『接待 蛍光黄の光羽』

『接待 蛍光黄の光羽』

Part16 - 184-192

ユウェル「ちわーす!ティアちゃんいるー?」

ユースティア「……あのね、私一応社長なんだけど?会社の最高責任者なんだけど?連絡もなく社長室に突撃してくるのやめてくれないかしら?襲撃か何かって一瞬思ったわよ?」

ユウェル「この会社に喧嘩を売るバカはいないと思うけど。爪とR社二つ分の戦力相手にできるやつなんてそれこそ頭くらいでしょ」

ユースティア「それでも怖いものは怖いのよ!?」

ユウェル「ふーん、まあいいや。私今から図書館行くから転移離脱装置の使用許可お願いね~」

ユースティア「ええ。……え?なんて?」

ユウェル「知り合いが図書館への招待状を手に入れたらしいんだけど要らないって言うから貰ってきちゃったんだ!ちょうど欲しい情報もあったしぱぱっと手に入れてこようかなって」

ユースティア「駄目に決まってるじゃない!却下よ却下!貴女はこの会社における私の生命線なのよ!?死ぬ危険性があるのにみすみす行かせる訳ないでしょ!?」

ユウェル「あ、装置はもう持ってきたから。書類の手続きよろしくねー」

ユースティア「待ってぇぇぇぇ!やめてぇぇぇぇぇええ!うわああああああこの馬鹿ああああああああ!?!?」


…………


ユウェル「おー、ここが図書館かぁ。テンション上がるな~」

アンジェラ「ようこそ、ゲストの方」

ユウェル「こんにちはー。貴女が館長?一応聞いておくけど私が欲しい本ちゃんと用意してる?後から『やっぱりありませんでした』とか無しだよ?」

アンジェラ「ご心配なく。仕様外の方法で訪れるゲスト以外には『求める本は必ず用意されて』いますので」

ユウェル「それはよかった。ほら、外郭の怪物についての情報とか殆ど扱ってないから本当にあるかどうか心配だったんだよね。貴女が勤めていたL社もその……あぶのーまりてぃ?いや、幻想体……だっけ?そういうの管理してたんでしょ?」

アンジェラ「……ええ、飽きるほど。そしてそれは、貴方の心臓に関連する事柄でしょうか?」

ユウェル「そうそうその通り。昔外郭の調査をしてた時によく分からない何か心臓くり貫かれてさー。U社の生命維持デバイスでなんとか即死は避けられたけど救助は呼べないわ道にも迷うわで踏んだり蹴ったり……で、取り敢えず出血を防ぐために近くにあった石ころを胸の穴に埋め込んだらその……なんかこうなった……」

アンジェラ「……そ、そう」

ユウェル「あ、別に取り除きたい訳じゃないよ?これはこれで便利だし。一時期エネルギー不足の翼からしつこいくらい追手かけられた思い出はあるけど。ただ最近出力が頭打ちになってきてるから、外郭についての本に心臓を強化する手がかりがないかなって、だからここに来たんだ」

アンジェラ「私が見る限り、強さという意味では十分備わっているように見えますが?」

ユウェル「現状に満足していたらわざわざ"海"の怪物と戦ってなんていないんだけど?……あ、話が長くなったね。そろそろ行っていい?」

アンジェラ「ええ。……あなたの本が見つかりますように」


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アンジェラ「お疲れ様、ローラン」

ローラン「案の定逃げられたがな……」

アンジェラ「予め知ってて接待したのだから今更文句を言っても仕方ないでしょ。……はぁ、今後あの会社の職員の本は入手不可能と判断し方がいいわね」

ローラン「勝って生きるか負けて死ぬかの二択の中に負けようが撤退するの三択目を作り出されちゃ流石にどうしようもないわな……」

アンジェラ「得られるものを考えると惜しくはあるけど、今後彼らの周りには招待状は送らないようにすつわね。不毛にも程があるから」

ローラン「是非ともそうしてくれ。特殊フィクサー相手も楽じゃないんだ」

アンジェラ「にしても……戦闘を解析してみたけど、彼女の扱うエネルギーやはり既存のどんなものとも一致していない未知のエネルギーだったわ。現存する物質での防御じゃ効果が薄かったのはその為かしら」

ローラン「滓っただけで床や武器が粉微塵になったぞ、アイツのビーム。どうかしてんじゃないのかあの人間ジェネレータ?」

アンジェラ「……しばらく解析を続けてみるわ。アレが外郭由来のものだとしたら、もしかしたら幻想体のような形として具現化して本にできるかもしれない」

ローラン「……あー、一応聞くけど制御出来ずにそのままドカン!……なんてことは起こらないよな?」

アンジェラ「神のみぞ知る、以上よ」

ローラン「勘弁してくれよ……」

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