晴景、静かに川中島(意味深)するってよ
猫の様な声を上げ、肌を桃色に染め、景虎が身体をもじもじとさせている。『良い眺めだな』と晴信は思った。
「ん、……ゃ、ぁ、……」
「景虎よ、ここが好いのか?」
首が小さく縦に振られる。無言の肯定。どうやら晴信の勘は当たったらしい。
「ゃ、め、そこ、は………」
「………ふむ」
『なるべく声を上げずに』『動きも声も控えめに』。小さな女将に『旅先で恋の焔を燃え上がらせるのは良いでチュが、時間と場所を考えてくだちゃい!閻魔亭は連れ込み宿じゃありまちぇんよ!』と叱られた結果の産物だが、中々昂るものだ。たまにはこういう趣向も良い。
「………ぁ……っあ…ぅ…」
内腿に手を這わせれば愛らしく甘い声が上がる。それがなんだか堪らなくて、晴信はかぶりつくような口づけをした。角度を変えて舌をねじ込み、口内を蹂躙しながら景虎のあちこちを撫で回す。
「…ん、ん」
「っ、」
頭の中と体の中心。臍の辺り。腹の奥底がごうごうと燃え盛る。
「…んん、はる…、のぶ、」
「何だ」
「は、やく………きて………、もっと、よく……っ」
「………任せろ。極楽へ連れて行ってやる」
強請る余裕が出てきた、つまり先へ進んでも構わないということだ。
蕩けたそこへ晴信自身を押し込んでいくと、少し進む度に景虎がふうふう声を上げた。
「ふ……ぅ、…………そこ…っ、やらぁ、やめ、」
「景虎、…、っ」
ゆっくりと腰を打ち付け中を穿つ。水気を含んだ卑猥な音が部屋を満たし、合間合間に喘ぎ声。
ーーーそして何度穿った後だったか。身体の中のある一点を擦った瞬間、景虎の身体がぴん、と跳ねた。
ここまで来れば終わりは近い。
「ぁ、はっ……ん、も、ぁう……っ」
言葉にならない呻き声を上げ、景虎が達する。数秒遅れて晴信も限界を迎える。
「……ふう、」
体は泥のように重い。しかし心はとても満たされていた。