体の〔立香の妻〕の宝具威力を大アップ(1ターン)

・味方全体の〔パールヴァティー〕〔ドゥルガー〕〔カーリー〕の宝具威力を大アップ(1ターン)


効果(セックス時・CT9)

・自身のピストン時に与える快楽を大アップ(1ターン)

・自身のペニス硬度を大アップ(1ターン)

・相手全体の〔立香の妻〕の魅了耐性を大ダウン(1ターン)

・相手全体の〔パールヴァティー〕〔ドゥルガー〕〔カーリー〕の魅了耐性を大ダウン(1ターン)



・カーマ・スートラ:B

インドに古代か伝わる、性愛にまつわる経典。名称に『カーマ』とはあるが、カーマデーヴァと直接的な関係はない(知名度補正や風評で結び付けられることはある)。

体位などといった性愛絡みの事柄以外にも、日々の生活や人生の三大要件(法・利・愛)の重要性についても説いている。

パールヴァティー達が、自身らと直接関係ないこの名称をわざわざスキルに採用した理由は、元夫へのあてつけだとか何とか。


効果(戦闘時・CT11)

・味方全体のArtsカード性能をアップ(永続)

・味方全体のQuickカード性能をアップ(永続)

・味方全体のBusterカード性能をアップ(永続)

・味方全体の最大HPをアップ(+5,000、永続)

・味方全体に無敵状態を付与(1ターン)


効果(セックス時・CT11)

・自身のテクニックをアップ(セックス中永続)

・自身の手際をアップ(セックス中永続)

・自身のピストン威力をアップ(セックス中永続)

・自身と相手全体の精力をアップ(+5,000、セックス中永続)

・周辺一帯に認識阻害結界を展開(セックス中永続)

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