次の時代へ 3

 次の時代へ 3

8歳差ルウタたまらんマン

「久しいな!!! ……死に目に会えそうでよかったぜオヤジィ!!!」


「ティーチ……!!!」


王下七武海 “黒ひげ” マーシャル・D・ティーチが戦場に現れた…


「黒ひげ…!! あいつこんな時に…!!」


「ティーチの奴… もう許せねぇよい…!」


「手ェ出すんじゃねぇぞマルコ!!」


白ひげの声が、後方の海賊たちを止めた…


―――

「やっちまえェ!!」


無数の弾丸が、剣が、瀕死の白ひげを襲う


「そんな……」


「オヤジィ〜〜〜!!!」


「ゼハハハハ やれェ!! 蜂の巣にしろォ!!」


―――

それでもなお、世界最強の男は立ち続け、吠えた


「“ひとつなぎの大秘宝”は 実在する!!!」


「……!! おっさん…」


「………!!! 貴様っ!!!」


「ゼハハ…!」


(許せ息子たち… とんでもねぇバカを残しちまった… おれはここまでだ)


―――

「…し… 死んでやがる… ……立ったまま!!」


男に、一切の“逃げ傷”は無かった


――

「……! 船が止まった!!」


「外で何か起きたんか…!!」


「海を凍らせれた!!!」

「青キジを抑えろォ!!!」


「くそっ…! クザンの兄ちゃん容赦ねぇな…!」


「とにかく退くしかねぇよい…! グスッ… 今はそれしか…」


「…! みんな待て!!」


凍った海の中から、マグマが立ち昇った…!


