孤独な政府の犬ウタfree me from the cage

孤独な政府の犬ウタfree me from the cage


〜レッドフォース号船上〜


その歌姫は突然現れた。

「久しぶり、シャンクス。」

古傷だらけの娘を見てシャンクスが答える。

「···ウタ。」

「あれ?道具の名前覚えててくれたんだ?」

そして言う。

「···12年前に捨てたのに。」


そこに異常に気づいた全員が甲板に出てきた。

「久しぶりみんな。···あんた誰?」

ロックスターに目を付けて言う。

「俺は新入りの···うわっ!?」

話を強引に打ち切ってウタは言う。

「私の知らない奴は、赤髪海賊団には······要らない。」

音符で簡単に海へ弾き飛ばす。


あまりにも目に余る行いにシャンクスが強い語句で言う。

「ウタ!!!」

その言葉にウタは首を傾げる。

「あれ〜?捨てたのに一丁前に説教するんだ。」

「っ!!!」

その言葉を聞いてシャンクスは悲しそうな顔をする。


その様子を見たウタは苛立ちと悲しさを覚える。

「今は七武海···。政府の犬をやってるよ。生物扱いなだけマシかもね?」

押し黙るシャンクスに怒鳴る。

「私はアンタを、赤髪のシャンクスを実の父親のように思ってた!!!」

下を向いて言う。

「昔のようにこんな事をしている私を怒ってよ···。」

「······ウt」

シャンクスが答えようとすると、


「ゴホッゴホッ!」ゴクッ

咳を止めるために薬を飲む。

「くっ、がはっ!···ごほっ!」

「ウタ!!!」

シャンクスが手を伸ばしたがウタは押し飛ばす。

「駄目っ!!!······捨てられたとしても私からしたら、今でも大切な、、、家族だから、、、。」

痛みに耐えかねてウタが叫ぶ。

「うっ、っ、、、あぁぁぁぁぁぁっ!!!」


時間が経つとウタの痙攣が収まった。

シャンクスが心配そうに聞く。

「おい···大丈夫か?」


ゆっくりとウタが顔を上げ呟く。

「···海賊は敵、···海賊は敵。」

シャンクスがウタに近づく。

「···ウタ?」


「海賊なんて大っきらいだ!!!」

その言葉と共に衝撃波が放たれる。

「くっ!」

シャンクスは後ろに跳び、体勢を立て直す。

ゆらりとウタは腕を上げる。

「お願い。もう一人の私。」


すると、空からウタの幼少期に似た娘が飛んできた。

「褐色の肌に白髪···まさか!?」

その正体に気づいたシャンクスが驚愕する。


「分身(Avatar)」


その言葉によって、セラフィムが分身し、シャンクス達を取り囲む。

「おいウタ!そいつは···!!!」


しかし、ウタは耳を貸さない。

「反響(howling)」


耳をつんざくような高音によって、

シャンクス達は耳を塞ぐことをやむ無くされた。


耳を塞ぎながらシャンクスは懇願する

「頼むウタ!話を聞いてくれ!!!」

しかし、その説得はウタの心には届かない。

「海賊を全員私の手で捕まえて、大海賊時代を終わらせる···!!!」

楽譜を出現させてシャンクス達を捕らえる。


捕らえたシャンクス達に向かって満面の笑みで言う。

