昭和の町青梅の看板建築に学生がDIY!

昭和の町青梅の看板建築に学生がDIY!

首都大学東京の建築学生

私たち首都大学東京建築学科の学生は、これまで青梅の看板建築の空き店舗に対して、DIYや地域住民向けのイベントをおこなってきました。そこで多くの人にこの活動を知ってもらうため、今までの活動をまとめてみました。


古い街並みの残る青梅

青梅は都心から遠いため開発の手が加えられず、今でも昭和30~40年竣工の看板建築が多く残り、古い街並みを作り出しています。しかし最近、看板建築が空き店舗になってしまうケースが増え、徐々にその姿が街から消えつつあります。 

私たちが2017年4月から関わっている看板建築「ヤマガタ」も、空き店舗です。閉店してはや5年、ずっとシャッターが閉まっていました。このまま誰も使う人が現れなければ、解体されてしまうかもしれません。そこで私たちは、空き店舗改修プロジェクトを始めました。

fig.1ヤマガタ外観

 ①片付け+最小限の改修

具体的には、まず2017年5月1日に片付けと最小限の改修を行いました。

青梅の看板建築の空き店舗を見て回っていると、どれも荷物がたくさんあり、内部は暗く見えてしまう場合が多いです。そのため、「ごちゃごちゃしている」という印象が強く残ってしまい、看板建築の魅力に気付けないと感じました。

そこで、簡単な片付けと少し手入れを加えることで、看板建築の空き店舗を見る人の意識が変わるのではないかと考えました。

実際、1日かけて「片付け+最小限の改修」をすると、内部はこんな感じに変わりました。荷物を片付けたのと、少し汚くなってしまっていた内部の壁を塗りました。

fig2.片付け前
fig3.片付け後
fig4.塗装後

片付けと最小限の改修で一番反応が良かったのがオーナーさんで、「じゃあ二日後の青梅大祭でここを使って何かやってみない?」という話になり、私たち学生でイベントを開くことになりました。

②使ってみせる

私達の目標は、埋もれてしまった看板建築の価値を捉え直し、地域の方々に「看板建築って意外と良いものだね」と認識してもらうことです。そのためには、片付けをするだけでなく、多くの人に実際に見てもらい、その価値を認めてもらう(あわよくば、使ってくれる人が現れる)必要があります。

そこで、私たちは実際に自分たちで使ってみせることにしました。これは青梅大祭の時にカフェとして開いた時の写真です。 

fig5.イベント開催時の外部の様子
fig6.イベント開催時の内部の様子

青梅大祭当日は、100名以上の方々に利用して頂きました。

地域に住んでいる方々が通りがかりに、「こんな風になったんだねえ」「新しく店始めるの~?」という声をかけてくれたり、「昔ここはお洒落な靴屋さんで、店主も街一番のお洒落でね」という昔を懐かしむ声など、たくさんのお話を聞くことができました。

この活動を通して、短期的にですが、ヤマガタを利用してくれる人も見つかりました。青梅で毎年写真展を開いている方で、是非その写真展の会場として3週間ほど使わせてくれないかとのことでした。

写真展の企画者からは、「前来た時は荷物が散乱していて目に留まらなかったけれど、今回実際綺麗になって使われている様子を見て、写真展をするイメージが湧いたんだよ。」と仰っていただけました。実際に10月には青梅フォトカジェーという写真展がヤマガタでも行われました。

またオーナーさんからも「自分で音楽喫茶を始めてみようかな」などの声が聞けました。このイベントを機に、ヤマガタの電気も開通して下さるなどの変化も見られました。

たった1日ですが地域に対して開いたことで、思わぬ効果がみられました。

 ③活動の場所を広げる

私たちは、青梅大祭以降も定期的にイベントを行ってきましたが、やはり一つの店舗だけでは集客等に限界がありました。

そこで、1軒だけではなく、3軒の看板建築を用いることで、「青梅の看板建築を巡る展」を開催することにしました。3つの看板建築でそれぞれ看板建築の展示を行い、それを歩いて巡る中で、青梅の街並みにある看板建築も見て回ろうという企画です。

fig7.イベントチラシ

「ヤマガタ」以外の看板建築は、ヤマガタオーナーが運営する服屋さんの駐車場をお借りするのと、新しい空き店舗「元弁当屋」を用います。

fig8.元弁当屋外観

元弁当屋に対しては、ヤマガタのときと同様に、まず「①片付け+簡単な改修」を行い、「②使ってみせる」(今回のイベント)ことを行っていきます。

写真はちょうど先日、オーナーさんと一緒に片付けをした様子です。荷物が片付いただけで、中が広く見え、オーナーさんも少しビックリされていました。面白かったのは、50-60年前のタンスやドレッサー、装飾品などたくさんの掘り出し物が出てきたことです。

fig9.片付け前
fig10.片付け後
fig11-13.古い装飾、ドレッサー、タンス

今後も12月17日(日)の「青梅看板建築を巡る展」に向けて準備をしてまいります。看板建築の展示だけでなく、参加型のものつくりワークショップ(大人も子供も参加可能)や、美味しいコーヒーの販売なども行うので、是非当日は足をお運びください!!