東雲編
男を甘い香りで誘惑し、愛玩動物としての悦びを与えて捕らえることに成功したシトリスであるがそれで完全に男の心を掴んだとは考えていない
いかにシトリスが人外の色香を持ち、愛の言葉を囁やこうとも蟲惑魔と人とでは捕食者と被食者の関係でしかない
それに加えて男が人間社会という枠組みで生きていた以上それに対する未練は少なからず存在する
そのためシトリスは自身が男の欲求を全て満たし、男に幸福を与える存在であると示さなければならなかった
「そうよ、私は蟲惑魔。あなたを食べるために連れてきたの。でもね、これだけは信じてほしいの。私はあなたを苦しめるためじゃなくて幸せにするために連れてきたのよ。だから怖がらないで、ね?」
シトリスは男を優しく抱きしめて頭を撫でる
男は堂々と自分を食べると宣言するシトリスに若干の恐怖を抱いていたが、彼女の優しい手つきに次第に心が落ち着いていくのがわかる
「紹介するわね。これからこの子たちがあなたのお世話をしてくれるの」
シトリスが呼び出すと現れたのは前の男に尽くしてきた元キープの性玩具たちであった
男は集められた美しい女性たちに息を呑む
「この子たちはあなたのお願いならなんだって聞いてくれるわ。もちろんエッチなこともね」
女性たちは自身の肢体を惜しげもなくさらけ出し男を誘惑する
シトリスの言葉が嘘でないと示すように
「もし気にいった子がいたり、逆に嫌いな子がいたら教えてね」
女性たちはその言葉に一瞬たじろぐ
男はシトリスと女性たちの間で確固たる力関係があることを感じ取る
「そう難しく考えてなくいいわ。あなたはただ自分の気持ちに従えばいいのよ。それが一番の幸せなんだから」
シトリスは慈愛に満ちた表情で向ける
こうして男のシトリスな愛玩動物とての生が幕を開ける
それから元キープの女性たちは男に気に入られるために誘惑したりしているが直接男に手を出してはいけないとシトリスが厳命が下っているため男が望まない限りはボディタッチなどは禁止されていた
「あなたとおはなししたいな」
シトリスはときおり男と顔を合わせては他愛もない会話を楽しむ
男が来た当初は性玩具やここでの生活についての話題は最小限に留めて、男は今までにどんな人生を辿ってきたか、好きなものは何かといった質問など何気ない話題に花を咲かせながら男の心を開いていった
そこにはシトリスが純粋に男と談笑をしたいという想いもあるが男の内面を知ることで次に捕らえる性玩具の目星をつけるという目的もあった
男もシトリスの色香や性技だけでなく次第にその内面にも惹かれていった
仲睦まじく語り合う光景はなにも知らないのものが見れば捕食者と被食者の関係だとは想像もつかないだろう
だが、なんでも思い通りなるという環境に馴染めずシトリス以外と交わることはなかった
「はい、みんな注目」
シトリスは男が寝静まったタイミングで性玩具たちを集める
「あの子は恥ずかしがりやだからなかなか心を開いてくれないかもしれないけど焦っちゃだめよ。ちゃんとあの子にペースに合せてあげてね」
この場におけるシトリスの姿は男に見せる時同様に優しげではあるが支配者としての
威厳と圧がある
「それとヴァリアンツって知ってる?」
そういってシトリスはゲーム機を取り出す
「ゲーム自体がなんなのかわからない子もいると思うから簡単に説明すると陣取り遊びよ。あの子は私に唯一頼み事をしたのがこのゲームで遊ぶことだったの。よっぽど好きだったのね。かわいい」
そういってシトリスは嬉しそうに笑う
「だからあなた達も一緒に遊んであげてね。あの子には幸せになってもらわないといけないんだから。頑張ってね、みんな」
シトリスが女性たちに男とヴァリアンツを遊ぶように薦めたことは一定の成果があった
共通の話題を得ることで以前より男から話しかけてくる機会が増えたという報告を女性たちからも聞こえてくる