「私は捨てられた道具のウタ、みんなが自由になれる新時代を作る女だよ。」

「ちが···」

シャンクスが否定しようとする。

「何が違うの?あ、そういえば残ってる四皇はあとルフィだけだよ。」

ついでのようにウタは言う。

頬杖をつきウタが語りかける。

「さっすがルフィだよね〜。四皇になるなんて。まぁ、当たり前だけど!!!」

シャンクスの左腕を指す。

「それってルフィを守る為に失ったんでしょ?」

シャンクスに近づいていく。

「マキノさんから聞いたよ。フーシャ村のみんなは変わって無かったな~。」

顔を近づけて囁く。

「子供は私なんかより、ルフィの方が良かったんだよね?」

顔を伏せたシャンクスに言う。

「ごめんね、娘が私なんかで。」

音符に乗って去るときに言い残す。

「バイバイ、シャンクス。」


去りながらシャンクスにだけ聞こえるように言った。

「···助けて。」


離れていくウタにシャンクスは叫ぶ。

「お前は道具じゃない!俺の俺達の娘だ!!!」


〜海軍本部〜

ウタは元帥室に居た。

「ほぉ、結局赤髪を捕まえられなかったと。」

「···申し訳ありません。」

「おかしいのぅ?海兵からの報告だと拘束を解いたとあるが?」

「その、体力が切れてしまって。」

その言葉に赤犬は首を傾げる。

「その為の薬じゃないのか?」

「まあ良い」と切り出し言った。

「黒ひげを捕まえ、千両道化を海に落とし、殺した功労により、今回だけは赦したる。」

ウタは頭を下げる。

「ありがとうございます」

「しかし、次、失敗したら"あのこと"を世間にばらすけぇのぅ。」

ウタは首を振り拒否した。

「そ、それだけは···!!!」

「世界の歌姫が実は大量殺人鬼だったと知った一般人の反応が楽しみじゃ」

「···っ!!!」

赤犬が言う。

「下がれ。期待しとるけぇのう···。」

ウタは元帥室から退出した。

「···失礼しました。」


帰宅途中藤虎とすれ違った。

「おや、これはウタさんですかい?」

ウタが答える。

「あ、はい。ただいま戻りました。」

「あまり、無理をなさらぬよう。」

そう言って藤虎は去って行った。


ウタは自室に戻って配信を開始した。

「みんなー!こんばんはウタだよ!!!」

「えっ、疲れてる?···そんな事ないよ!」

「困ったら助けを求めるっていうの参考にしてみたよ!!!」

「それじゃあ最初の歌は『新時代』!」

「♪♫〜♪〜♫」

「じゃあ、今日の配信はおわり!みんなまたね!!!」


配信を切り、ウタは寝そべった。

(ちゃんと言えてたかな?)

(まぁ良いや、あんな事をしておいて助けてくれる訳ないし。)

(どうせ私は、捨てられた道具だし。)

(でも、娘だって···。)


「ゴホッゴホッ!あ、薬···、」

薬を取るために立ち上がるが···

「あれ?無くなってる···。」

扉に手をかける。

「貰いに行かなくちゃ···。」


「ハァハァ···キツイ···。薬が、薬が欲しい···。」

研究所の扉を開ける。

「失礼します。」

「おやおや〜、これはセイレーンではないか。何の御用かな〜?」

(知ってるくせに···。)

