毘沙門天調教中

毘沙門天調教中


『セッしなくても出られるけど、どこか新たに開発してイかないと出られない部屋』

 壁には見覚えのあるメッセージが書かれていた。

「またですか?!この前やったばかりですよ?!」

「そうだなあ」

 2回とも一緒の晴信は、なんでもなさそうに言う。

「この前も簡単に出られたから大丈夫だろ?」

「全然簡単じゃありませんでしたが?!」

「おまえは陰核いじられて潮吹いてただけじゃねぇか」

 それが!問題なのだ。

 生涯とカルデア歴含めて初めて、穴があったら入りたいという気持ちを始めて実感させられた。それが簡単なことであってよいはずがない。

「ほら、こっちこいよ、景虎」

 舐めるような晴信の視線に肌がびりびりとしてくる。心拍が速くなり、体温が上がる。

 魅了の状態異常でもかけられているのかと思うけれど、晴信にそんなスキルはない。それなのに。


「はるのぶ」

 これからまた恥ずかしい目に遭わされると分かっているのに、自ら近寄ってしまう。

 きゅっと抱きつくと大きな腕で抱きしめ返されて、心拍と体温が更に上がるし、離れ難くなってどうしようもなくなる。

 これは、何かの魔術なのだろうか?

「なんだ、もう顔とろけてるな」

 晴信はふっと笑って、私を抱えたまま寝台に腰掛けた。私は晴信の腿に乗せられて、大きく脚を開かせられる。

 真正面には全面の鏡。

 前回はなかったはずだ。しかとは覚えていないけれど。

「待ってください、晴信。鏡は嫌です」

 そこに映る自分の表情は、あまりにだらしなくて、みっともない。

 私はもっとこう、凛々しくクールな将であったはずだ。こんな、こんな、こんな…!

「ん、可愛いな。まずはこの前の復習な?」

 晴信はホットパンツの股部分から指を挿し入れ、陰核を摘む。

「にゃぁん♡♡♡」

 それだけで、抑えられない声が出てしまう。腰が浮いて、脚がふるえる。その全部が鏡に映し出されて、もう、穴があったら入りたい。

「にゃぁぅ♡んにぃ、ああぅ……♡♡」

 晴信は、くちくちとソコだけをいじめてくる。耐えられなくて、両手で顔を覆う。

「こら、だめだろ? 声抑えるな」

 覆った手を掴まれて、余った指を口の中に突っ込まれる。晴信との手の大きさの違いを、こんなに意識したことはない。はずかしい。

「やぅ♡♡♡……んみゃぁああぁ♡♡♡♡♡」

「そうそう。お利口さんだな、可愛い声だ」

「にゃあ♡……ふにゃあぁん♡♡♡♡」

敏感なところをくりくりされて、摘まれて、撫でられて、全身の力が抜けていく。晴信の腕がなければ、もう座っていることもできないかもしれない。き、き、きもち、いい。

「イキそうか? なんて言うか、前教えたろ」

 だんだん思考が麻痺して、何も考えられなくなってくる。聞こえるのは晴信の声だけ。晴信だけ。

「にゃぁああん♡♡♡もぉダメぇ、イク、イっちゃうぅ♡♡♡♡」

「よくできました。ご褒美にいっぱい潮吹こうな」

「にゃあああああああああぁぁぁ♡♡♡♡♡♡♡♡」

 前のとき、何回も何回もココで晴信にきもちよくさせられてしまったから、もうすっかり身体がその感覚を覚えてしまっている。

 ぷしゃあっ! 

