永遠の皆既月蝕

永遠の皆既月蝕


一部の女性サーヴァント……いわゆる人妻に相当する者達が自分達のマスターに熱を上げている。

偶然それを知ったアルクェイド・ブリュンスタッドは、不思議に思って当事者達に聞いてみた。


「どうしてカルデアくんとイチャついてるの? 生前好きな人がいたのに」


と。

そんな質問に帰ってきたのは、「我々はあくまでも仮初の存在だから」「そういう恋愛もある」と言う答え。

当初は何かがおかしいと思いそれ以上の深堀りを避けたアルクェイドだったが、日が経つにつれて『そんなにすごいのか』という好奇心が生まれた。


「一回だけ、火遊びしても良いかな」


…そう思ってしまうのに時間はかからなかった。

刺激的で仄暗い欲求だが、好奇心の強い彼女らしいといえばらしいそれに、アルクェイドは突き動かされた。

…結論から言うと、その好奇心は抑えるべきだった。しかし、彼女を止める者はカルデアにはいなかった。


───


「アルクェイド…」

「…もう、カルデアくんが今更気に病む必要はないんだってば。わたし、カルデアくんのことはそういうことしても良いくらい気に入ってるんだから」


時刻は深夜。シャワーを浴びたアルクェイドは、自分の部屋にマスター……藤丸立香を招いていた。彼もシャワーを浴びてから来たのか、髪からシャンプーの香りをほんのり漂わせていた。


「そもそも……嫌いだったり無関心な相手を、軽々しく部屋に呼んだりしないよ?」


そう言うアルクェイドだが、内心にはまだ迷いがあった。

立香のことは気に入っている。仲間として信頼もしている。けれど、“彼”でない人と生でセックスしてしまうのはどうなのか。コンドーム、今からでも使う方向に切り替えられないか。そもそもこれで本当に良かったのか。流石にその場のノリに当てられすぎたのでは。

そんな思いが今更ながらに強くなり始め、脳内をぐるぐると駆け巡り始めたその時。


「んむっ…」


辛抱たまらないといった様子の立香にキスされた。


「…ん、ぷ…んぅ…♥」


…舌を絡め合う度、迷いが消え去っていく。いや、迷いよりも好奇心や好意の方が強くなっているのだ。

立香のキスは、優しさと情熱を兼ね備えた不思議なキスだった。こんなものを経験したら、女は誰しも夢中になってしまう。

…“彼”と離別してから長らく感じていなかった雄を感じる。その事実がアルクェイドを柄にもなく燃え上がらせた。


(キス、気持ち良い…♥)

「立ちっぱなしだとアルクェイドも辛いだろうし、ベッド使おう」

「…うん…♥」


立香に手を引かれるまま、性器を結合させるためにベッドへと導かれるアルクェイド。ぽすりと押し倒され、股を開かされるその姿は、上位存在的威厳が今一感じられないものだった。

アルクェイドのドレスを脱がせて全裸にし、自分も服を脱いだ立香が、はちきれんばかりのモノをずいと突きつける。それを見て、アルクェイドは身体の芯がきゅんっ♥ となるのを実感した。

サイズ・硬さ・形状・匂い。どれを取っても一級品の雄チンポがそこにはあった。


(…すごい…♥)


頭の中がチンポでいっぱいになりつつある自分を恥じたアルクェイドだが、その感情も所詮一過性のものだった。久方ぶりのチンポがもたらした衝撃は、それ程凄まじかったのだ。


「アルクェイド…」


立香がアルクェイドに覆い被さる。


「う、ん……来て…♥ …“立香”…♥」


アルクェイドは自分が恐ろしかった。

心の片隅に不安や恐怖があるのに、口からは立香に媚びるような声音の甘い声ばかり出る。ご無沙汰の女というものは、こんなにもいやらしくなれるのか? 元々仲間意識はあったけど、だからといってこうも簡単に身体を許して良いものか? 先程心から消え去ったものが、再び発生し始めた。しかし、その勢いは前より弱い。

