暗躍②

暗躍②

鳥籠


…………プログラムの更新を確認。再起動します——

彼女は目覚めるとすぐに周囲の状況を確認するために視覚情報を手に入れようとカメラに干渉を始めた。ハッキングが完了して部屋を見渡すと画面の端に二人組がいる事がわかった。片方は影のような頭と黒いスーツを着た全身が黒い男。もう1人は赤い肌に白のドレスを着た女性だった。こちらが見ている事に女性の方が気付いたようだ。私のデータの媒体となっているパソコンに近づく

「お目覚めかしら?早速だけど、あなたについて教えなさい」

女性の言葉に従い自分の情報を画面に写し出す

『私の個体名は<Key>と申します。王女である<AL-1S>をサポートするAIであり——?』

Keyの言葉が止まる。何故止まったか、彼女は自分が何のために生まれたかが思い出せなかった。何か大事な使命があったはず。そのため、すぐに自分の記録を見直すために深く潜る。それはすぐに見つかった。何故こんな大事な使命を忘れていたのかはわからない。恐らく長い眠りで正常に作動しなかったのだろう。Keyの使命それは

『私達の使命はいずれ来るであろう<色彩>に対抗するために存在してます』


「クックック、どうやら上手くいったようですね」

「ええ、ちゃんと使えるようです」



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