打楽器を学んだあと

打楽器を学んだあと

ジョシュア

やっぱり人と普通の材料じゃ使い勝手が違うな

そんなことを思いながら通りを歩く

次の目的地は...ゲヘナかトリニティのどちらにしようかな

この間のコンサート会場の捜索はもうすでに終わってるはずだし

ちょうどそこに紛れ込めれば

「いたぞ!」

ばれた、やっぱりこの間のやつで顔を覚えられたのかな

とりあえず距離を取ろう


「まて悪党!」

状況がさらに悪化した

正面突破を察知して反対方向に猛ダッシュしたのはいいものの

そのせいで無駄に体力を減らした挙句、強そうな生徒も追ってきている

マエストロフリーパスなんて貴重なものもここで使うわけにはいかないし...

空間切断のチャージまで何とか粘ろう

しかし足音の数が少ないな、一度振り返ってみるか

「止まらないと撃つぞ!」

...1人?スナイパーライフル持ちの後衛が?

とりあえず角を曲がり追加でいないか確認する

「小癪な!」

どうやら本当に彼女1人のようだ

それならW列車に...いや、スナイパーライフルを持ちながらかなり長い時間走っているが彼女には疲れた兆候が全く見えないし、あまり強いやつを入れると後処理が面倒臭くなる...

ん?列車...まてよ、この通りを向こうに行って2番目の十字路で曲がれば...いや、直線で行くと撃たれる可能性がある、1番目の十字路で曲がって直線を作らないようにすれば!よし、このルートで行こう

曲がった瞬間銃声がし銃弾が掠めたのを感じる、もう少し判断が遅ければ危なかった

「うーん、なんでそうタイミングよく...」

曲がり角を曲がりながら時には目的地と逆方向に曲がりやっとの思いで辿り着き、中に飛び込んだ

おそらくあの生徒も後先考えず飛び込んでくるはず

息をひそめて獲物を待つ

バン!

「どこにいる!出てこい悪党ども!」

...

「おかしいな、明らかにこの建物に入っていったはずなんだけど...」

ガツン!

「うっ...」

彼女が気絶し、ヘイローが消える

知らない人について行くなって習わなかったのかな?

外を見る、誰一人として彼女を助けに来ようとする者は現れない

...人望ないのかな...とりあえず準備することにした


「うーん...あれ、ここは...」

「おはよう、正義実現委員会1年生、マシロ...であってるよね?」

「うう、何が目的なんですか!」

「ああ、よく聞いてくれたね...私は実は別の世界から来た人なんですよ」

「え?」

「私には夢があるんです、元の世界に戻って、その世界をそれぞれの人間が個性豊かに、自由気ままに音楽を奏でられ、自分を表現できる世界にしたいという夢が!分かりますか!」

「えっ、えっと...ええ?」

「まあ、突然で突飛すぎる話だし理解できないのも仕方ないよね」

「...えー、わ、私をどうするつもりですか!」

「うーん、弦楽器には向いてなさそうだし...鍵盤楽器かそれとも打楽器か...どっちがいいと思う?鍵盤楽器か打楽器か?」

「な、何の話?」

「え、どうするつもりって聞かれたから選ばせてあげようとしてるだけだよ~疑り深いなー」

「選ばせ...えっ...あ...」

「ああ、やっと気付いた?察し悪いねー」

「わ、私に...」

「なに?声が小さくて聞こえないよ?」

「私に手を出したらツルギ先輩やハスミ先輩達が黙ってませんよ!」

「あははははははは!ああーそれならどうして一人で私のホームに後先考えずに突っ込んできたんだい?報告できてないと人は来るのが遅れるんだよ?そんなに自分の腕に自信があるの?袋小路で前を見ていないなら後ろにしかいないということにすぐ気づかないのに?それにいくら強くてもすぐに倒されたら意味ないんだよ?」

「う、ううっ...」

今にも泣きだしそう、下ごしらえは済んだな

「それじゃあ」

ザクッ

彼女のお腹にナイフを突き刺す

「がっうゔっう...はあはあ...」

「うーん...そこじゃないか...じゃあここだ!」

ジャキ゚ッ

今度は手ごたえがあった

「ゔああ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あう...うっかはっ...ち、ちが、ちが...」

「ああ~いい声だね、ほれぼれしちゃうよ、でも全力で叫んでないよね?遠慮しなくていいのに...」

「この、悪...がはっ...私が...必ず...必ず...」

「倒す?殺す?どっちにしろあなたには無理だよ、だって私に負けたからこうなってるのに!」

「まけて...な」

ナイフをねじる

「なあ”あ”あ”あぁ...うぐっおえ...」

「うーん、ねじるのは効果的じゃなかったか...つぎは...」

(はやく、はやくおわって...)

彼女はこう祈るほかなかっただろうね


「う、うう...わあ!...あ、ゆ、夢...夢で良かった...?...あれ、私、確か重要参考人を追ってたのに何で公園に...うーん、これ以上1人でどうこう出来そうにないし、いったん戻って逃げ切られた事を報告しないと...」


...微妙だったなー、やっぱり強ければ強いほど質のいい楽器になるわけじゃないみたいだ...気を取り直して、次に行くのは...ゲヘナの方にしようかな!トリニティは正義実現委員会の本拠地だから最悪ばれるし、ゲヘナの芸術にも興味がある...

それに他の所と比べて格段に治安が悪いからもしかしたら私と似たような目的を持った子が見つかるかもしれないし

たのしみだなー

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