 股間から勢いよく液体が吹き出した。

 それは小水とは違うのだと晴信に教えられたが、恥ずかしさは大差ない。

「すっげぇな、おまえ」

「はりゅのぶぅ……♡♡♡」

「よしよし、上手に潮吹けてえらいぞ」

 恥ずかしいのに、晴信にそう言われると、喜ばしいような気がしてくるからダメだ。

 上体をよじって、晴信の首に両手をかけて、胸筋に頬を擦り付ける。胸の中の何かが満たされる。

 心のどこかはまずいと警鐘を鳴らしているのに、目先の晴信に釣られてしまう。毘沙門天を堕した女(わたし)はこんなにも弱い。


「イッても鍵が開かないな。前と同じとこじゃ、やっぱりダメか」

「出られない……んですか?」

「いや、お題は新たに開発しろだからな。もう開発済のトコはダメなんだろうな」

「?」

「分かってねぇって顔だな、景虎。おまえ、未通娘のまま、くりくりされてキモチヨクなるトコロ、増やされるんだよ」

「にゃ?!嫌ですよ!」

「仕方ないだろ?そうしないと出られないんだから」

 にやりと晴信が笑う。悪い顔だ。謀略家の顔だ。

「なあ、景虎? ドコがイイ? ナカはまだナシな。乳頭か菊門か、他の場所でもいいぞ。口吸いでイケるのもエロいよな?」

 どれがいいかなんて分かるはずがない。それは晴信だって知っているはずだ。

 けれど、とにかく愉しそうな晴信の表情を見れば、黙秘は下策だと分かる。黙っていると、じゃあ全部だな、と言われそうな気がする。

「く、口吸い……」

「ん?」

「口吸い、して、ください……」

 これだけは生前、女中がしているのを目撃したことがある。気持ち悪そうだと思った。どうしてもしなくてはならないのなら、と考えて、晴信が浮かんだ。

 もうその時点で、私の心は、決まっていたのかもしれない。私は多分、晴信に口吸いをされたかった。

「随分と可愛らしい。意外だったな」

 晴信が顔にかかった髪を除けて、唇をなぞる。彼の指には透明な液体が纏わりついていた。それが何かなど、考えてはいけない。

 抱え上げられて、寝台に寝かされる。そのまま上からのしかかられて、身体の自由を妨げられる。不利な体勢だ。

 晴信の方が体格が良く、重い。

 ここから跳ね除けるには、力が必要だ。

「晴信」

 なのに私の腕は、跳ね除けるどころか晴信の上着をしっかり握りしめてしまう。だめだ。

 晴信の顔が至近距離にある。

 目を細めて満足そうに笑う。

 こんな晴信の表情はなかなか見ることができないから、私も嬉しい。


 そして晴信は目を閉じると、その口で口を塞いだ。歯列をなぞってから、舌を絡める濃厚なキスをされる。舌を吸われる感覚。唾液を流し込まれて、飲まされる。

「んっ……んむ、っふぁ」

 長いキスが終わっても、その快楽は続いていて、頭がぼうっとしてくる。

「口吸いも、初めてか?」

「そう、ですよ」

「ふぅん。おまえ、本当に俺しか知らないんだな」

 当たり前である。こんなことを晴信以外に許すはずがない。請われた時点で気色悪くて首を刎ねたくなるだろう。

 晴信が優しい手つきで頭を撫でてくる。頭を撫でられるなんて滅多にないから、胸がきゅうってなる。もっと褒めて欲しい。たくさん甘やかして欲しい。

「……もう一回……してくださぃ」

「もちろん。口吸いだけでイケるようになるまで、たーっぷりしてやるよ」

 ん?

 何か聞き捨てならないことを言われ、、、

「んっ……ふぅ♡」

 再び唇を重ねられて、思考が溶ける。

 今度は触れるだけのキスだ。柔らかい感触が何度も重なっては離れていく。そのたびに唇がじんわり熱を持っていく。

 何度目かで唇を舐められたから、口を開いた。ぬらりと晴信の舌が侵入してくる。

 舌を絡め取られて貪り食われるような激しい接吻。

 歯列をなぞられると身体がびくびく反応してしまう。舌の裏を舐められると背中がぞくぞくしてたまらない気分になる。口の中の感じるところを余すことなく責められていくうちに、どんどん意識がふわふわしてきた。

「ふぁあ……んぅ♡」

 晴信の手が、下半身に触れ、ホットパンツと下着を下ろされた。びしゃびしゃの秘部が空気に触れて、冷たい。

「んんっ♡」

 腰を捩ると、晴信が笑う気配がした。

 そして、前のときもさっきも、たっぷりいじられた敏感な突起に晴信が触れる。そのまま優しく上下に動かされて、もぉダメになる。

「んにゃぁ♡♡♡」

 快楽から逃げようと身体をくねらせても、晴信は逃してくれない。

「今日は接吻でイケるようにならんといかんからな、口吸いされるとイクように癖つけような」

「ふぁ、それ……そんなことして、いいんですか?」

「イイようにするんだよ」

 何か話をそらされているような気がするが、もう分からない。


 くりくりいじられて、びくびく跳ねて、にゃあにゃあ鳴かされて。

 もう何回イカされたかわからないほど弄られてきたソコは、もう完全に弱点になっている。

「ふにゃあぁん♡♡♡」

 きもちよくなったところで、口づけられて、口の中に晴信の唾液が流し込まれる。その瞬間、ぐりっと陰核をえぐられる。

 ぐちゅんっ!

