月の姫君と公園で

月の姫君と公園で



ある休日の朝、目を覚ました立香は気持ちのいい陽光に釣られて散歩に出ていた。

マンションからぶらりと住宅街を歩き公園に足を踏み入れる。

朝から楽しそうに走り回る子供達を見てなんとなく微笑ましい気分になりながら噴水の前のベンチに腰を下ろした。

見上げれば透き通るような青空と所々を白く染める淡い雲。心地よい太陽の恵みに今日も良い一日になりそうだと予感して——いきなり視界が黒く塞がれた。

目を手で塞がれてる。そして後ろからは犯人と思わしき女性の声。


「だーれだ」

「アルクェイド……今帰り?」

「せいかーい、一発で当てられちゃったわ」


陽気な声の主はアルクェイド、カルデアで縁を結んだサーヴァントの一人でありこの星の頭脳体でもある真祖の姫君——の影である。

彼女もまた多くのサーヴァントの一人としてマンションに住居を持つ身であり、であるならば当然彼の妻の一人だった。


「珍しく朝帰りだけど仕事、大変だった?」

「魔術のあれやこれやも関わってたから後始末の方が手間だったかな。とっちめるのは楽勝だったわよ? これでも私お姫様ですし」

「知ってる、今も昔も頼りになるお姫様だよ」


彼女は立香の身内が立ち上げた会社で裏方の騒ぎを鎮圧する役割を担っている。

出自が出自故に下手に表に出せない、というのが主な理由ではあるが……適性の問題もあっての事は多少彼女もむくれた経緯があった。

だがその実力は折り紙付き。その彼女が朝帰りとは珍しいと思ったのだがどうやら杞憂であったらしい。ほっと一息を吐いて立香は再びベンチに背を預ける。


「おっ、なぁーにー? もしかして心配した?」

「それはするよ。幾ら強くたって俺の大事な妻の一人だから、何かあったらと思うと気が気じゃない」

「……もうっ、みんなにも同じ事言ってるでしょ」


もたれかかるようにアルクェイドは後ろから立香を緩く抱きしめる。甘えるように彼の髪に頬を寄せ暫く穏やかな時間が流れた。

ざあざあと噴水の音が響く。

ふと振り向けばアルクもまたこちらを見つめている。熱に浮かれたような、僅かな期待が見え隠れする透き通るような紅い瞳。

吸い込まれるように/求め合うように、互いの距離は0になった。


「んちゅ♥ちゅ♥ぷぁ……んぶ、じゅるる♥♥」


遠慮する事無く舌を絡めて貪り合う。お預けされていた犬のように可憐である彼女は舌を絡めて雄を貪り、貪られる快楽に瞬く間に蕩けていく。

朝の公園だというのに気にする者は誰も居ない、はしゃぐ子供も通りかかる大人も目を向ける事も無く通り過ぎていく。そんな中で二人は互いが満足するまで存分に口を使った交情を交わし続けた。


「ぷぁ……♥ん、ふ……ふふ♥もう完全にスイッチ入っちゃった……♥♥」


妖しく微笑む彼女は文字通り人外の美しさで立香の目を魅了してやまない。十人居れば住人が虜にされるであろう魔性の美貌は今、遠い世界の誰かではなく目の前の男——自分の夫である男に求めて貰うためだけに向けられている。

見る者が見れば卒倒物のそれを向けられて当の立香は苦笑気味に尋ねた。


「帰るまで我慢できない?」

「そんなの無理♥今すぐにでも立香が欲しいの♥誤魔化しはこっちでちゃんとやるから、ね♥」


ベンチに座る立香の前に移動したアルクェイドは彼のベルトを外し、着込んだ物のその下に隠された逸物を優しく取り出した。


「あっは♥♥アナタも口で言いながらもうガチガチじゃない……♥何回目にしても見惚れちゃう♥私を立香の妻にした、ガッチガチのおチンポ♥♥♥」


ドロリと蕩けた甘い吐息が漏れる。これが与えてくれる肉の悦楽を魂の芯まで刻み込んだ彼女はもはや隠し切れない期待で蜜を溢れさせていた。

何度も何度も、多くの女を貪ってきたこのそそり立つ逸物に気をやった。その度に愛を叫び、女の幸福を全身で味わった。その妻としての至福の時間が始まる事に興奮を抑えられない。