「あの子はまだ幸せを遠慮している」
シトリスは考える
いかに男がシトリスに心を開いているといっても捕まって食べられる状況には変わりがない
「教えてあげないと。あの子はもっと幸せになるべきだって」
この日よりシトリスの計画は動き出す
とあるバー
「ふー」
ヴァリアンツ開発チームの長を務める男はルーティンのひとり酒を楽しんでいた
「となりに座ってもいいですか?」
それは人として擬態したシトリスであった
真っ白な肌と服越しでもはっきりとわかるその豊満な乳房はどこか妖しい魅力を放っている
「あなたは、いったい?」
開発者は突然の事態に混乱しつつも女性を無下にする理由もなくどうぞと席を譲る
「失礼します」
シトリスは軽く会釈をすると開発者の横へと座る
「テレビで拝見しました。ヴァリアンツの開発者の方ですよね?もし、よろしければもっとヴァリアンツについてお話を聞かせてもらえたらなと思いまして」
「ああ、いいよ。でも僕みたいなおじさんに聞いても面白くないかもしれないけど」
それから開発者はシトリスとのヴァリアンツ談義に花を咲かせた
シトリスは開発者の業績を褒め称えて、ときに愚痴を聞いたりしながらもさり気なくヴァリアンツの一般公開されてない設定等を引き出し、帰りにホテルに誘われたがそれをやんわりと断って別れた
とある散歩道
「ふん♪ふーん♪」
少女は鼻歌を交えながら機嫌良さそうに人通りの少ない道を歩く
「黒くて長い髪に綺麗な青い瞳。ふふっ、そっくりね」
シトリスの声が響くと少女が踏み出した先の足場は崩れ穴へと吸い込まれる
「これで素体と情報は手に入ったわ」
それ以降少女の姿を見たものはいない
「順調ね」
シトリスは水槽の中で生まれようとしている新たな命に満足気に微笑む
シトリスは男がヴァリアンツが好きであることを利用できると考えた
そこで男が愛用しているヴァリアンツのキャラクターである東雲をクローンとして作り男の欲望を開放するのが目的である
シトリスが捕らえた東雲によく似た少女の遺伝子情報を改良しその姿はゲーム内の東雲の姿を忠実に再現したうえで、水槽の中でありとあらゆるヴァリアンツの情報を吸収させることでクローンに自身を本物の東雲であると認識させる
さらにシトリスは東雲に教育を施し、男を甘やかす仕草などを覚えさせついに完成を迎える
「おはよう東雲。あなたの知っていることを教えて」
シトリスの言葉に従い東雲は丁寧な口調で答える
「はいお母様。ヴァリアンツの巫女東雲といいます。ヴァリアンツとは………」
東雲はシトリスが設定した通りゲーム内外の巫女としての知識が刷り込まれている
「ねぇ東雲と遊んでみない?」
「マスター様、東雲ですよろしくお願いします」
シトリスに案内された東雲の姿に男は驚きの声をあげる
フィクションの存在であった東雲が現実に存在しているのだ
その驚きは当然である
「東雲となにがしたい?」
男は興奮が入り混じった声音で東雲と会話がしたいと告げる
「はい、私でよければ喜んで」
東雲は男に向き直ると優しく微笑みむ
シトリスは2人の邪魔をしてはいけないと少し離れて成り行きを見守る
「マスター様覚えてますか?あのときのアルクトス戦は燃えましたよね」
東雲はゲーム内の百識公国との戦いについて語る
当然東雲は男と対面するのは今日ではじめてだが男のシトリスや性玩具たちとの対戦記録を元に実際に当事者であるかのように語る
男は目頭が熱くなった
「実は北条さんって意外と……」
東雲はヴァリアンツの裏設定を語る
男はこれまで知らなかったヴァリアンツの
事実を聞かされ大いに喜ぶ
「やっぱり、19話ですか。私も大好きです。特に南中さんとわたしが……」
東雲はヴァリアンツのメディアミックスについて語る
男は今まではできなかった濃いヴァリアンツ談義に大いに盛り上がっていく
男は次はヴァリアンツで対戦したいと告げる
