教えて!アリスせんせー!第六回

教えて!アリスせんせー!第六回


コユキ「……えっと」

アリス「パンパカパーン!お疲れ様です、先生!無事にエンディングに到達しましたね!」

コユキ「えっ、エンディング…なんですか?」

アリス「そうです!エンディングです!ほら、エンディングですよ!泣いてください!」

コユキ「えっ、本当にこれがエンディングですか!?まだ何もわかってないですよ!?」

アリス「はい!全てがうやむやなまま、ラスボスのホシノを倒して、ヒナやハナコを始めとした上層部の人達が『そうなって』しまいましたし、なんでしたら一部の生徒が失踪してしまい、砂漠に笑い声のような砂嵐が聞こえていますが、エンディングです!」

コユキ「明らかにダメなエンディングじゃないですかー!?」

アリス「コユキ!」ベシィ

コユキ「あイタッ!?なんでビンタしたの!?」

アリス「コユキ、大事なことを言います。よく聞いてください」

コユキ「大事なこと…」

アリス「エンディングに貴賎はありません」

コユキ「!」

アリス「そもそもエンディングが終わった後でも、その世界は続きます。エンディングはただ続いていく世界のワンシーンを切り取っただけのものです。」

コユキ「…」

アリス「グッドエンドやバッドエンドというものも実は曖昧な物です。世界が幸せでも、当人が満足していないならバッドエンドかもしれません。逆に当人が幸せなら、世界が滅んでもグッドエンドなのかもしれません」

コユキ「なるほど…」

アリス「要するに切り取る場所次第なんです!ですのでコユキ!」

コユキ「は、はい!」

アリス「一概にダメなエンディングと決めつけてはいけません。描写されていないだけで、ダメを何とかする可能性だってあるんですよ」

コユキ「…アリスせんせー…」

アリス「まぁ…」

コユキ「?」

アリス[ダメなエンディングなんですけどね!」

コユキ「台無しだー!?やっぱダメじゃないですかー!?]

アリス「その通りです!ダメダメなエンディングです!ではコユキ!どうしてこうなってしまったかわかりますか?」

コユキ「えっ、えっと…」

アリス「その通りですコユキ!」

コユキ「まだ何も言ってないですよ!?」

アリス「先生は戦力を整えて、味方の生徒を誰も死なせることなく、ここまで来ました!その努力はすごいものです!」

コユキ「ダメだ…猪突猛進モードになってる…」

アリス「ですがそれだけです!先生は大事なことを忘れています!」

コユキ「それは…一体…」

アリス「ズバリ、生徒とのコミュニケーション!これにつきます!」

コユキ「えっ!?味方のみんなとは親交を深めてましたよ!」

アリス「では敵の生徒の皆さんの事を知ろうとしましたか?」

コユキ「…あっ」

アリス「敵と決めつけて、相手の事を知ろうとせず倒す。それでは何もわからないのは当然です!推理ゲームでホワイダニットを放棄したようなものです!先生なら敵の生徒も知る気概を見せてください!魔王にだって事情はありますよ!」

コユキ「……流石せんせーです」

アリス「えへん!以上『教えて!アリスせんせー!』のコーナーでした!」


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