未来を照らす太陽

未来を照らす太陽



......背中に何か当たる感覚する。だんだんその感覚は増していき意識が戻っていく。そして目を開くと動物と何人か人間がいて周りを見渡すとその動物は馬で俺の背中を舐めていた。俺はどうやら馬に転生したらしい。暴走して制御の効かなくなったスポーツカーに轢かれて死の恐怖を感じる前に意識を失ったが...まさか馬に転生するとはその後しばらく母親と一緒に居たが人の理性を持つ俺に気味が悪いと言われ育児放棄されてしまった。その後は人間に世話してもらい育てられた。



それからとある牡馬と出会った。どうやら彼は生まれてすぐに母親が亡くなり暗い毎日を送っていたと言う。彼と一緒にいたり話すと心が落ち着く...いつしか彼の事が好きになっていった。



数年後俺たちは競走馬としてデビューした。俺も彼もどんどん勝っていき遂には世代最強と呼ばれるほどになった。そして迎えたラストラン、観客は溢れかえるほどの多さで何頭かは歓声に驚いていた。その時彼もレースに参加していて俺と同じラストランだった。結果は彼の圧勝だった。なんとか食いつこうとしたが追いつけず負けてしまった。



その後俺は繁殖牝馬になると牧場のスタッフから聞き出した。

まだ...まだもっと走りたい!この気持ちはなんだろう...もっと自由に走りたい。確かにこの牧場は広い。だけどそれだけじゃ足りない。どこまでも広がる草原で走りたい...!そして俺はここから脱走する事を決意した。俺は彼にこの事を話し脱走の手助けをしてくれる事になった。



そして脱走当日、俺は彼の協力のお陰で牧場の出口まで辿り着けた。しかし、彼は行かないと言った。......嫌だ!俺は今まで君が居たから今日まで生きれたんだ!それに俺は君の事が———



「大好きなんだ!!」



気づけば俺は彼に抱いていた想いを告白し、彼は最初驚いた反応を見せたがすぐに顔を変え俺と一緒に行く事を決意したようだ。



そして二人で脱走した後、人里から離れ大きな草原に出た。ずっと走ってばかりいたから疲れた...彼が寝床を見つけたのでそこで寝るとしよう。



朝になり彼に起こされる。茂みを出ると朝日に照らされどこまでも広がる草原。ああ、そうだ...この景色を俺は求めていた。



「これからどうする?」


「決まってるよ...あの朝日のように明るい未来に向かって走ろう!」



今俺たちは走り出す未来を照らす朝日に向かって———。


Report Page