⚫️日目
鳥飼天竜人ついにD.Dとの面会日がやってきた。
D.Dは私を見るなり目を細め、睨みつけるような素振りをみせたが、悪態をつく元気は無いのか何も言わなかった。
私は目視で身体の状態を確認する。
四肢の欠損や身体機能の異常は見られない。ひとまずほっとする。最悪の事態は避けられたようだ。
服で隠れているが、至る所に火傷や怪我があった。
乱雑に巻かれた包帯には血が滲んでいる。
垂れた目元は酷い隈で縁取られている。
可哀想に、きっと眠れていないのだ。
怪我は大丈夫か。
私はゆっくりと語りかけた。が、返事は無い。ただただ黙って私を睨むだけだ。
見張り役の手前、私も余り下手なことは出来ない。
本当は今すぐ抱きしめてその背中を撫でたかった。私にこの足枷がなければ、どこへだって飛んで行けるのに。
途中、看守の1人が面白がってライターの火をちらつかせると、D.Dは汗を流したまま動かなくなってしまった。
PTSD。嫌な言葉とともに拷問の映像が蘇る。
早く何とかしなければ、D.Dの心が壊れてしまう。
その日は話す事も儘ならないまま、面会は終了してしまった。