そう思ったが口にしなかった。

「薬を貰いに来ました。薬をください···!」

「交換条件は知ってるよね?」

男はちらりと見る。

背に腹は代えられず、承諾する。

「分かってます。」

その言葉に男は目を輝かせる。

「OK!OK〜!ほらよ!!!」

薬を投げ、ウタに渡す。

「ありがとうございます···。」

薬を飲むと、座っていた椅子に拘束される。

「じゃあ実験始めるよ〜!!!」

その男の言葉により、電流が流れる。

「あ゛ぁぁあ゛ぁ゛ああ!!!」

激痛に悲鳴を上げるが、男は気にも止めない。

「本当に悪魔の実って興味深いよね。まさか一人で実験出来るなんて夢みたいだよね〜。」

「元帥も酷いよね〜。薬物漬けの女の子を酷使するなんて。あ~、知らないんだっけあの人。」

「というか、なんで拒否しないの?薬は実験に手伝ってくれるのだったら、隠れていくらでも渡すのに。」

「いっそ殺しちゃえば?今の強さだったら勝てるでしょ?能力も無理矢理覚醒させたし。」


「あ、終わった。結果はどれどれ〜?お、ちゃんと数値が達してる。」

その言葉にウタは聞く。

「何の数値ですか···?」

男が嬉しそうに答える。

「トットムジカを消滅させるのに必要な能力値だよ。」

「え?···今なんて?」

ウタは聞きなおす。

「だ~か~ら~!トットムジカがトラウマなんだろ?」

「研究対象としては気になるけど、仮説は立ってるし、何よりアンタの願いだろ?」

ウタはたじろぐ。

「なんで知って···!?」

男は頭を掻く。

「だって、深層心理が『トットムジカが憎い。ルフィとシャンクスに会いたい』だったし。」

「実際、私が悪いとか思ってたんだろ?大丈夫だ。悪いのはトットムジカだ、研究者の俺が断言してやる。」

ウタは涙ぐむ。

「なんで私なんかのために···。」

「いや、まあ···、正義の海軍の研究者だし···。」

ウタが疑問を聞く。

「じゃあ、なんで実験したり、薬漬けにしたの?」

男が驚いた。

「薬はこれしか治療法ないし···、もちろん命の心配は無いよ。実験は、え、えっとその〜、はい。凄くハイになっておりました。」

その答えにウタはニヤリと笑う。

「へぇ~っ『ハイ』ね〜?」

拳を振り上げる。

「その実験くっそ痛いんだよ!

ウタウタのクソボケがー!!!」

「へぶしっ!!!」

アッパーが直撃し、男が飛んでいく。


「死病を治してくれたりアドバイスしてくれてありがとう。」

「ん?あぁ。」

「でも、実験は痛かったから許さない!!!」

「いやいや、そもそも最初に薬を渡したときに『割に合わないから恩返しさせて』って言ったのアンタだろ!?」

「そうだっけ?」

「そうだよ!!!まぁ、薬も新しいの完成しそうだけどさ!!!」




〜ワノ国〜

「あ、俺様なんでこんなところに?」


その時覇気が飛ぶ。

「そんなに恐いか?『新時代』が!!!」


「あ~、これシャンクスだな。相変わらず、すげぇ覇気だなあいつ。すっごい癪だが乗せてもらうか。」


〜レッドフォース号〜

「お頭、本当にルフィに会わなくて良いのか?」

「あぁ、約束だからな。」

ルウは疑問を聞く。

「じゃあ、なんでワノ国でずっと見張ってるんだ?」

「ウタが助けを求めて来たからだ。」

その言葉により、古参幹部が全員集まる。

「お頭、今なんて?」

「少し詳しく聞かせろ。」

「なんで隠してたんだ?」


ロックスターが独り言を言う。

「妙にみんなの態度がおかしいと思ったら、娘だったんすがね?」

モンスターが肩をポンと叩き肯定する

「じゃあ、俺はお嬢に海に落とされたってことなるんすがね?」

モンスターが頭をポンと叩き慰める。

「慰めてくれて嬉しいんすがね···。」


そこにバギーが現れる。

「お~い、赤髪〜!!!」

「は?バギーなんでこんな所に···?」

首だけ飛ばしてバギーが言う。

「んなもん知らねぇよ!?どちらかというと俺が聞きてぇよ!?」










(ちゃんと話聞いてくれるかな?)

