映画見よーぜ!
東京都立呪術高等専門学校には一年生が4人いる。
1人は御三家である禪院家の血筋を受け継ぐ若き天才、伏黒恵
もう1人は呪術師の家系で、強力な術式を持つ鉄骨娘、釘崎野薔薇
本当は入学する予定だったのはこの2人だったが急遽もう2人増えることになった。
その2人というのが随分特殊な事情で入学する運びとなった。
1人は化け物並みの身体能力を持ち、千年現れなかった逸材である『宿儺の器』虎杖悠仁。
そして虎杖が知り合った少年、吉野順平。
彼は学校でいじめの標的にされており、学校には行っていなかった。そんな矢先に出会ったのが特級呪霊の真人。
真人はうまく言葉を使って順平に近付き、距離を縮めた。そしてわざと順平の母親の元に宿儺の指を置き、呪霊による他殺を図った。
真人の計画通りに死んだ母親を見た順平は犯人をいじめっ子と決めつけ、復讐を図るも虎杖によって止められた。
順平は真人に殺されかけたがそれも虎杖が何とか止め、順平は誘いによって高専へ入学することにした。
呪詛師の順平が高専に入学することに上層部は異議申し立てたが五条が権力でねじ伏せ黙らせた。
なんせ順平はかなりの才能の持ち主だった。順平の式神は毒を分泌できる上に盾にもなる。これからもっと色んなことを覚えれば伏黒と同等かそれ以上の実力持ちになると考えられる。
そんな順平と虎杖は大の映画好きだった。
虎杖の方は修行によって映画三昧の日々を送っていたが順平は映画同好会に入っていたほどの映画好きで、2人はそれきっかけで仲良くなった。
高専に入った後もそれは変わらず、2人は任務の合間や休みの日に映画を見に行っていた。
同級生である釘崎と伏黒は特に映画には興味ないため2人は振り回される形で付き合わされていた。
そんな休日のある日、4人で出掛けると…
虎杖「じゅんぺー!この前見た映画リバイバル上映されてんじゃん!!」
順平「え、本当!?ほんとだ……見に行く!?この映画とんでもないクソ映画で有名なんだよ!キャストはいいし、演技もよかったんだけどストーリー展開がクソだったってね」
虎杖「なー口コミとかも見てみたけどさ、酷評の嵐だったよな。俺は……微妙だけど。ストーリー以外はよかった」
順平「そう?僕はあれ逆に面白くて好きだったな。でも何回も見れるかって言われたら見れないかな」
虎杖「わかる!一回か2回で十分だよな」
順平「本当にね。でもせっかくのリバイバル上映だし見ようかなぁ。虎杖くんはどうする?」
虎杖「俺も見ようかな!」
釘崎「ちょっと2人とも。何見てんのよ」
虎杖「釘崎!実はさぁこの前見た映画がリバイバル上映がやってるから見ないかって話てて。釘崎もどう?」
釘崎「はぁ?いやよ。私分かんないやつだし」
虎杖「そんなこと言わずにさ!せっかくみんな休みなんだし映画見ようぜ!」
順平「あ…伏黒くん!」
釘崎と虎杖の2人でやいやいと話しているところに伏黒がやってくる。それに気付いたのは順平だった。
伏黒「何やってんだお前ら」
順平「前に虎杖くんと見た映画のリバイバル上映がやってるから見ないかって話してて。伏黒くんもどう?」
伏黒「映画か…ミミズ人間じゃないなら別にいいぞ」
虎杖「マジで!?じゃあみんなで見よーぜ!順平ポップコーン食う?」
順平「僕はいいかな」
釘崎「ちょっとぉ!!見る前提で話進めんじゃないわよ!!私映画より服見たいんだけど!!」
伏黒「映画の後でもいいだろ」
釘崎「はーっ!?たくもー…じゃあアンタら荷物係よろしくね。映画付き合ってあげるんだからそれくらいしてよね」
虎杖「え、いつも俺らが持ってね?」
釘崎「なんか言った?」
虎杖「ナンデモナイデス」
順平「じゃあ行こうか。ちょうど後15分くらいで始まっちゃうし」
虎杖「そーだな!伏黒と釘崎はポップコーン食うか?」
釘崎「私食べようかしら。キャラメル食べたいわ」
伏黒「俺は何でもいい」
虎杖「おっけー!じゃあキャラメル買ってくんね」
順平「あっ、僕も行くよ!ドリンク買うでしょ」
虎杖「おっ、サンキュー!じゃあ買ってくるわ」
釘崎「いってらっしゃい。レディ待たせてんだから早くしなさいよね」
虎杖「りょーかい」
そう言って4人は映画を見たが内容が内容だったために地獄の空気になったのは言うまでもない。
そして男3人は釘崎にしっかりと荷物を持たせられた。