新婚旅行“東の海”壱

新婚旅行“東の海”壱

ここだけゾロがルナーリア族Part2の145

※閲覧注意

※【ここだけゾロがルナーリア族】のスレより

※ゾローリアの更にIFネタ

※ファンタジスタした幼少ゾロがキングに拾われ百獣海賊団所属√

※幼少ゾロはくいなと約束する前

※くいな生存

※麦わらの一味がゾロの配下√

※CPはゾロ×日和、ウソップ×カヤ

※IFネタの派生⇒麦わら配下√(百獣√分岐)

※〝月〟を冠するワノ国大名家の先祖がルナーリア族

※キャラエミュが微妙

※文才なしの駄文

※捏造設定あり

※それでも良い方のみ、お読み下さい














「帰省はあれだけで良かったのか…?」

既に小さくなっているルフィの故郷であるフーシャ村をチラリと見てから、普段と同じ草履に、普段と違う装い…黒のハイネックとズボンに赤いオーバーサイズのパーカーを着たルフィに問い掛ける。

一日しか滞在しなかったのは少し想定外だったし、寧ろ…もう三日や四日は泊まっても構わなかったんだが。

ルフィの性格からして無いだろうが…“おれの”だからって遠慮してんじゃ無いよな?

「そうよ。もう少し居ても良かったのよ?」

東の海で目立たない様にもあるが動きやすい様に、白のロングブーツに、白いブラウスと濃い桃色のロングスカート、淡い桜色の丈の長いカーディガンを身に着けた日和が、おれの言葉に続く様にルフィへと言う。

「おぅ!!そもそもは2人の新婚旅行だろ?おれは“たてまえ”として“護衛”だし」

まぁ、表向きはおれと日和の“新婚旅行”の“護衛”なのは、そうなんだけど。

見聞色の覇気の修行にもなるからと、左目下の傷跡も隠すついでに包帯で両目を隠しているルフィは、何ら気にしてなさそうな笑顔を浮かべていて。

「…本来、護衛はいらねぇけどな。この船の上じゃ、おれが一番強いし」

護衛じゃ無くて、皆で楽しめば良いと思うんだがなぁ…おれが守れば良いだけだし。

「ふふ…“護衛”は、あなたを休ませる意味合いもあるもの。ね、傳ジロー、河松」

微笑みながら日和が傳ジローと河松に同意を求めれば、2人は頷いて。

「えぇ、そうです。ゾロ様は働き過ぎですので」

「カッパッパ!!働き者でござるからな」

今更だが、おれや日和それとルフィには目立つからと着物では無く洋装をすすめてきたのに…自分達は普段と変わらない格好なのは、どういう事なんだろうな?

半ば呆れながらも2人を見てれば、2人して口を開いて。

「それに、ゾロ様と日和様の“護衛”を出来る事は“誉”。着いて来れなかったアシュラ童子とヒョウ五郎殿には悪いと思いますが…」

「そう言ってる傳ジローは、“護衛”を選ぶ“手合わせ”で問答無用で勝ち残っていたでござるが…」

「ははは!それは、河松もであろう」

おれと日和の“護衛”が“誉”…侍だから、そうなんだろうけど。

いや、待て。

“手合わせ”で“護衛”を決めたのか?

「………あぁ、だから沈んでたのか、あいつ等」

悔しそうに気分が沈んでいたアシュラ童子とヒョウ五郎…他の、鈴後の男衆を思い出す。

ちぃとばかし可哀想な事をしたかな…最低でも“赤鞘”の1人はワノ国に残すと伝えていたのは、おれだし。

それでも“話し合い”しろよ、何で“手合わせ”なんだよ。

「ところで…呼び名としては、“ルーシー”殿で良かったのだろうか?」

「この旅行中は“ルーシー”だぞ。ワィ…ん゙ん。ゾロはゾロで良いんだよな?」

少し考え込んでいたら話が進んでいた様で、ルフィに問われ…頷く。

「おう。まぁ、2人して“もう1つの名前”は手配書出てるしな。だから、こうして“変装”してる訳だしな…いや、おれの場合は変装って言うのか…?」

いつもと同じく黒尽くめではあるが、オーバーサイズのシャツと、ゆったりとしたズボンにフラットシューズ…着流しや浴衣とは違うので違和感があるし。

変装だと言ったが、普通に“本名”名乗ってる現状に僅かながら疑問が出た。

まぁ、“戦災”だとはバレないなら良いし…クイーンが善意で渡してくれた小型化と軽量化した“光学迷彩”の機械を仕込んだペンダントによって“黒翼のみ見えなくなっている”のは面白い。

詳しい仕組みは説明されても理解出来なかったが、おれの出せる炎で動くらしい…一日に一回は炎を充填しないといけないのは、少し面倒だが。

後は…“消えている”のでは無く“見えなくなっている”だけだから、周りにぶつけない様にしないと。

「うふふ…あなたも、ルーシーも似合ってるわよ。それに私もこの服、気に入ったもの」

日和がそう言うなら、別に良いんだけど…似合ってるし。

「“若殿”ー!!なんか、桃色の海賊船が喧嘩売って来てるんですけどー!!」

「ぁ、馬鹿!!“若殿”は休暇中だぞ!?報告は、“赤鞘”の方々か“ルーシー”殿にだろ!!」

今回の航海に着いて来ている“おれの侍”達が報告を上げてくる…が、そこまで徹底しなくても良いぞ?

