末の妹
アル巫女ちゃんウチは〇〇、名前はゼフィがつけてくれた。
卵から孵ったとき、おかあさまとおねえさまが消えたことをウチは理解した。
寂しくはないけど(だってウチ卵生やし)、ウチ達の使命である『たくさん産んで家族を増やすこと』がウチ一人にかかったんやなぁと漠然と思った。
せやからウチは本能にしたがってゼフィを番にしようと思った。
なんたってウチを拾うたし、家の環境も悪くなさそうやったし、なによりウチの身体に興味津々やった。
ただ、ウチの誤算はゼフィの好奇心が底なしだったこと。
身体を解剖したいあたりから気づくべきやった、コイツはヤバい(本当にヤバい)、このまま本能にしたがって子どもポンポン産んだら、子どもも検体にされてまう。
そう考えたウチは治験以外に助手になったり家事や、経理、身の回りの世話をすることでどーにか身体検査以上の治験を回避することに成功した。
でも目を離したらすーぐ怪しい薬ウチに飲ませようとするから油断できん、子どもも誰に似たんか聞かん坊な子になってますます手がかかって気づけばウチは使命なんてすっかり忘れてた。
まあ、そもそもおかあさまもおらんしそう大層なもんでもないんやけど。
今じゃウチはエンジュ家のスーパー家政婦。
ま、あの一家に拾われたんが運の尽き、なんだかんだ皆ウチに良くしてくれるし、ウチはここで骨を埋めるつもりや。
死んだらホルマリン漬けにしてもええから生きてる間はウチと子どもを大事にしたってな。
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