 ひどい水音がして、接吻しながら私はイった。

「んにゃああぁぁあぁぁあ♡♡♡♡♡」

 ぷしっ、ぷしゅっ、ぷしゃああぁ……

 盛大に潮を吹き出しながら絶頂した。

 気持ち良すぎて頭の中が真っ白になる。腰ががくがく震えて止まらない。お腹の奥がきゅうっと収縮してきゅんきゅんする。も、だめ。なにも考えられない。

「はぅのぶ、すき。すき、だいすき」

「もっと。もっと言え、景虎」

 晴信がうながすから、私は呪文のようにそれを唱える。達したばかりの身体を休む間もなくまた高められながら、息も絶え絶えに、必死につむぐ。

「ふにゃあぁん♡♡♡ はぅのぶしゅきぃぃぃ♡♡♡」

「よしよし、ご褒美だ」

「んにゃ、らめっ♡♡♡またイっちゃうぅ♡♡♡」

 叫んだところで唇を奪われる。快楽に跳ねる身体を押さえつけられて、きもちいいのの逃げ場がない。深く深く何度も達してしまう。

「まだまだ。キスしながらイク癖がついたら、キスだけでイけるようになるからな。あと5回はキスしながらイカせるぞ?そのあとは、キスだけでイケるようにがんばろうな?」

「にゃあ、ああぁぁあぁ♡♡♡♡♡♡」

 やだ、と言ったはずなのに、もう自分でも何かわからなかった。

 それから私は数え切れないほど頂点を極めさせられた。口吸いされながら陰核をいじられて、頭がとろけてもうどこできもちいいのかわからない。なにもかも全部きもちいい。

「んみゃぁ♡♡♡ああぁっ♡♡♡んぅ……♡♡♡」

「もう何回イッた?」

「わかりゃにゃいぃ♡♡♡」

 私はすっかり呂律が回らなくなっていた。頭の中がふわふわして何も考えられない。気持ち良いことしかわからない。晴信は私の髪を撫でて、また接吻した。もうそれだけで全身びくびくしてたまらない。

「んぅ♡♡♡」

 激しくて深い接吻だった。口の中を蹂躙されるような感覚に、身体の芯が疼く。彼の唾液が流れ込んでくる。全部飲み干さないともったいないような気がして必死になって飲み込んだら、お腹の奥がきゅんとして、頭が真っ白になって、何も考えられないくらい気持ちよくて、潮吹きしながら絶頂した。

「……んっ……ふぅ♡♡♡ちゅっ♡♡♡」

 唇が離れた時には、私はもう完全に蕩けきっていた。

「あーあ、すごい顔だな」

晴信はにやにやしながら私の顔を覗き込んだ。

「接吻だけでそんなに蕩けてたら、セックスしたら死んじゃうかもな?」

「にゃ、にゃあ♡」

 そうかもしれない。

 口吸いだけでこんなにきもちよくなってしまったら、もう戻れないかもしれない。

 でも晴信が愉しそうだから、どうしても本気で拒みきれない。

 晴信はまた私の頭を撫でてくれたので、私はその手に擦り寄る。彼は愛おしげな目で私を見た後、口を開いた。

「まだ足りないだろ?」

「はいぃ♡♡♡」

「じゃあ、もっとヨクなろうな」

 晴信は私の頭を撫でながら再び深く口づけた。私はそれに応えるように必死に舌を動かす。

「んみゃぁぁああぁあぁぁああ♡♡♡♡♡♡♡♡」

 ぷしっ、ぷしゃぁあぁぁ!盛大に潮を吹き上げながら絶頂を迎えた。

(好きぃ……大好き……♡♡♡)

 達しすぎたのか疲れたのか、意識がまばらになってくる。

「えっろ……くそ、次は挿れるからな」

 晴信の声が聞こえた気がしたが、答えられない。私はそのまま眠りについた。


***


 翌朝、私は晴信の部屋で晴信に抱かれて目を覚ました。昨夜のことを思い出し、顔が熱くなる。

「おはよう、景虎」

 ちゅ。晴信が触れるだけの口づけをする。

「んぅ、にゃはぁん♡♡♡」

 それだけでお腹の奥がきゅんきゅんとろとろになってしまう。

「どうした?」

「はぅのぶぅ♡♡♡」

 もっと。

 口を開いて、おねだりする。すると彼は優しく微笑んで、舌を絡ませてくれた。

「んっ♡ちゅっ♡♡♡はうぅ♡♡♡」

 昨日すっかり仕込まれた私は、キスだけでどっぷりと快感に浸ってしまう。舌を吸われたり甘噛みされたり、上顎を舐められたりして、頭の中が真っ白になって絶頂を迎えた。

「ま、まっ、まって」

 再び口づけようとする晴信を慌てて制する。

「なんですこれ? 何か私の身体、おかしいんですけど」

「いや、どこ開発されたいか聞いたら、おまえが自分で口吸いがいいって言ったじゃないか」

「私、そんなつもりでは!」

「道理で。ずいぶんコアなプレイをお望みだなと思ったんだが」

「その時に言ってください!」

「まあまあ、なったものは仕方ないだろ」

「仕方なくありませんよ、どうしてくれるんですか!」

「そうだなあ。とりあえずもう一回イッとくか?」

 近づいてきた晴信の顔を思いっきりぶん殴ったのは、それこそ仕方のないことのはずだ。

 とにかく、私はしっかり自覚を持たなくてはいけない。

 まず、あの部屋にもう2度と呼ばれてはならない。流されてはならない。

 決意を胸に、私は一升瓶を取り出したのだった。


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