そう思いつつ、報告を聞いてからソワソワしているルフィに視線を向ける。

「…おれは、気にしてねぇよ。ルーシー、行って来て良いぞ」

「おぅ、行って来る!!」

おれの許可が出たからか、ルフィは意気揚々と敵船に向かう。

包帯着けてても普通に見えてる様に動けるし…見聞色の覇気の修行とか関係無く、傷跡を隠すのは化粧でも良かったか。

「……ルーシー殿1人だけでも過剰殺傷気味では…?」

「…まぁ、軽い運動程度にはなるだろ。多分」

敵船へと飛び移ったルフィを見ながら呟く傳ジローの言葉に、確かにと思ってしまった。

「…しかし、良かったので?」

「ん?…あぁ、旗か。カイドウさんが新婚旅行なんだから、百獣の旗は使うなって言うから…だからって、“光月家の家紋”も“霜月家の家紋”も“そのまま”じゃ使えねぇだろ」

傳ジローと隣にいる河松へと答えながら、やっぱりカイドウさんはおれに甘いよな…と思う。

百獣の旗を使えば新婚旅行どころじゃ無くなるだろうと、そんな心遣い。

新婚旅行の為だけに、百獣海賊団直属の染物職人に旗を作製させたらしいし。

「成程…だから、“一刀”と“番の鳥”」

“交差する刀”を“一刀”に、“一羽の鳥”を“番の鳥”にして…一つにした“新しい紋”が染められた旗を見上げる2人。

……旗のデザイン考えたのキングだって言ったら、驚くかな…傳ジローと河松。






襲おうとした観光船の様な船から逆に乗り込んで来た僕と年齢が近い少年が、次々と海賊達を倒していった。

僕は隅で震えているしかなくて、少年は…ルーシーと名乗った彼は包帯で目を隠していたのに僕の様子に気付いたみたいで、僕の話を聞いてくれた。

ルーシーさんにぶっ飛ばされたアルビダ様…いえ、アルビダの船から、僕を小脇に抱えたままルーシーさんは観光船の様な船に戻る……戻る時に蹴り技で船が真っ二つになって沈んでいったのは、見なかった事にしよう。

「…たっだいまー!!」

「…何持って帰って来たんだ?」

元気に挨拶するルーシーさんに近付いて来た、長い緑色の髪をそのままにしている…少し年上の青年は、眉を顰めながら鋭い銀色の目で僕を見ていて…ゾワリと鳥肌が立った。

「なんか、間違って海賊船に乗っちゃって下っ端させられてたとか言うから…どうしたら良いかなって」

「……なんだそりゃ」

ルーシーさんが説明し始めてくれて、青年の視線が外れた事でほっとした…それでも、当たり前だけど周りの人達は僕の事を警戒している。

「…えっと、ルーシーさん…此方の方々は?」

「んー?んー…」

恐る恐るルーシーさんに問い掛けると、首を傾げながら悩み始めて…何か悪い事を聞いてしまったかと思った。

「はぁ…おれは、ゾロ。ルーシーの上司みたいなもんだ…この船はおれの船で、おれの妻とおれの部下達だ。それで、あんたは?」

溜息を吐いた青年は名前を名乗り、船に居た綺麗な女性と屈強な男の人達を軽く紹介してくれた。

「あ、僕はコビーといいます!!ルーシーさんには助けて貰ました、ありがとうございます!!」

「それで?」

観察する様な視線に息を呑みつつ、答える為に口を開く。

「その……────────



────────なんです」

ルーシーさんに話した事をゾロさんにも話す。

「………」

「あの…?」

僅かに目を見開きながら僕を凝視するゾロさんに何かやらかしちゃったかと心配になる。

しかし…。

「は、はははっ!!マジかよ!!…いや、災難だな。まぁ…ルーシーが警戒してないし、近くの海軍支部には送ってやるよ」

凄く楽しそうに笑い声を上げ、僕を近くの海軍基地に送ってくれるとまで言ってくれたゾロさん。

「ぁ、ありがとうございます!!」

「良かったな、コビー」

「はい!!」

僕がゾロさんへとお礼を言うと、ルーシーさんは明るい笑顔を向けてくれて。

僕も嬉しくなって、笑顔で頷いていた。
















「…宜しいので?」

「…“敵意”も“悪意”も無いから、取り敢えずは良い。“嘘”を言ってる訳でもねぇし、寧ろ“真実”しか言ってないしな」

「……珍しい若者ですね。だから、先程は笑っていたので?」

「まぁ、な。それでも…海兵になるなら、最終的には敵だ」

「…警戒は解かぬように致します」

「……悪いな、頼む」


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