水面の月と鏡の子

水面の月と鏡の子


彼女の子供だと言う娘を連れて来てから定期的に死なない程度に扱いているが、ここに来てからこの娘は何処か不安定で力が安定しない様子だった。その為に力加減を誤ってしまったらしい、そう決してそれ以外の理由など存在しない。

仰向けに倒れ、ピクリともしない娘を何となしに眺めた。娘の長い金色の髪が床に広がっている。その緩く癖のある髪を眺めてーそこに父親の影を見た、彼女の髪は真っ直ぐなサラサラとした物で、決して癖のある緩くふわふわとした物ではなかった。胸の内につっかえる様な不快感が湧いて来て、

ふと手を娘に向け伸ばした所でー急激に膨大な霊圧が噴き出したー

瞬時にその場を飛び退く、一瞬前まで居た場所は粉々に砕け散り、床が跡形も無くなっていた。馬鹿な、今のはだだの霊圧ではなくー間違いなくホロウのー思わず眼を見開く、それは、それが意味する事は即ち、この娘は彼女と私のー

「何を驚くことがある藍染惣右介、この状況はお前が蒔いた種だろう」

先程までそこで倒れていた筈の娘が、瞬きの間に起き上がりそこに立っていた。

Report Page