新時代を眺める紫色の魔女。
小説を書いたあにまん民![](/file/6f96ccb3ec2fd73ca7f7a.jpg)
「・・・来たか」
最果ての島より帰還するロジャー海賊団一行を見て全身紫一色の魔女──光月ナズナがそう声を上げる。
何故彼女がこの島に居るのかと言うと、最果ての島にロジャー海賊団一行が向かう 前に見習いのバギーが熱を出してしまったのだ。
バギーと同じ見習いであるジャンクスが留守番を買って出た。
その場にナズナが偶然通り掛かったのを理由にロジャーから二人の子守を任され、この場に居ると言う訳である。
・・・ナズナ自身は最果ての島──かのジョイボーイが残したであろう財宝等には興味は無い。
その財宝を守っていると言われる祖龍と呼ばれし龍も、“歴史の本文”に書かれていた歴史も彼女にはどうでも良い事でしか無い。
────しかし、
『おれの夢の果ては─────だ!凄いだろう、ナズナ!』
それを面白そうに思い出し、ナズナは思わず笑ってしまう。
「本当にガキの絵空事の様で面白い夢じゃったな、あれは」
ゴール・D・ロジャーが自らの夢の果てを語った時に、彼が子供ぽく笑ったのを思い出し微笑ましくなった。
「何を笑ってるんだナズナさん?」
急に笑ったナズナを見て不思議に思い、シャンクスが近づいて来た。
そんな彼にロジャー達の気配が近付いて来ている事を教えて見れば、嬉しそうに直ぐにバギーの元へ向かった。
「相変わらず仲が良いのぉ・・・良い事じゃ」
その後帰って来たロジャーに自分達は早過ぎてしまったと伝えられ、ナズナはその場を後にした。
・・・それから二十数年の月日が流れ。
魔の三角地帯にてロジャーと同じく麦わら帽子が似合う男、モンキー・D・ルフィーがシャボンディ諸島にて一味と再集合すると昔ながらの友である世界の歌姫ウタとソウルキングブルックに教えて貰ったナズナ。
そして彼等二人がシャボンディ諸島にてラストライブを行うと言うので、友の旅路を見送ろうとシャボンディ諸島に降り立ったナズナ。
しかし、金獅子のシキの策略に嵌ってしまい賞金首となってしまった。
あれよあれよと海軍の追ってから逃げ延びるついでにサウザンドサニー号に勝手に乗り込み、そのまま出航してしまった麦わらの一味。
魔の三角地帯から2年間で他の一味とも顔馴染みになったお陰で受け入れられたナズナはそのまま旅へ同行する。
「所で坊主、お前さんの夢は何だ?」
そう徐ろに聞いてきたナズナに対し、屈託の無い笑顔で自らの夢の果てを告げるルフィ。
都合が良いのか悪いのかその場にはナズナ以外にウタしか居らず二人以外には聞こえて無い様で、二人はルフィの夢の果ての話題で巫山戯合う。
ナズナはロジャーと同じ夢の果てをルフィが告げたのに驚き、面白そうに愉快に、静かに笑う。
巫山戯合う二人を眺めながら、これから訪れるであろう新たなる時代に思いを馳せるナズナであった。