…それはアルクェイド自身、いつの間にか立香のぬくもりを欲していたからだ。強く、激しく、「マスターさん」や「カルデアくん」などといった線引きすら出来ない程に。


「立香ぁ…♥ はやくぅ…♥」


淫らな熱に浮かされうわ言を呟くアルクェイドに応えるようにして、立香の剛直が一気に突き入れられた。

立香のチンポがアルクェイドのぐしょ濡れマンコにずぶぅっ♥ と埋没する。圧倒的質量と熱量を持った塊に貫かれたアルクェイドは、身をよじらせて悲鳴を上げた。

アルクェイドの、いわゆるセカンドヴァージンが奪われた瞬間だった。


「アルクェイドのナカ、すごく締まる…。でもこの締まり方、ほんとに久しぶりなんだね」

「ぁ…♥ ぁあ…♥」


立香の言葉に応える余裕が、アルクェイドには残されていない。アルクェイドの意思とは関係なく、数年越しの雄……それも特上の相手を味わおうとマンコが好き勝手動いていたからだ。

巨大な体積に押し出されるように、愛液が太腿を伝っていく。まるで、相性の良い雄を待ちわびていたマンコが嬉し涙を流しているようだった。


「ゆっくり、動かしていくからね…。…っ…!」

「あぁ゛っ♥ くぅ、うっ♥」


アルクェイドのマンコを立香のチンポが掻き回していく。まるで、今だけは辛いことを忘れて良いんだと言わんばかりに。

そしてその通りに、これまでずっと浮かんでいた“彼”の顔がチンポの与えてくれる快感に押し流されて───かつて感じた離別の痛みと共に呆気なく消えた。

…このまま身を委ねた先に何が待っているか、分からないアルクェイドではない。ただでさえ仲間としての信頼が快楽で愛に変わりつつあるのだ。最後までシてしまえばどうなるかなど、火を見るより明らかだ。

だというのに、抗う意思が湧いてこない。むしろ早く堕とされたいとすら思い始めていた。


「奥まで、奥までごりごりってオチンポきてるっ♥ すごいっ、こんなすごいセックスはじめてぇっ♥ 立香のチンポしゅごすぎるぅうっ♥♥♥」


カリ高イケメンチンポで一突き毎に膣壁をぞりぞり♥ され、その度に立香への愛情が爆発的に増幅していく。

それは最早、離別の悲しみすら乗り越えられる新しい恋だった。立香以外のことはもう考えられない。もっと深く、もっと強く、もっと激しく愛してほしい。


「こんなっ♥ こんなの……ダメなのにっ…♥ ダメなのにっ♥ ダメなのに♥♥ ダメなのにぃっ♥♥♥」


一欠片の理性がそんな言葉を口にさせるが、既に本能と理性の大半は立香側。勝ち目などない。

アルクェイドのマンコは貪欲にチンポをしゃぶっている。膣全体で媚びて立香の精液を強請っている。それが答えだ。


「凄いっ……凄いよアルクェイド! アルクェイドのマンコ、オレのチンポを美味しそうにしゃぶってる!!」

「うんっ♥ そう、そうなのっ♥ オチンポ、立香のオチンポ美味しいの♥ だからもっとちょうだい♥」


アルクェイドは、もう自分でも何を言っているか分からない。もっと立香を感じたくなったアルクェイドは、両脚を“恋人”の腰に絡めた。だいしゅきホールド、というやつだ。


「あっ♥ ひぃっ♥ これしゅごぃぃっ♥」


立香の種付けプレスが子宮を襲う度、アルクェイドは歓喜に打ち震えた。

突いて、抜いて、突いて、抜いて、突いて抜いて突いて抜いて突いて抜いて。

今まで経験したセックスとは文字通り何もかもが違う、別次元の快感だった。肉体・精神・魂。その全てを鷲掴みにされるかのような感覚にアルクェイドはぞくぞくする。


「ぁっ♥ ぁぁっ♥ ぁああっ♥ クるっ♥ すごいのクるっ♥ キちゃうぅぅっ♥」

「ッ…そろそろ射精すよ! アルクェイドッ!!」


アルクェイドの限界が近づくのと同時、立香の動きが激しくなる。射精寸前で余裕がなくなった証だ。アルクェイドはそれを一切拒まず受け入れた。


「立香♥ 立香♥ 立香ぁッ♥♥♥」


鈴口が子宮口に連続で叩きつけられ、最後にどっちゅんッ♥ と一際深いキスをした直後。


「射精る…ッ…!! “アルク”ッ!!」

「んむっ♥ んうぅぅぅううッッッ♥♥♥♥♥♥♥」


立香からのディープキスと共に……取り返しのつかない射精が、始まった。

立香のチンポから吐き出された熱く濃厚な白濁が、膣奥に叩きつけられる。子宮全体に染み込むようなザーメンの熱さにアルクェイドは身震いした。


「───ッッッ♥♥♥♥♥♥」


とてつもないエクスタシーがアルクェイドを襲う。視界が真っ白になり、意識が漂白されていく。長らく感じていなかった膣内射精の感覚、それがアルクェイドをどうしようもなく夢中にさせた。

