手ほどき(閲覧注意)

手ほどき(閲覧注意)


モモワロウがそういう知識に触れる瞬間を不本意に知ってしまった結果、仕方なく最低限の性知識を教えてあげるマシマシラ良いなぁと思ったので書きました

⚠️ポケモンが喋ります、一人称俺で粗野口調のマシマシラ→モモワロウ(恋愛感情はありそうでギリギリありません) モモワロウは赤ちゃんよりも自我が少しだけ成長してます

⚠️下の描写があるのでワンクッション




………………………………………………


刻は深夜、霞がかった月が薄く光る頃。

旅の途中で仲間と整えた塒で眠っていた俺は、毛の一本でも引っ張られるような微細な違和感を感じて目を覚ます。

違和感の正体はすぐに分かった。

モモワロウ坊の姿が無い。

かの子は此の人生に救いの手を差し伸べてくれた、俺の恩人…今では俺をお供につけて、主人として我らともっこを率いる大切な存在。なんとしてでも御守りせねばならない、お頭だ。

突如として消えた主の姿を一刻も早く探るべく、念の力を研ぎ澄ます。

…一時集中すると、塒近くの茂みからガサガサと小さな音が聞こえるようだった。近づいてみればそこからは微かに、甘い香りが漂ってきた。間違いない、モモワロウ坊が其処に居る。

叢をかき分け……その姿を確認すると、夜中に塒を抜け出して危険を冒した主人の愚行を叱るべく静かに距離を縮める。先ずは野生のポケモンに見つからないようテレパシーでモモワロウ坊に声を送った。

(坊っちゃん…ここで何をしてるんだ。こんな時に出ていくなんて危な_!!)

振り返ったモモワロウ坊の顔は…いつになく弱気で、困惑した様子だった。暗がりの中でよく見えないが、心做しか頬を火照らしているようにも見える。これは何か後ろめたいことがある時の顔だ。

俺の目を見てモモワロウ坊は、弱々しく口を開いた。

「…ましら…!…み、…みないで…」

俯いて殻を閉じ気味にし、中の体を隠す。いつもなら絶対に取らない態度を不審に思った俺は、すぐさま近くに寄って敵から御身をお守りできる位置に構えた。次いで、頭の中を過る不安と焦燥。

野生のポケモンに攫われて痛い目に遭ったか、我々に内緒で良からぬ事を働いていたか、予見できていたであろう事態がいくつも思い浮かんでしまうが…先手に主人を疑うなど、と己の思考を律して、主人に問うた。

「なあどうしたよ、坊っちゃん。危険を冒してまで出ていった理由を教えてはくれねえか。どんな理由があれど、決して怒りはしないから」

俺を見つめていた顔をバツが悪そうに下に向け、互いの間に暫くの沈黙が流れた後。

殻のはしをすり合わせつつ小さく震えながら、蚊の鳴くような声で言葉を紡ぎはじめる。

「…ましら…え、っと…あつい…からだがむずむずして…っ…モモ、どうしたらいいかわからなくて…」

心底困り果てた顔で眉を下げるモモワロウ坊。わけを伝え終わるとすぐに頬が赤く染まっていく。

見れば、普段はふよふよと浮いている身体が地面すれすれのところで静止し、草のかげに隠れて、滑らかな表面をした小ぶりな石に体重を預けて寄りかかっている。どうやら体の下半分をぎこちない動きで、くい、くい、と押し付けているようだった。

「だ、だから!みないでってば…うぅ…なんで、こんなに…はずかしいの…?」

…ああ…ついに。モモワロウ坊がとうとう知ってしまう時が来てしまった、と思った。

坊の齢はまだ幼い。幼子の育ちは早いものとはいえ、本意を言うならこういった事についてはもう少し後…じきに自分だけで、こっそりと学び得ていく知識だろうと思っていたが。

まさか、この瞬間を無意識のうちに予見して、自ら足を踏み入れてしまうなんて。…坊っちゃんから授かった未来予知の能力が、こんなところで働いてしまうなんて。

「…ましら…もし知ってるなら教えて…モモのからだ、どうなってるの…?」

そう言ってモモワロウ坊は先程の小石に体を寄せつける。不安そうな顔が晴れる気配は全くとない。あっ、あ、と小さく声を漏らし、ぎゅっと目を閉じては身体を震わす坊っちゃん。石と密着した体の表面は雑に擦れてやや赤みが増してきている。知らない感覚に倒錯されて坊っちゃんは今、きっとつらい思いをしているに違いない。

俺は確信した、このままでは坊っちゃんは…自分の体の正しい慰め方を覚えられない。もしも間違った知識が植え付いてしまえば、無理な刺激が加わって体を傷つけてしまうこともあるだろう。