「わしが逃さん言うたら… もう生きるこたァ諦めんかいバカタレが…」


「赤犬…!!」


「サカズキの兄ちゃん…! 生きてたんだな…!」


「簡単には死ねんのゥ… 白ひげが死んだ以上… マルコ! ルフィ! 次はお前さんたちから始末しちゃるからのゥ…!!!」


「……! 鳥のおっさんたちは引いてくれ!! あんたたちは白ひげのおっさんの大切なもんだ!!」


「おい!! ルフィ!!!」


ルフィが赤犬に立ち向かう


「“JET回転弾”! …!?」


ルフィの一撃も、容易く躱されてしまった


「技のキレが落ちとるのゥ…! お前さんも限界じゃあ!!」


「うわあぁぁぁ!!」


「モンキー・D・ルフィ!!!」


赤犬の攻撃をなんとか防御するも、とっさに発動した武装色では防ぎきれなかった


「ぐゥ…!! あちィ…!!」


「いい加減観念せェ! ルフィ!!」


「まだまだ…!! …!!!」ガクン


ルフィもまた限界を迎えていた 前に出ようとする足が、出なかった


「…!! まずい…!!」


「ぬかったのゥ…」


「!!!」


赤犬の攻撃が、決まったように見えた…


「うゥ…! がァ……! ギギ……!!」


「貫けんかったか…… そのまま行けば楽に死ねたのにのゥ……」


赤犬の腕を抑えつけ、武装色で防御しなんとか貫通は避けたルフィ しかしマグマの熱が肉体を蝕む


「「「うおぉぉぉぉー!!!」」」


「!?」


白ひげ海賊団の皆が、ルフィから赤犬を引き剥がそうと加勢に出る


「み…… んな……」


「お前はエースの兄貴!! ならおれたちの家族も同然だ!!」


「お前はエースを守ってくれた! オヤジが認めた男を、今度はおれたちが守る番だ!!」


白ひげ海賊団の面々が、ルフィと赤犬の間に立ち塞がる


「今処置するよい…」


「す… まねぇ… おっさん…」


「ここまで良く頑張ってくれた… ティーチの方も心配だが… まずはお前さんの命の方だよい…」


――


「……おれは出るぞ ジンベエ」


「無茶じゃエースさん! この状況で満足に処置も受け取らん!! 行って万が一のことがあったらどうするんじゃ!」


「船も動かねぇ以上身動きできねぇ! このまま家族を見殺しにできねぇよ! ウタさえ守れりゃおれは…」


「だったらおれの船に来い」


「「!?」」


最悪の世代の海賊の1人 “死の外科医” トラファルガー・ローがそこにいた


「すぐそこに着けてある 潜水艦だ 逃げることは容易い」


「誰だ… お前…!」


「そこでくたばってる麦わら屋の… 知り合いみたいなもんだ」


「ウタさんの…? お前さん一体…?」


「麦わら屋とはいずれは敵だが 悪縁も縁… こんな所で死なれてもつまらねェ…」


「「……」」


「お前たちもボロボロ… おれは医者だ 全員治してやる」


「…… なんでこの戦場にいるのか知らねぇが… お前ウタの友達なんだろ ここは1つ頼まれるとするよ」


「友達じゃねぇ… まぁいい ここを離れるぞ」


「“ROOM” シャンブルズ!」


4人は船の真下に着けていたポーラータング号の船内に移動していた


「! 悪魔の実の力か!」


「あ! キャプテン戻ってきた!」


「ハァ… よし!出すぞお前ら!」


「アイアイ キャプテン!」


海中を進み、船は戦場を離れる…


―――


戦場は熾烈を極め、互いが互いの首を1つでも多く取ろうと沸き立ち続ける


叫び声が、うめき声が、泣く声が 戦場にこだましていた


「えェい!! お前らどかんかい!! わしが欲しいのはルフィの首じゃあ!!」


「そう簡単に行かせるわけにはいかねぇ!!」


「あいつにはもう指一本触れさせねぇぞ!!」


「ぐゥ…! おどれらァ…!」


1人の青年が、戦火の中へ飛び込んだ


「そこまでだァア〜〜〜〜!!!!」


「?」


「海兵!?」


(コビー!!!)


「あれって…… コビーか……?」


「知り合いかよい!?」


「海兵になる前に…… 出会ったんだ……」


「もうやめましょうよ!!! これ以上戦うの!!! やめましょうよ!!!」


(兵士1人1人に…!! ルフィさんにだって…!! 帰りを待つ家族がいるのに!!!)


「命がもったいだい!!!!」


「目的はもう果たしているのに…!!!  戦意のない海賊を追いかけ…!!!    止められる戦いに欲をかいて………!!! 今手当てすれば助かる兵士を見捨てて…!!!

その上にまだ犠牲者を増やすなんて……

今から倒れていく兵士たちは………!!!

まるで!!! バカじゃないですか!!?」


「コビーか……!!」


「………!! ………あぁ?? 誰じゃい 貴様ァ……!!」


「…! や、止めろ…!」


「……邪魔じゃい…… 正しくもない海兵は海軍にゃいらん…!!」

赤犬がコビーに近寄る…


「止めろ…! サカズキの兄ちゃん…!」


「え…… …ああああああああ!!!」


「もう…… 止まってくれぇー!!!」


最後の力を振り絞ってルフィが叫んだ  


そして


「!!?」 ド  ン!!


もう一人の四皇が、姿を表した


「………よくやった… 若い海兵…」


「お前が命を懸けて生み出した“勇気ある数秒”は… 良くか悪くか たった今多くの人間の運命を変えた!」


「シャンクス……」


「何でここに…!! “四皇”がいるんだよ……!!」

「“赤髪のシャンクス”だァ!!!」


「この戦争を 終わらせに来た!!!」


「赤髪…!」


「シャンクス…… どうして……」


「ずいぶんと久し振りだな…… ルフィ…!」


「お前赤髪とも知り合いなのかよい!?」


「おれの娘と… ロジャー船長の息子がいるんだ…! 助けに来ないわけにはいかねぇさ…!」


「…!!! あ"り"がどう"…!!」


「よく頑張ったなルフィ…! あとはおれが引き受けた」


戦場の中心に、赤髪海賊団が集まる…


「白ひげ海賊団の皆… これ以上応戦するな 大人しく手を引け」


「これ以上を欲しても 両軍無益に被害は拡大する一方だ…!! まだ暴れたりねぇ奴がいるなら」


「来い…!!! おれ達が相手をしてやる!!!」


―――


「全員… ―――この場はおれの顔を立てて貰おう」


戦場が… 沈黙した…

Report Page