…この一瞬だけで、今までの自分を完全に上書きされてしまった気がした。それくらい激しい、今まで感じたことのない絶頂だった。


「ッ…♥♥♥ …んくっ…♥ ん……ちゅ…♥ ぷはぁッ♥♥♥ ハァッ…♥ ハァッ…♥ …もう、いきなりキスしないでよ、立香ぁ…♥」

「ごめん、アルク……でも、好きって気持ちが抑えられなくて…」

(───あ。…どうしよう、わたし分かっちゃった。みんなの言う事)


───立香の腕の中は、あたたかくて、幸せ。

その思考は……たった一回の火遊びが、アルクェイドという女の価値観を取り返しのつかないレベルで塗り替えた証だった。




…なお、子宮と唇を捧げて終わりだと思い込んでいたアルクェイドの予想を裏切り、情熱的な夜は一晩中続いた。そのためアルクェイドは休む間もなく快感に翻弄されることになった。

根本まで咥え込む情熱的フェラチオを仕込まれ、子宮以外の体内にまで立香の色が刷り込まれる。

立香のチンポでアナルを貫かれ、直腸すら立香の色に染め上げられる。

豊かな胸を揉みしだかれ、その後パイズリで胸すら立香のものにされる。

お色直しと称してドレスを着せられ、精液と愛液の混合液で構成されたいやらしい香水を染み込ませられる。

そのお色直しの過程で共にシャワーを浴び、シャワールームですら抱き潰される。

そうやって立香の匂いを快楽込みで徹底的にマーキングされたアルクェイドは、当然のように彼に堕ちた。身も心も染め上げられて、二度と元に戻ることはない。

こうして立香の妻が一人……否、“三人”増えたのだった。


───


「…私では不満でしたか? まさかアルクェイド相手に“寝取り”を敢行するなんて…」

「…ごめんなさい…」

「り、立香も悪気があった訳じゃないのよ!? わたしから提案したんだし!」

「…はあ、まあ良いです。…立香、私も抱いてください。私にもその資格はあるはずです」

「?? なんかすごく大胆ね? どういう風の吹き回し?」

「貴方の魂胆などお見通しです。私は、誰かに売り飛ばされる形で立香と愛し合うつもりはありません。そういう関係になるなら自分から前に進みます」


───


「古き姫と新しき姫が揃いも揃って人間に媚び、私を嵌めるか…! 貴様ら、一体どういうつも…っ!?」

「こういうつもりですが。待ちの姿勢は行き遅れる原因ですよ?」

「んー、良い反応ね原型のわたし♪ 昔のわたしが見せた立香のチンポから目が離せないって感じだけど、これならハメ比べもスムーズに出来そう♥ 協力プレイで売り飛ばした甲斐があるってものね♥」

「大丈夫、貴方もじきに分かりますよ。…立香に抱かれる素晴らしさが♥ さ、立香。私達で彼女を犯し尽くしてあげましょう…♥」


───


数ヶ月後…。


「りーつか♥ 今週の週末、なんの日か覚えてるかしら?」

「アルクとのデートでしょ? 忘れないよ、美人さんとのデートなんだし」

「もー、他の人にも言ってる癖に…。ま、いっか。昼は特異点でデートして、夜はラブホテルでお楽しみなんだよね♥」

「ああ、久しぶりに一晩中楽しもう」

「ふーん、そんなにわたしとヤりまくりたいんだー♥ …えへへ、嬉しい♥」


紅い瞳をとろんと蕩けさせ、立香に抱きつきながらアルクェイドが囁く。


「“ダーリン”♥♥ …だーいすき♥♥♥」


立香はそれに、優しいバードキスで応えるのだった。

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