⁇日目
鳥飼天竜人D.Dは確かに私の所有物であった。
しかし、D.Dの美しい躰に印を刻もうなどとは一ミリも脳裏によぎらなかった。
傷をつけるのも惜しいくらいに、私はD.Dを愛していたのだから。
私は檻越しに、D.Dに会わせろと懇願した。聞き入れられる事は無し。
食事後、父上が姿を見せる。
さぞや私のことが憎いだろう、きっと恨み言を吐きにきたに違いない。
しかし、父は私を見て哀しそうな顔をするばかりだった。私はようやく、自分の行いを後悔し始めた。D.Dだけでは無い、私の浅はかな行為で家族が悲しんでいるのだ。
父上は、ドンキホーテ・ドフラミンゴに呪われた哀れな息子だと口走る。
MC01746に呪われた男が何を言うのかと思ったが、私の口からは乾いた笑い声しか出なかった。私たちはドンキホーテの血に魅入られてしまったのだから。
次の食事が終わった頃、男達がニヤニヤしながら私に写真を投げつけた。
D.Dの写真だった。
均一に筋肉のついた背中に、大きな焼き印が押されている。
私は美しさを損なうとして憤慨した。
彼等は狂人を見るような目で私を見た。
可笑しいのは私ではない。 D.Dを痛めつける世界が悪いのだ。