月明かりの下の秘め事・弐

月明かりの下の秘め事・弐


押し倒したセイバーはそのまま俺の口に吸い付いてきた。よく恋仲の男女がするものをまさか自分がすることになるとは思わず、現実を受け止めれずにいた。

と云っても、最初は軽く唇を合わせていただけだったが次第に舌で舐めるようになってきた。明らかに発情している。

晒した身体を俺の身体に擦りつけているが、まだ服は着てるから汗やら何やらで染みが出来るので止めてほしい。

「イオリ……口を開けろぉ……」

最初の勢いはどこにいったのか、トロンと蕩けた目で物欲しそうに要求してきた。

開けたら最後、舌を入れてくるのは分かってるので少し躊躇が生まれたが、こじ開けるのも時間の問題。

だがそこで悪戯とも呼べるような一計が頭に浮かんだ。

これで少し大人しくなってくれることを願い、門の閂を外すようにゆっくりと口を開門する。

セイバーは見た目に合わない妖艶な笑みを浮かべながら、半ば味わうように俺の口の中に舌を侵入させる。

他人の舌が歯や歯茎を舐めてくる感触にこそばゆいが、奥まで入ったのを確認すると──閉門する。

「んぅっ!?」

閉門と云うが、唇で優しく舌を挟んでいるため痛くはないと思う。

そしてセイバーの舌は突然、孤立したことで状況を確認しようと上下左右へと動かしているのところを俺の舌で絡め取る。

「~~~ッ?!?」

無防備に晒されたセイバーの舌は蹂躙されていくのは彼女にとってはたまったものではなく、あと少しで達しようとしていた。

だが、

「っ、すまんセイバー!」

肺が酸素を欲して、口を開けて酸素を取り込む。口が開いたことで自由になったセイバーも身体の熱を冷ますように呼吸を繰り返す。

予想外の反撃を喰らったことで大人しくなってくれると期待してやったが、何か様子がおかしい。

具体的には蹂躙された舌をうっとりと触りながら微笑んだり、俺の股間あたりに股を持ってきていて、終わる様子がない。というか待て。いつの間に俺は脱がされていた?

「イオリ……」

今のセイバーだが、愛しい男に責められたことで快楽の虜になっていた。

あと少しで絶頂に至ってたはずなのにそれが急に止まってしまい、満たされなかった欲求が暴走を始めてしまったのだ。

「もう、良いな……♡」

何をするかようやく察した伊織が止める間もなく、彼の分身を己の中へと埋め込んだ。

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