ゆっくりと船に近づく。

それに最初に気づいたのは、バギーだった。

「おい!お前がアイツの娘だろ!?ずっとお前の自慢話ばっかりして、しつけぇんだ!どうにかしてくれ!!!」

首だけ近づいて文句を言う。

「え、自慢···話···?」

「あぁそうだよ!!!大きくなったとか、歌が上手くなったとか!とにかく煩いんだよ!!!」

「そ、んな、私は···」

そこにシャンクスが出てくる。

「···ウタ。」

「シャン···クス····。」

シャンクスがウタを抱き締める。

「すまなかった···すまなかった···。置いていかれて寂しかっただろ···。」

ウタは首を振る。

「もう寂しくないよ。シャンクスの腕の中に居るから。ごめんね、庇われた事に気づかなくて。」

シャンクスは目を見開いた。

「まさか、知って···。」

ウタは首を縦に振り肯定する。

「偶然電伝虫を拾ってね···。」

ウタはシャンクスに頭を下げる。

「どうか、どうかトットムジカを消滅させるのに手伝ってください!!!」

「ゴードンさんが燃やそうとしたけど、復活して、消滅させる方法をやっと見つけたの!!!」

「私みたいに次の能力者が間違って歌わないように···どうかお願いします!」


シャンクスが船員に聞く。

「俺は、娘のすることを手伝いたい!!!お前等は手伝いか!!!」

「「「「「「「「当たり前だ!!!」」」」」」」」

「みんな···」



ウタの準備中にシャンクスが聞く。

「バギー、お前が反対しないとは珍しいな。」

「あぁ、あいつは海に落とすフリをして助けてくれたからな。」

(拒否ったら殺されそうで怖かった、なんて言えねー。)


「念の為飲まないと···」

そう言って薬を飲む。

「それは···?」

「これ?薬だよ?依存性と飲んだら感情が激しくなる副作用があるけど。」

シャンクスが聞く。

「なんで薬が必要なんだ?」

ウタは思い出したように言う。

「ちょっと病気に罹っちゃって、これ飲まないと死んじゃうんだ。」

「なっ···!!!」

驚くシャンクスの背中をバシバシ叩く

「大丈夫!大丈夫!!!変だけど、腕はすごい研究者に作って貰った薬だから!」

「だからって···!!!」


「じゃあ作戦を説明するね――」


〜数日前〜

あくまで仮説だが···と男は切り出した

「トットムジカは昔のウタウタの実の能力者の『成れの果て』だ」

「え?」

「ウタウタの実の能力は眠る事によって解除される。」

「そこで、能力者が眠らずに死んだらどうする?」

「『永遠の楽園』が完成する。」

男はスタスタ歩く。

「しかし、永遠なんてものはない。恐らく中の人は脳のキャパオーバーで、精神崩壊したのだろう。」

ビシッと指を突き出して言う。

「その人たちの残滓が集まっているのがトットムジカだ!!!」


ゴホンと咳払いして言う。

「本題に入ろう。作戦はトットムジカをウタワールドに取り込む。」

「奴は魂の集合体。よって、魂に干渉できるウタウタの実が重要だ。」

ウタが聞く。

「そんな事って・・・」

男は得意気に言う。

「理論上は可能だ。しかし、全員に届けるのには音量が足りない。そこで使うのがセラフィムだ。」

「セラフィムはクローン。つまり、君と同じ存在なんだ。密接していればトットムジカが一緒に取り込むだろう。」

「注意点がある。トットムジカを取り込んだら、ウタワールドは開けない。開いてはいけない。それでも良いか?」

「そしたら、トットムジカはアンタの死と共に消滅する。」

ウタは真っ直ぐに見つめ返す。

「もちろんです。」

「体に大きな負担がかかる。どうか気をつけて。」

男はウタが去る直前に言った。

「こっちは"なんとか"しておくから」


〜〜〜〜

片腕にセラフィムを抱いて言う。

「じゃあ、始めるね。」

全員が頷く。

「ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᚲ ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᛏ ᛏᚨᛏ ᛒᚱᚨᚲ」