「わかりました。マスター様が相手でも私は負けませんから」
宣言通りヴァリアンツを知り尽くしてきた東雲の腕前は男を圧倒した
「西園さん警戒は定石ですよ。まだまだですね」
だが、これまでは初心者である性玩具たちとの対戦が中心であったため歯ごたえのあるプレイングをする東雲を相手にするのは貴重な体験でもあった
「マスター様、わたしはうれしいです。こんなにもヴァリアンツを愛してくださる方と出会えるなんて」
プレイを終えると東雲は真っ直ぐに男を見つめる
東雲はシトリスが男に幸福を与えることを使命に作られた存在であるが真にヴァリアンツを愛する男に出会い、共にプレイすることで心からヴァリアンツを愛していることが痛いほどに理解できた
そのため、東雲は使命としてだけでなく心から男を誰よりも愛し尽くそうと決めた
「マスター様はわたしのことが好きですか?」
男は迷いなく好きだと答える
だがそれは東雲が望む答えではなかった
「違います。女の子としてです。わたし、マスター様のことを愛しているんです」
男は突然のことに言葉を失うが東雲は男の手を取り自身の胸へと導く
「わたしはマスター様を心から愛しています。わたしでは魅力は足りませんか?」
慎ましいながらも柔らかい感触に男は思わず生唾を飲み込む
だが、男の脳裏にはシトリスの姿がよぎっていた
「お母様はいつも言っていました。マスター様は誰よりも愛されて幸せにならなければいけないのだと。マスター様、自信を持ってください」
東雲の声は男を優しく包み込んでいく
「マスター様、わたしに任せてください。わたしを愛してくださったようにわたしもマスター様を愛していますから」
東雲はそう言うと男を抱き寄せ唇を塞ぐ
「んっ、んんっ……」
2人の舌が絡み合い唾液の交換を行う
互いに想いを確かめ合う口付けだった
「ぷはぁ…マスター様うれしいです」
東雲は心の底から幸せそうな表情を浮かべると男の肩をトントンと叩きはじめる
「ヴァリアンツ遊んで疲れてますよね」
ゲームは長時間遊ぶと首や肩に負担がかかるため東雲は男を癒やすため肩をマッサージする
「どうですか?気持ちいいですか?」
東雲は優しく丁寧に男の体を労るように丹念に揉み、肩甲骨の周りや背中も丹念に揉み込んでいく
「マスター様、幸せですか?もっと欲しくないですか?甘えたり、わたしの身体を触ったり、いっぱい気持ちよくなったりしたくないですか?」
東雲の言葉は男の中にあった恥じらいや遠慮を溶かしていく
「いっぱい感じてください。わたしで気持ちよくなってください。ほら、マスター様。素直になってみて下さい」
男は徐々に東雲の乳房に手が伸びていく 「ふふ、可愛いです。素直なマスター様はもっと好きですよ」
東雲は男を見つめ優しく微笑む
「んっ、んんっ、ああっ……ふふっ、マスター様上手です。気持ちいいですか?」
男は自分の手の中に収まった東雲の乳房を壊れ物に触るように丁寧に揉みしだく
「ふあん……優しいマスター様ぁ…好きぃ。でも、もっと激しくしても大丈夫ですよ」
男は東雲の乳房を下から掬いあげるように持ち上げると、東雲は身体をピクンと跳ねさせる
「マスター様、わたしのおっぱいでもっと気持ちよくなってください」
東雲が言うと男の手つきに拍車がかかる
「んっ!ああっ……!ふぁあ……おっぱい気持ちいいですぅ」
東雲の言葉が男をさらに興奮させていく
「んっ、んんっ、マスター様ぁっ!そんなっ激しく揉まれたらぁ……わたし、感じすぎちゃいます。ああっ、イクぅ……」
東雲が快感に身をよじらせるとしばらく荒い息をあげる
「マスター様、おっぱいではお母様ほど大きくありませんが、マスター様の大好物はわたしもだせますよ」
そういって東雲はシトリスと同じ母乳蜜を分泌させる
控えめな乳房から滴る母乳蜜のギャップに男の興奮は高まる
「マスター様、好きなだけ飲んで下さい。わたしのおっぱいをたくさん味わってくださいね」
