📞🦐書きたいとこだけwip

きっと、本当は諭すべきなのだと思う。

社会の中で生きている以上、誰か1人としか関わらない事なんてできないし同じ相手とずっと一緒に居続けることも難しい、などと紋切り型の台詞で宥めてしまうのが正しい対応と分かってはいる、けれど。

この外聞もなくめそめそと取り縋ってくる男を安易に受け入れてもっとダメにする選択がこの上なく甘美なものに思えて、考えがまとまるより先に口が動き出していた。

「じゃあ、約束して下さい」

ああ、こんな子供じみたわがままでも、きっとこのヒトは僕に言われたならそうしてしまうのだろう。

「僕はこれからエピさんとだけ仲良くしますから」

僕のせいで独りになってまた僕に縋るエピさんの姿を想像して、背筋にぞわぞわとした感覚が走る。

「あなたも他のヒト、例えばキズナ先輩ともロゴさんとも、タクトやエフくんとも、仲良くしたり話したりしないで下さいね」

言葉を紡ぐにつれて視界が狭まって、エピさんが首肯するのがぼんやりと見えて……それから先はよく覚えていない。