殺戮女神は愛を知る

殺戮女神は愛を知る


それは立香がいつものようにパールヴァティー、ドゥルガー、カーリーの三女神と共に天国も然ることながらの饗宴を愉しみ、神妃達の体を貪ったその日の夜。


「……っ、ここは?」


彼は目を覚ました。そこはカルデアのマイルームではなく、何処か寂しさを感じさせる無の世界。

いったい何が……まさか自分の身に何か起こったのでは?と周囲をきょろきょろと見渡すと自分一人だと思っていたその世界にもう一人がいることに気が付いた。

いや、一人という例えは間違いだ。その体から迸る魔力、生者を拒絶するその殺意、何よりもその姿は何処までも人間離れしており。


「くくっ、待っていたぞ、真なるシヴァ……いや」


間違いない、姿形こそは自分の知る彼女とは大きく違うがその名前は間違いなく。


「我が夫よ、その体その魂……我の夫に相応しいか、試させて」

「なにそんな畏まっているの?カーリー」

「な、何をする!?」


いつもと大きく様子は違うが、彼女は間違いなくカーリーだ。

何故か分からないが、恐らく自分はカーリーに呼ばれてこの世界に……マシュやドクターが語ってくれた英雄の座に招かれてしまったのだろう。

ぐい、と彼女の肩を抱き寄せると立香はその唇に、いつものように重ね合わせる。


「んむぅ……♥」


それがきっかけなのか、あるいは素直になれなかっただけなのか。

カーリーは蕩けたような表情を見せると、黙って立香の愛撫を受け入れる。

まるで蹂躙されるかのように口内が、舌が立香の色に染まっていく。

唾液が混ざり合い、舌と舌が絡み合うたびにカーリーの目尻からは快楽からか涙が零れていく。


「っ……んむ♥ぷはぁ……んむぅ♥」


立香は妻に優しいキスの雨を降らせながら、その豊満な胸を揉みしだき始める。

ぴくん、と大きく体を震わせるカーリーだが、彼女は拒絶することなくむしろもっともっととせがむようにその5対の腕を伸ばす。

1対の手は立香の頭に、もう1対の手は肩を抱き寄せて、1対は腰に手をまわして密着させ、残る2対の手は両手でも収まりきらない立香の、偽物の……偽りのシヴァとは比べ物にならないその剛直を奉仕する。

その姿は神話のようであり、どこまでも淫靡で、美しく、まるでこの世のものではないような神々しさを誇っていた。


「ぐっ……射精すよ!」

「ふふっ♥射精せ♥数千、数万年と汝のことを待ち望んでいた……お前が♥産まれる前から決まっていた妻の手の中で、たっぷりと射精せよ♥」


ただでさえ大きかった立香のおちんぽが更に一回り大きく膨れ上がり、カーリーの奉仕によって限界を迎え。


どびゅっ♥びゅるるるるるっ♥♥♥

「んお゛お゛お゛お゛ぉぉぉぉぉぉぉ♥♥」


その巨大な睾丸から作り出された精液はカーリーの体を白く染め上げていく。

その熱と勢いに、ただその精液をこの身に浴びただけだというのに、カーリーは獣のような嬌声を上げて絶頂した。


「そんなんで俺の妻としてやっていけると思っているの?まだカルデアにいるカーリーの方が妻として相応しいんじゃないかな?」

「ほざ、け♥あんな偽物の話題を出すな♥我は……ずっと♥神話の時代から、パールヴァティー達と共に待ち望んでいたのだ♥真なるシヴァの……『貴方』の妻になることを♥」


カルデアにやってきた初日に解決したと思われる最初の特異点……特異点Fを解決した次の日、立香は戦力を増やすためにサーヴァント召喚を行った。

結果、現れたのがヒンドゥー教における主神の一角、シヴァの妻であるパールヴァティー、ドゥルガー、カーリーの三女神であった。

強力なサーヴァントが仲間になったことを喜ぶカルデアの面々とは裏腹に立香の胸の中にあったのは何処か懐かしさを感じる違和感。それはパールヴァティー達も同じだったようで交流を深めるためにマイルームへ三騎を招いたその日の夜……立香達は、自分の運命を知ってしまった♥