東雲はそういうと男を自分へと引き寄せる
「んっ、んんっ……マスター様ぁ……」
男は夢中で東雲の乳房へ吸い付くように飲み続ける
「やっぱり好きなんですね。お母様やわたしだけでなくて他の方の母乳蜜だってマスター様のものなんです。マスター様は自分の幸せだけを考えればいいのですよ」
男にとってそれはとても恐ろしい誘惑に見えたと同時にそれは甘味で抗いがたい魅力を放っているように感じた
「マスター様は、わたしのことを愛してくれています。わたしもマスター様のことを愛しています。ですから、なにを恐れることがあるのですか?」
東雲の甘い言葉と母乳蜜は男の思考を削ぎ落とし、自分の足で立ち上がろうとする力を奪っていく
「さぁ、わたしの全てを味わってくだいい。こっちも好きですよね?」
男は東雲の蜜に誘われる虫のように彼女の秘部を貪っていく
「んっ、あぁっ……マスター様ぁ……」
東雲の切なげな声に興奮を抑えきれない男は秘所から溢れてくる蜜を啜り、舐めとる
「んんっ!マスター様ぁ……お豆も、お願いします」
東雲の言葉に従い皮が剥け露出した陰核を男は執拗にしゃぶっていく
「あふぁぁぁっ……!いいですぅ。マスター様の舌ぁ、気持ちいいですぅ……」
男の愛撫に東雲は身体を弓なりに反らして身悶える
「マスター様ぁ、そこっ、もっと弄ってくださいぃ……」
男も夢中になって東雲の陰核を貪る そして、東雲は限界を迎えようとしていた
「んっ、マスター様……わたしぃ、イキそうです。一緒にイきたいですぅ」
東雲が懇願するように告げると男は彼女の秘部から顔を離し今度は彼女を立たせて壁に手をつかせる
「マスター様、遠慮しないでください。その素敵な魔羅で、わたしの大事なところをえぐってください」
男は東雲の尻を掴むと自らの肉棒をあてがい、一気に貫く
「あぁん!マスター様のぉっ、気持ちいいぃ!」
東雲は男に激しく突かれる度に歓喜の声を上げる
「いいっ……いいですぅ。もっとぉ、いっぱい突いてぇ。わたしのことめちゃくちゃにしてくださぁい」
男の腰の動きはさらに激しさを増していく
「あんっマスター様ぁ、いま幸せですか?これから先もその素敵なもので色んな女の子を食べて、幸せにしてあげてくらさいね」
男は東雲の言葉に答えるように激しく腰を振り、彼女と絶頂に向けて駆け上がっていく
「マスター様ぁ、いっぱい出してくらさぁい!」
男の限界はすぐそこまで来ていた男根が膨れ上がり東雲の膣奥で弾ける
「ああっ!きてますぅ、マスター様の熱いですぅ……」
東雲は体をビクビクと痙攣させながら絶頂を迎える
「はぁ、はぁ……マスター様ぁ、わたし幸せですぅ……」
東雲が男に後ろから抱きしめられると彼女の口からは幸福を噛み締めるようなか細い吐息が漏れていた
「マスター様、わたしはあなたの力になりたいんです」
行為の後、東雲は男の手を握り優しく語りかける
「どうか、遠慮なんてしないでください。わたしの身体も心も全部あなたに捧げます。ほしくなったらいつでも身勝手に心のゆくままにわたしたちを貪っていいんですから」
すると遠くから様子を見ていたシトリスが近づいてくる
「私のサプライズプレゼントはどうだった?これからは私や東雲だけじゃなくて色々な子も試してみてね。だって1人で射しちゃうなんて勿体ないもの」
男はシトリスの言葉に赤面する
男は性玩具の誘惑に劣情を催してこっそり
性処理を行っていたのだ
だかもうそれは必要ないのだろうと男は思った
しばらくして
「好きな子を選んで」
今日もまたシトリスによって捕らわれた哀れな性玩具たちが必死で生き残ろうと誘惑をする
男は幾人か見知った顔がいないことに気づくがすぐにそんなことは忘れて、新しい子にしようかな?お気に入りのあの子にしようかな?などと考える
男の瞳にはシトリスから与えられる幸福しか映っていなかった