【晴晋】千里の道も一歩から
「病気がちな痩せっぽちの身体だ。頼むから失望しないでくれよ」
シャツに手をかけた晋作がぽつりと呟いた。
出会ってから1年。交際を始めてから約半年。そういった行為をするには至らなかったが、細さ薄さと体力の無さは知っている。
晴信が何か言う暇もなく晋作は服を脱ぎ、きちんと畳んでサイドテーブルの上に置いた。
「……どうだい?」
「正直に言っていいか?今すぐ抱きたい」
憐れんでしまうような骨と皮の身体ではない。薄いなりに肉は付いているし、腰のラインは晴信の好みど真ん中だ。
「本当、か」
ぱちぱちと数度目を瞬かせた後、晋作が目を細めて笑う。
「ベッドの上で嘘は付かないさ」
晴信は薄い身体を押し倒し、噛みつくようなキスをした。
「…ん、ん」
「っ、」
ぬるぬると舌が絡み合う。どうやら打てば響く性質らしい。これは教え甲斐のある身体だ、なんてどうしようもないことを考えながら、晴信は口内を蹂躙していった。