二人の体が闇に包まれる。


「久しぶりに見たが···、やはり凄い威圧感だ。」

「いやぁぁぁぁ!やっぱり怖いぃぃ!」

「俺達がやることは時間稼ぎ···か。」


〜トットムジカ内〜

「ねぇ、聞いて!!!」

「ずっと一人で寂しかったんでしょ!」

だが、反応はない。

「あなたもみんなを救おうとしたんだよね?」

その時ウタの中に声が響く。

『私はみんなの為に···。』

ウタが褒める。

「なかなか出来ないよそんな事!」

不安そうな声が聞こえる

『でも、結果的に苦しめた。』

ウタが疑問を口にする。。

「わざとじゃないんでしょ?」

トットムジカが言う

『みんな止めてくれた。けど、止まれなかった。』

『もう、自我が保てない。お願い、私そしてみんなを消して。』

その時、別の声が聞こえる。

『お前が殺した。』

そして、エレジアが滅ぶ映像が流れる

『痛かったよ、怖かったよ。』

『家が全部燃えた!』

『国が滅んだ!!!』

『みんな死んでしまった!』

『『『『全部お前のせいだ!!!』』』』

ウタは頭を下げる。

「ごめんね、死んだらみんなに謝る。けど、それは貴方達を送ってからね。」


「お願い。もう一人の私。」


そう言って、歌を歌い始める。

セラフィムは頷いて音を増大させる。

「この風は どこからきたのと

問いかけても 空は何も言わない」

トットムジカが言う。

『ごめんみんな。こんな事になって。』


「この歌は どこへ辿り着くの

見つけたいよ 自分だけの答えを」


声が聞こえる。

『俺達の方こそ我儘言ってごめん。』


「まだ知らない海の果てへと

漕ぎ出そう〜」


『ケンカしちゃってごめん。』


「ただひとつの夢 決して譲れない

心に帆を揚げて 願いのまま進め」


『文句を言ってごめん。』


「いつだってあなたへ 

届くように 歌うわ

大海原を駆ける 新しい風になれ」


『ありがとう』


全ての魂に歌が届き、トットムジカがウタワールド内に連れて行かれる。


〜〜〜〜

「起きたかウタ。」

「シャンクス···。」

泣きながら、ウタはシャンクスに抱きつく。

「ごめんなさい!!!私···!!!」

シャンクスは首を振る。

「何も言わず抱き締めさせてくれ。」

ウタは泣きじゃくる。

「ずっと、ずっと会いたかった!この前はごめんなさい!ルフィに嫉妬しちゃった!二人共、大好きだったから!」


「あぁ、これからはずっと一緒だ。」

「俺の娘、ウタ。」







〜epilogue〜

電伝虫でウタは会話していた。

「お疲れ様〜!トットムジカ大変だったでしょ〜!!!」

「なんか軽くない?大変だったんだよ」

男は笑いながら言う。

「気にしない、気にしない〜!こっちではこんな事があったよ。」


〜海軍本部〜

「セイレーンが七武海を脱退したじゃと!?こうなったら···!!!」

そこに藤虎が現れる。

「何をしている赤犬、いや、元海軍元帥サカズキ。」

その言葉に赤犬は眉をひそめる。

「藤虎···!!!待て"元"じゃと?」

「疑う気ですかい?五老星に見限られたんじゃ、おどれは。」

藤虎が微笑む。

「まぁ、少女をこき使うおどれなんかいらんがな。」

赤犬が机を叩きつける。

「揉み消しなんていくらでもある!!!海軍の面子の為じゃ!!!」

藤虎が叫ぶ。

「潰れて困る面なら、仕舞っておきなさいや!!!」

〜〜〜〜

「いや〜、まさか海軍元帥が追放されるなんてね〜、一体誰の仕業なんだろう~!イヤ〜、シリタイナー!」

話題を変える。

「薬届いた?副効果無くした奴。」

ウタは元気に答える。

「はい!おかげさまで!!!」

その答えに男は嬉しそうにする。

「良かった〜、元帥失脚の裏工作より時間かかったんだよそれ。」

(この人、簡単にヤバい事言ってない?)


「元気そうで良かった。じゃあね!!!」

「あっ」

一方的に通話が切られる。


〜食堂〜

「シャンクス、ルフィと会わなくて良いの?私、会いたいんだけど。」

シャンクスが言う。

「立派な海賊になるまで会わないって約束したんだ。」

ウタは納得する。

「ふぅん。まぁ、あいつガキっぽいしそういうの好きっぽし〜。」

シャンクスが茶化す。

「お前が言っていた好きなタイプってルフィが当てはまってたよな〜。」

「んなっ!見てたの!?」

「当たり前だろ?で、実際どうなんだ」

ウタは小声で言う。

「·······ダイスキデス。」

その言葉にシャンクスは驚愕する。

「許せねー!あいつ!!!」

飛び出そうとするシャンクスを、全員で抑える。

「落ち着けお頭。」

ポカンと頭を殴る。

「痛っええええええ!!!」


「もうヤダ帰りたい。クロちゃん早く迎えに来て···。」

fin

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