拘流にて

拘流にて


「…死神の護衛が二人というのは拍子抜けだが…

煩わしい拘流の動きが固定されていたのは都合が良かった

話をするのに 時間を急ぐのは性に合わんからな

井上織姫 ダルヴァとマツィヤそして護衛の二人の死神の後ろに現れたのはいつぞや現世で会った破面だった

職務を全うするために死神は浅打を抜き放つ

「な…何者だ貴様っ‼破面か⁉」

それを見て破面は左手で何らかの予備動作を見せた

早く反応したのは意外にも井上とマツィヤだった

「まって!話があるんでしょ⁉」

「せめて雑魚なら実力差ぐらい分かりやがれよ!」

だがマツィヤの声も井上の声も届くことは無く死神の体は裂けて弾けた

直ぐに井上が双天帰盾で手当てをする もう一人もマゴマゴしている内に破面によって死体一歩寸前になってしまった


「ほう そこまで損傷していても回復できるのか 大した能力だ」

破面が一歩近づく だがそれに待ったをかける者がいた

「...サラッと無視されてないかのう 儂ら」

「ダルヴァ!それは良いからさっさとどうにかしろ‼...でなきゃ不味いだろ!」

待ったというか...待たされていたというか

「ヤミーに弄ばれていた妙に硬い奴らか 俺が用があるのはその女だけだ」

破面はもう一度左手に力を入れ攻撃を放った 有象無象であればこれで死ぬ 単に硬いだけなら盛大に吹き飛び話の邪魔にならない位置まで飛ぶだろうと

だがダルヴァはそれを真正面から受けて平然としていた

「片手間で片付けれられるほど軽くはないぞ儂は」

静血相で受け止め飛廉脚で即座に背後を取り蹴りを見舞う 破面が腕でガードしたが更にその上から二度三度と蹴り続ける

「そうか ならば...ある程度の力を入れて片付けよう 『虚閃』

恐らくだが避けることは出来る だがもう既にこれ以上戦闘状態を維持する必要もないとダルヴァは判断した

先ほどの蹴りの間に盗聴器を仕込むことに成功したからだ

なので敵の思惑に甘んじて虚閃で出口まで吹き飛ぶことにした マツィヤも巻き込んで

「あっスマン 巻き込んじゃったのう☆」

「途中まで良かったのに何やってんだこのスッタコ⁉織姫テメェ死ぬんじゃねえぞ!!!」


「...って感じで追い返されたけど盗聴器は付けることに成功したんじゃよ」

「おいオレンジウニ さっさとあの雑魚を釣りに行くぞ」

「織姫を守ろうとしてくれたのはありがたいけどよ もうちょっとどうにかなんなかったのかよ...主に口調!」



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