晴景の魔力供給(健全ッ)
背中に景虎がぴったりくっついている。最低限の衣服だけ身に付けた異性が、背中に、ぴったりと。
「痛くないですか?」
「……ああ」
柔らかな身体。胴に回されたしなやかな腕。寝間着を隔てた景虎の温もり。『これが生殺しか』と晴信は思った。魔力供給だから疚しいことなんて一つも無い筈なのに、頭の中では理性と本能が殴り合いをおっ始めている。
────正直な話、肩と足の怪我さえなければ今すぐ事に及んでいただろう。
「んふふ、晴信は温かいですねえ」
晴信の気も知らずに景虎がぎゅっとしがみついてくる。心臓が一際大きく跳ねた。
「おい景虎……………治ったら覚えてろよ」
「何ですかいきなり」
「俺をこんなことにした責任、ちゃんと取ってもらうからな」
「……えっ?」