歪曲

歪曲

ここだけゾロがルナーリア族Part2の145

※閲覧注意

※R18G指定(保険)

※【ここだけゾロがルナーリア族】のスレより

※ゾローリアの更にIFネタ

※幼少ゾロが研究者に捕まり約2年間研究施設に、その後にキングが保護する√

※幼少ゾロはくいなと約束する前

※IFネタの派生⇒堕ちる月√

※キャラエミュが微妙

※文才なしの駄文

※捏造設定あり

※それでも良い方のみ、お読み下さい














大人からは見えないところに隠れる。

どうして、こうなったの。

「…ぅ゙ぅ…ヒック…」

止めないとと思っても涙が止まらなくて…怪我したところが、ずっと痛くて。

「…おら、なんもしてないでやんす…」

何もしてないのに、どうして追われるの?

父ちゃん、母ちゃん…おら、どうしたら…。


 「お父!!みっけた!!」


おらより少し年上の男の子の声が響いて。

「ッ!?」

やっちゃった…!!

もっと、“けいかい”しなきゃいけなかったのに!

直ぐに立とうとしたけど…足を怪我していたのを忘れてて。

転んじゃった。


 「見つけたぞ!!〝黒炭〟!!」

 「“将軍様”にゃあ手は出せねぇが」

 「早く、捕まえんぞ」


そんな言葉を口々にする大人に囲まれちゃった。

また、殴られたり蹴られたりするでやんすか…?

そう思って、目をぎゅっと瞑った。


  ボワッ


 「ほのッ!!」

 「ぅ゙ぁ゙ァ」

 「ギャァ…ッ…」

 「だ、ずげぇ…っ!」


まわりから悲鳴が聞こえて、恐る恐る目を開けた。

目を開ければ、囲んでいた大人たちが炎に包まれてて…ほんのちょっとの時間で炎の中の影はボロボロになって消えていった。

「な、なにが…?」

なにがあったのか分からなくて。

地面に座ったまま、大人たちがいた場所を見る。

「…おい、大丈夫か」

急に声をかけられて…言葉の内容を考えるより、まだ大人がいたのかと振り返った。

「ぇ……ぁ…百獣海賊団の」

ちょっと…違う、凄く驚いた。

だって声をかけて来たのは、烏天狗みたいな年上で…目の鋭いお兄さんで。

ワノ国でこんな格好をしているのは、百獣海賊団の…とにかく、すっごく上の立場の人だった。

「…大丈夫かと聞いたが?」

おらが答えなかったからか、もう一度同じことを聞かれる。

「…だ、大丈夫でやんす!!」

「…それにしちゃ、怪我してるが」

「それは…」

「………」

おらは、答えられなかった。

そんなおらを、じっと見ていたお兄さんは…突然おらを抱えあげて。

「…うぇ?!」

思わず変な声がでちゃって。

お兄さんは、おらを抱えあげたまま歩き始めた。



連れて来られたのは、あの“鬼ヶ島”で。

動物の姿が混ざってる女の人に、おらは渡された。

そうしてあれよあれよという間に、あったかいお風呂に入れられて、怪我を治してくれて。

全然汚れてないしほつれもない、綺麗な…しかも、軽くてあったかい着物を着せてくれた。

「ワイルド様、お連れしました」

着替え終わると女の人は、さっきの烏天狗のお兄さんのところに案内してくれて。

お兄さんの前には御膳が置いてあって。

「…食え」

お兄さんは、その御膳をおらに食べるように言った。

本当に食べて良いのか何度か聞いたけど、お兄さんは食べるようにしか言わなくて…一口、食べた。

 真っ白なご飯。

 具がいっぱいのお汁。

 焼き目のついたお魚。

 お野菜の煮物。

 パリパリのお漬物。

あったかくて、美味しくて…食べるのが、止まらなくて。

お兄さんはおらが食べる様子を黙って見てたけど、お腹いっぱい食べさせてくれて…どこも痛くなったり、気持ち悪くなったりしなかった。


それから、お兄さんとお互いに自己紹介して。

お兄さん…ワイルドは、おらの話を聞いてくれて。

両親が亡くなったことも。

村でみんなと一緒に暮らしてたことも。

お腹が空いて、すっごく不味い果物を食べたことも。

それから、動物たちと仲良くなれるようになったことも。

ある日とつぜん、〝黒炭の血筋〟だからと殴られたり蹴られたりしたこと。

だから、どこにも行くところがないこと。

それに…エースのことも。

何でも聞いてくれたし…話している間に涙が止まらなくなっちゃったら、やわらかい手拭いで涙をふいてくれて。

「…居場所がないなら、おれの所にいれば良い」

話を聞き終わったワイルドは、優しくそんなことを言ってくれて。

「で、でも!おら、なんもできないでやんす!!もらってばっかりに!」

怪我を治してくれたのも、ご飯をお腹いっぱい食べさせてくれたのも…おらばっかりがもらいっぱなしなのに!!

「……なら…動物と仲良くなる能力を、おれのために使ってくれるか?」

おらの言葉を聞いてから、少し考えるみたいにしたワイルドの言葉に驚いた。

それなら、おらにも恩返しできる。

「…それで、いいでやんすか?」

でも、少し不安だったから、もう一度聞いてみたら。

「あぁ。そうしてくれるなら、守ってやる」

そんなふうに、頷いてくれて…頭も撫でてくれた。

あったかくて大きな手で、ちょっと慣れてない撫で方で。

止まったはずの涙が出ちゃうのを、おらは止められなかった。

そのまま、泣き疲れて眠っちゃって。

起きたら、ふわふわのお布団の中にいて…ちいさな赤ん坊みたいなことをしちゃったと、顔が真っ赤になったでやんす。

















膝の上で泣き疲れて眠った人間の子供を見る。

こんなに直ぐ懐くとは思っていなかった…人間の子供に懐かれるのは反吐が出そうになるが、この事自体は嬉しい誤算だ。

〝コレ〟の事を配下の1人が報告してきた時は、排除する事を考えたものの。

まだ幼い故に“教育”し易いのと、何かしらで“使い道”があるかも知れないと…考え直した結果がこれだ。

「これで、動物のメアリーズを楽に増やせるな」

“使い道”の1つを口にしつつ…人間の子供の態度を思い出して、〝コレ〟は依存させる方向の“教育”をしようと頭の片隅で考える。

それにしても…。

「やはり、人間は愚かしい生き物だな」

ほんの少し〝噂〟を流してやるだけで…負の感情の向かう矛先を同族の子供へと変えるのだから。

その〝噂〟を流させた使えなくなった人間も、〝噂〟の真偽も確かめずに行動した人間も。

まぁ、全て纏めて処分出来たので、良しとするか…。


Report Page