条件反射を覚えてしまったコラさん
トレーボル✕コラソン
後半致してるのでR−18ですが短いよ
「べへへっ!!ロー、またコラソンにやられたのか?」
「フン……」
最近正式にファミリーの一員になったローだが、相変わらずコラソンにしてやられていた。『あの時』、何故自分を庇うような真似をしたのかわからないが、いつか目に物見せてやると一人息巻く。
「コイツに勝てねえ内は幹部なんて夢のまた夢だぞ〜!」
「…わかってる」
ガキにも舐められる間抜けさであるが、実力を買われているのはここ数日で思い知らされた。肝心のコラソンは煙草を咥えたまま新聞に目を落としており、こちらを見向きもしない。それが余計に腹が立つ。
「ん〜ん〜、なら精々精進しろよ〜、なぁ〜コラソン?」
トレーボルがコラソンの頭を軽く押さえる。コラソンは特に反応もせず、返事代わりに新聞をめくっただけであった。
(クソ野郎が……!)
コラソンをひと睨みし、言いつけられた雑用をこなすため、その場を離れる。
彼の口元で噛み潰された煙草のことは、新聞で隠れて気づかなかった。
「………グ……ゥ……ッ!」
手足を粘液で拘束され、一気に喉奥へと杭を打たれる。すぐに吐き気が来るが、頭を掴まれているため、次々に衝撃がコラソンを襲う。反射的に凶暴な侵入者を舌で押し返そうとすれば、頭の上で下品な笑い声が上がった。
「べへっ!!コラソンお前、意外とスキモノなんじゃねえの!」
(…誰が……っ!!)
言い返そうにも自分は話せないことになっているし、何よりこの状態で声を上げることは不可能である。トレーボルは無遠慮に相手の口を蹂躙しながら、世間話をするような軽さでコラソンに語りかけた。
「昼間のアレ、ガキの前で取り繕うのに必死だったんじゃねえか〜?ん〜?」
「………っ!!」
図星である。昼間、トレーボルに頭を押さえられた時に今みたいな状況がフラッシュバックしてしまい、思わず煙草を噛んでしまった。幸いローにはバレなかったが、トレーボルには流石に隠せていなかった。
言い当てられた恐怖で喉の奥が一瞬閉まる。直後、粘性の高い液体がそこにぶち撒けられた。
「……ゴホッ……!」
ようやく解放され、咳で逆流した液体の一部が口と鼻から出る。トレーボルはこちらが苦しむ姿を好んでいる節があり、生理的な涙で覆われた目で上を見ると、えらく上機嫌なのは嫌でもわかった。
「べっへへへっ!!期待してんのかコラソン?」
(…期待なんて……)
するわけない、とすぐにと返せない己を恨む。身体の奥が熱を求めようとするのを、コラソンは静かに嫌悪した。