「アルクェイドに迫られたら誰だってこうなるって……じゃあ、挿れるよ」

「来て♥私の中に、早く——は、あぁああああああぁぁぁ……お゛っっ♥♥」


ずぶずぶと大きな逸物を容易く呑み込み、夫を受け入れる幸福にアルクェイドは背筋を震わせる。そして先端が子宮に口付けた瞬間、獣のような声で月の姫は絶頂した。


「ん……アルクェイドだって下着付けてないじゃん。ブラも付けてないし……最初からその気だった?」

「んひぃっ♥あ、そうっ♥そうなのっ♥お゛お゛っ♥今日は、立香とシたいって♥ずっと思ってたからあ♥♥」


パン、パン、と肉を打ち付ける音が淫らに響く。

腰が揺れる度に子宮が潰れ頭の奥で白い光が小さく弾け飛ぶ。形を変えるほどに無思慮に胸を揉まれればそれだけで感極まった声を上げ、だらしなく伸びた舌を絡め取られれば応えようと必死に彼の口に吸い付いた。


「ん゛ひぃいっ♥イグっ♥またぁ♥イッ、ひぃお゛お゛お゛っっ♥♥」

「ぐっ、凄い締め付け……気持ち良い……!」

「あぁっ♥もっと、もっと気持ち良くなってぇっ♥私の身体♥奥の奥まで使って♥朝一番の濃厚なのっ♥私に恵んでぇっっ♥♥」


アルクのおねだりにいよいよ我慢がきかなくなった立香が肉感のある尻を鷲摑みにして激しく腰を打ち付ける。雄に奥の奥まで満たされてケダモノに成り下がった彼女は恥も外聞もなく至福の悦楽を叫んでいた。


「これ、これ好きぃっ♥子宮♥突かれる度に幸せになるっ♥立香を愛せって子宮が命令してくるのっ♥好き、好きぃっ♥♥」

「アルクっ!俺も、好きだっ……!」

「ひうぅっ♥もっと突いて♥子宮に命令させてっ♥他の男なんて入り込めないくらい♥♥立香を愛してるって気持ちで満たして♥♥染め上げてぇぇえええええっっ♥♥♥」


互いに快楽の頂点へと駆け上っていく。周囲の事など気にする事も無く愛を叫び交わり合い、そして——


「くっ……もう、イクっ……!」

「来て♥ひっ——お゛お゛お゛お゛ぉぉぉおおおおおおおおおっっっ♥♥♥」


今日一番の叫びと快楽でアルクェイドは女の天国へと押し流された。子宮へと流れ込んでくる大量の熱が波打つ度に身体は震え、何度も意識を飛ばしそうになりながらも全身でその快楽を堪能する。


「は、ぁぁあ……朝一番の、ごちそうさま……♥」

「満足してくれた?」

「ぜーんぜん♥まだまだ足りないわ♥」


無邪気に甘えてくる彼女に苦笑しながら息を整えた二人は席を立つ。

このまま続けても良いのだが何の拍子にアルクの誤魔化しが効かなくなるかは分からない。続きをするなら家で、だ。


「帰ってからもたっぷり相手をして貰うんだから♥今日は後誰が居るの?」

「えーと、予定だと確か先輩とブラダマンテ……だったかな」

「ぐっちゃんとブラダマンテちゃんね。ふふん、相変わらず悪い旦那様だこと」


自分がこの幸福を知るきっかけになった二人を思いアルクェイドは笑う。仮初の生だからこその第二の愛を選んだ者同士としてきっと今日の時間は激しく——そして素敵なものになるだろうと。

愛する夫の腕に抱きつきながら至福の時間を想像し、共に帰路へと着くのだった。

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