朝の一回の続き
真希は夏彦との逢瀬で常に満ち足りた気分だった。むしろ過剰すぎるくらいに。
ゆったりとしたストロークと夏彦との時々のキスだけで満足できてしまう。
体温と、眼差しと、触れ合う肌、自分の中を押し広げる物。
それらが合わさって真希の背筋を上り、彼女の頭を甘く痺れさせる。
「ん・・・んむっ」
動きを中断させて、キスに酔いしれる。夏彦は自分に合わせてくれている。それがまたさらに彼女の幸福感を助長するのだ。
「んんっ、は、ああ・・・」
うっとりとした表情の真希とは裏腹に夏彦はちょっと微妙だった。というのも夏彦は彼女を昨日散々に抱き潰したからとはいえ、はっきりと彼女を乱れさせ、自分も乱れたのだ。
あの時の征服感からくる高揚感と心臓がとまるかと思うほどの快感は残念ながら今の行為では得られないだろう。真希の精神的なボルテージは低いし、高まって許可が出たとしても多分途中で彼女は気絶してしまうだろうから。
(まあ、でもこういうのもアリなんだろうな・・・)
獣じみた欲望とは裏腹の愛を確かめるようなセックスは確かに別のベクトルではるが彼を満たしている。なにより、昨日よりもじっくりと自分の手で乱れる真希を見られるのだから。
「なつひこっ・・・あ、いくぅっ・・・」
「っ・・・さすがに締まるな」
真希がのけぞって、緩やかに絶頂を迎える。そのまま息を吐いて、潤んだ瞳で夏彦を見つめる。
「おまえ、まだイカないのかよ・・・」
「男のは刺激がある程度必要だからね」
抱き上げて座位の状態で再び腰を動かすと真希はまた甘く喘いだ。
「真希ちゃん、ちょっと動いてみてくれる?」
「こ、こうか?あっ・・・はぁっ」
(これはこれで・・・アリだな)
行為の熱に浮かされているからか、真希は夏彦の頼みを聞いて抱き着いたまま腰をゆっくりと動かし始める。
「んっ、んっ・・・な、なあ・・・そろそろイケって」
「そう言うなら、真希ちゃんに頑張ってもらわないとねー」
前の体勢リベンジする?と真希を上にして夏彦は横になった。