【"捕縛を開始する"】
Part12 - 138.139『Aaア゛あ"Aぁ"AAa!!!GYaAA"ぁあアァAaaaぁァあア゛!!!!!』
「―― 一つ聞くがあれは本当に人間かい?」
「……どう見ても、怪物だね」
「質問、御社の生物兵器か何かだったりしないのか?」
『人間だし、化け物じゃないし、生物兵器でも無いわよ!!!』
「ふむ、まぁ後で見せてあげるとしようか、彼がいまどうなっているのか」
そこ、彼らの目先には”群青の双剣”……らしき者がいた。
ソレは人の姿こそ保っているが、身体は暗い青に光る金属質のナニカに覆われ、頭部の中央がひと際燃えるように揺らめき名が光り耀いている。全体的に暗くて、群青には程遠い。
手には代名詞でもある双剣を持ち、酔いどれの如く力なく歩いているが、特色三人で囲っているにも関わらず”隙が全く見えない”。
「止められはするけど……」
「殺して良いなら、だがな」
『……特色三人でも…?』
「社長君、君は我々のことをコミックの便利アイテムだと思っているようだが、戦闘力だけ見ればアレは”赤い霧”にも匹敵するぞ?」
「手加減は、まず不可能だな」
距離を取った今でさえ三人にかかる重圧。
幾多の修羅場を潜り抜いた特色たちだからこそ見える死線を”ソレ”は容易く超えている。
手を抜けば、確実に死ぬと、本能が囁く。
『――わかったわ』
「理解が早いな、殺すか?」
『いいえ、殺さないわ、ただ――』
―――空から、”剣”が降り注ぐ。
6つの刀剣と1つの大剣が、青い怪物を食い殺さんとばかりに落ちてきた。
「Gyaぁあ゛A!!?」
怪物を周辺ごと砕き、吹き飛ばす。
それに遅れて……誰かがゆっくり落ちてきた。
『……私のボーナス全部、消し飛ぶ覚悟をしただけよ』
「―――”灰の傷痕”、目標を視認した……捕縛を開始する」