本性
ゴードンさんからの手紙を読んでしばらく泣いていた時、急にガタン!という大きな音が聞こえ、船が少しずつエレジアから離れていった。
私は急いで船の外へ出た。今も少しずつエレジアから離れていくこの船の上で私は泣きながら叫んでいた。
「なんで!、なんでまた私を一人にするの!」
私の必死の叫びはどうやらゴードンさんに届いたようだ。ゴードンさんも泣きながら何か叫んでいた。
ただ、その叫びは私には届かなかった。
エレジアが見えなくなるまで私は甲板で泣き続けた。やがてエレジアが見えなくなると船の中の寝室のベッドに潜り込んだ。
「どうして...どうして...」
そう言っている間に私は眠ってしまった。
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「みんな...どこ...」
私は泣きながら歩いていた。真っ暗な森のなかで私は一人で歩いていた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」
誰かの話し声が聞こえる。行ってみよう。
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「ほら、もう夕飯だぞ。」
この船の人だろうか。私は揺すられて目を覚ました。なんか夢を見ていたような気がしたけどよく思い出せない。
夕ご飯を食べ終わると、遠くの方に島の明かりが見えた。
乗組員の人に私はあそこで降りるんだと説明を受けた。
「え?じゃあ私はそこからどうするの?」
「ある人に預かってもらうことになっている。」
今日はその話だけのようだ。
私はさっさとシャワーを浴びて眠りについた。
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「〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」
また話し声が聞こえる。
そっちに行こうとした時、前から何かが出て来たようだ。
「それ」はカカシ?ピエロ?のような見た目をして手招きをしている。
「それ」が話声がした方に行ったのだが、なぜか私はここから離れなきゃという思いに駆られ、暗い方へ駆け出した。
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喉が渇いたからだろう目が覚めた。
喉の渇きは喉に悪いから、早く水を飲もうとキッチンへ行こうとして聞いてしまった。
「あのガキどうする?」
「さぁなーエレジアを滅ぼしたっつーから様子を見てたけど全然普通のガキじゃんあいつ!」
「海軍も追ってるって言うし、これ以上面倒事に巻き込まれたくないし...いっそのこと海軍に突き出すか?」
私はこれ以上聞いていたらまずいと感じ、ベッドの中に潜り込んだ。
結局この夜はこれ以降眠れなかった。
明るくなってきた。私はさっさとこの船の寝室から出て甲板へ出た。
昨日見た時より島は近くなっていた。
彼女のことを理解してくれる人に出会えるまであと少し...