それは未来において立香がパールヴァティー達がいた時代へレイシフトして彼女達を妻にしたという事実♥パールヴァティーを嫁に取り、ドゥルガーを打ち倒し、カーリーを娶ったという激動の記憶がまるで昨日の事のように蘇った。

その瞬間、今まで以上の快楽と愛欲が湧き上がり、パールヴァティー達を押し倒して犯し、自分のものにしてしまった。


「あの後、パールヴァティーがカルデアスを真似て俺をレイシフトさせて、3人を嫁にして……今思い返してもマスター生活2日目にやる出来事じゃないよ」

「ふふっ♥だが、そのお陰で汝は強大な力を得たのだろう♥我らを妻にするということはそれ即ちシヴァということ♥偽物の魔からその力を奪い取り、汝の体は真なるシヴァのものとなった♥故に……♥」


興奮を隠さぬ様子でカーリーは股を開き、ねっとりと♥何もしていないというのに糸を引く秘所を見せつける。


「妻を抱くことに何の支障もない♥カーリーとドゥルガーにしたように、我のこともどうか♥疑体の身ではなく、本来の我を♥その剛直で満たしてくれ♥偽りの魔に犯され、妻にされ、子を孕まされた忌まわしきこの記憶を……『貴方』のもので塗りつぶしてくれ♥」

「勿論……って言いたいところだけども」


パールヴァティーとドゥルガーの時と同じなら多分、きっと。


「――やはりここにいたか、我が夫よ♥」

「……っ!その声は!」


2人しかいなかったその空間に女の声が響いた。

それは立香がよく知る、たった数日できっと他の誰よりも理解した彼女の声。


「いらっしゃい、カーリー」


そこにいたのはカルデアの……疑似サーヴァントのカーリーの姿であった。

ぷくー……っと頬を膨らませた彼女は自分の本体を睨み付ける。


「我が本体よ、この恥知らずめ。立香はまだ我らだけの夫だぞ。何よりも立香は人理を救い、その種を世界に広めなければならぬ身……このような場所に幽閉するなぞ言語道断」

「黙れ、我の偽物め。夫と愛し合うことが何の恥じとなろう」


バチバチと火花を散らす2人のカーリーに挟まれた立香は少し困った様子を見せながら。


「ふん、やはりは殺戮しか脳がない脳なし女神か。立香の精を受けて、貴様にも匹敵する力を得た我が打ち倒してやろう」

「ほざけ、立香は我らの夫なるぞ。夫と妻が愛し合うのに何の問題がある、数万年……幾度と待ち望んだ立香との逢瀬の邪魔は同じ我だろうと邪魔はさせぬ」


一触即発、といった雰囲気で今すぐに武器を抜いても可笑しくないといった様子の2人の間に立香は入り。


「はい、ストップ」

「んぉおおっ♥」「ぴゅぎぃい♥わ、我が夫よ♥いったい何をぉ♥」


そのたゆんたゆんと揺れる大きな胸を鷲掴みにされた2人は突然の快感に思わず喘ぎ声を漏らす。

ぶしゅり♥と股から愛液を吹き出す2人を見ながら立香は。


「2人とも、喧嘩は駄目だよ。カルデアのカーリーも、座にいるカーリーが悪気があってやったんじゃないって分かっているんだろ?たっぷりと、愛してあげたらカルデアに戻るから安心して待っていて」

「……分かった♥此度は我が夫の顔を立てよう……ただし♥」


ぐちゅり、とカルデアのカーリーは立香の手を己の秘部へ導き。


「我のことも、可愛がってくれ♥本体だけではない……『私』のこともいっぱい愛して♥『先輩』ッ♥♥」

「……っ!勿論!」


……こうして立香は2人のカーリーと共に長い長い一夜を過ごすのだった。

尚、長く愛しすぎてあまりにも起きない為、残り2人の妻から心配されて怒られたのは言うまでもない。

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