拝啓頭強盗の小娘様へ

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シロコ*テラー「マガラいる?ちょっとこの大会に参加して欲しいんだけど...…ん、カナミ?どうしてここにいるの?」


カナミ「あ〜...実は君に手紙を渡して欲しいと頼まれていてね。」


シロコ*テラー「手紙?誰からの?」


カナミ「読めば分かるよ。それじゃ頼まれた物は確かに渡したからね、後でマガラ君によろしく伝えておいてくれ。」


シロコ*テラー「ん?マガラによろしくって、どういう...行っちゃった…とりあえずはこの手紙を読んでみよう。」


『このテガミをヨんでいるというコトはワタシはスデにそこにはいないというコトなのだろう。スコしのアイダ、オマエとキョリをオくコトにした。そのリユウは

どうせお前が変な大会に私を参加させようとすると思ったからだ。心当たりがあるだろう?私を引っ張り出して先日ブラックマーケットを襲った時にお前、何かビラを拾ったな?「デート力検定」だったか?先に断言しておくが、そんな大会に参加する気は毛頭ない。参加者リストにアビドスのリオレウスの名前があるのを見たお前の事だ、必ず私にも参加させようとしてくるだろう...だからこうして雲隠れさせてもらった。そんなに賞品が欲しいなら自分で参加して自分で優勝しろ。


        マガラより

PS.お前の知り合いは凄いな...手紙を書きたいとどうにか伝えたら代筆するのではなく、一時的にモンスターを人にする装置作ってくれたぞ。正直ドン引きだ。効果は一週間らしいからそれまで頭を冷やすと良い。ちなみに手紙前半はそういう演出だ、気にするな。』


シロコ*テラー「!?ちょっとカナミ!これどういう事!?やっぱり居ない…!まだそう遠くまで行っていないはず…早く見つけ出してマガラの居場所を教えて貰わないと!」



カナミ「……シロコ君は行ったよ。そろそろ出てきても大丈夫だ。それにしても君の一人称が私だったとは少し意外だな。もっと威厳のある"我"とか"俺"とかだと思っていたよ。」


マガラ「───これはなんとなく出てくる言葉が"私"になってるだけだ。普段は…言葉を使って会話しないから私も知らん。最も聞き馴染んでいるのが"私"というのもありそうだがな。」


カナミ「なるほど…モンスターと言えど精神は肉体に引っ張られるという事なのか…?いや結論を出すにはデータが不足している…それに───」


マガラ「はぁ…しかし予想していたとはいえ、本当に来るとは…あの頃のアイツに戻れとまでは言わないがもう少しどうにかならないのか…。

それにしても服や眼帯、それにヘイローのホログラムを投影する装置まで作ってくれるとは、お前には色々世話になったな。人になると言ってもまさか私がこんな小娘の姿にされるとは思わなかったが。カナミ…といったか?この恩は後で必ず返す。」


カナミ「どういたしまして、そんな気にしなくてもいいよ。僕も実験の協力をして貰ったし、面白いデータも取れた。むしろこっちの方が世話になったくらいだ。それより本当に良かったのかい?」


マガラ「手紙にはお前も目を通しただろう?アイツは少し頭を冷やすべきだ、それに私に頼ってばかりではいざという時に困る。さて、私もそろそろ行くか。」


カナミ「え?行くってどこに?」


マガラ「決まってる。アイツがなにかしでかさないように見張っていないと私も気が気じゃないんだ。───よし、この姿でも飛ぶ事はできそうだ。じゃあなカナミ、お前には本当に感謝している。」


カナミ「えっ!?ちょっと!まだ飛行能力についてデータは取れてないから危な……行っちゃった、あんな手紙書いといて過保護な龍だなぁ。」


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