幼い坊っちゃんにはまだ早い、厳しく叱ってでも今すぐやめさせるべきだとはやる気持ちをぐっと堪えて覚悟を決める。

今…ここで、

俺がやり方を教えるしかない。


「…分かった、坊っちゃんの頼みとあらば引き受けるぜ」


………………………………………………


仲間の休んでいる所に極力近くポケモンの寄り付かない予感を強く感じる所へ場所を移すと、俺は殻に籠った坊っちゃんを体の前側に密着させて置く形で地面に腰を下ろした。

「着いた。もう警戒は解いていいぞ…体を見せてくれるか」

おずおずと殻を開いてモモワロウ坊はその背を俺の腹に預けると、涙目で俺の顔を見上げた。

「抱っこなんていつもされてきたのに…どうしてこんなにどきどきするの…? モモ、どうかしちゃったのかな…」

「よしよし…心配しなくていい、今から教えてやるからな」

今にも泣きそうなモモワロウ坊をなだめながら、体に触れようと手を伸ばす。

「あのな、坊っちゃん… こうして身体が熱くて堪らなくなった時は、自分で触って鎮めるんだ」

…それにしても、モモワロウ坊には快感を拾うような器官や、生殖器といえるものが付いているようにはとても見えない。不思議な体の作りをしていて男か女かもわからない…どこを、どのような触り方をすればいいのかは、手探りで当ててゆくしか方法が無い。

坊っちゃんが石に押し当てていた部分を思い返しつつ、先ずは心を落ち着けるために頭や頬を撫でてやる。

「どの辺がむずむずするか教えてくれ」

「えっと、… っ… ここ、わかる?おなか…ちょっと膨らんじゃってるけど…」

モモンの形をした小さな手が俺の手をやわく掴んで持ち上げて、指先を体の下めに置く。そこに触れた瞬間、坊っちゃんが、はん…と小さく息を漏らした。

指先に意識を集中させると、丸みを帯びた腹の下部が空気を吸い込んだときのように、ぷくっと膨れているのがわかる。

「ここ…すりすりしてると、変な気持ちになって…うう、どきどきしてちょっとこわい…ましら…これってどういうこと…?」

異変に苛まれた自らの体に畏怖する坊っちゃんを諭して、俺は賢くなった己の頭を大回転させながら必要最低限の言葉を選んでいった。

「大丈夫だからな…怖くない、大丈夫…っとなあ…初めてだから分からなかったかもしれねぇが、坊っちゃんの言ってる変な感じってのは、〝気持ちいい〟って事だ。」

こく、と頷く坊っちゃんを見下ろしながら、考える。

「そういう欲は誰にでもある。勿論俺も同じだから、心配しなくていいからな。しかし今みてぇにどうしても何とかしたくなる時があるだろ? …こんな時は激しく触ると坊っちゃんの身体が傷ついちまう。だから一人でも鎮められるように、出来るだけ優しい触り方を覚えるんだ」

「…わ、わかった…」

膨らみに指を這わせ、触れるか触れないかの力加減で表面を撫でる。

「はう、…! …んっ!」

刺激に体を強ばらせ、咄嗟に身を隠そうとする坊っちゃんの殻の動きをサイコパワーで無理やり止めると、ゆっくりと指を動かしていく。

「ぁ…はっ…な…なんか…、どきどきして苦しいっ…、どうすればいいの…!」

「落ち着くんだ、坊っちゃん。そのまま息をするのに集中して…。力抜けよ、そのほうが苦しくなくなるぜ」

「う、うん……っあ、!」

どうやら、撫でる動きよりも軽い振動を少しずつ与える動きの方が反応がいい事に気づく。繰り返していくと、切れ切れだった坊っちゃんの声は段々とくぐもっていった。時折その声は甲高く上ずって、うわ言のように「きもちいい…」とか「もっと…」とか、心の内を吐露するような独り言が漏れるようになる。

こちらを向いて、目を蕩けさせては頬を真っ赤にして、普段以上に眉の下がった情けのない顔が、すぐ近くに…


それを見た途端、自分の中の何か、確実に目覚めさせてはいけない欲がグンと煽られる。「おなごのようで可愛らしい」と思ってしまった自分に、やめろ!従者としてそれは駄目だ!と必死に言い聞かせながら坊っちゃんの顔を覗き込むと、目を閉じてただ体に伝わる快楽を感じ取ろうとしているようだった。決まった指の動きに腹を近づける仕草が目立つようになる。

ここまでくれば、あとは自分の力でも事を済ませられるだろう。

「気持ちいいところ、自分で分かったみたいだな」

「…っ…うん…あとは、どうしたらなおるの…?」

「次からは俺がしたみたいに、同じところを触ってみな。大丈夫、そばについててやるから」

え、と一瞬首を横に振ろうとする坊っちゃんの手を取って、坊っちゃん自身の手を先程から撫でているそこへ触れさせるように重ねる。

「ひゃっ!…は、はずかしいよ…これ以上やったら、たぶんもっと変な声でる…ほんとに、これでいいの?」

片方の手を頬に当てては視線を逸らし、乙女のように恥じらう坊っちゃん…その姿を前に、俺は。

「恥ずかしいのも普通だ、おかしいことじゃないから声も我慢しなくていいぞ」

何故だか坊っちゃんがいつもと違って見える。その心の内を悟られないようにひたすら、坊っちゃんを落ち着けたい一心で平常心を装う。

「そうじゃなくてっ…! だいじなおともだから…

…ましらは、あたまいいでしょ?だから、モモの変な声きいたらぜったい変だと思っちゃうよ…それからずっと忘れてもらえなくて、ましらがずっと覚えてたらどうしようって…うう…」

……?

意味深な理由付けの訳を知りたくて、思わず聞き返してしまった。

「いつも心配してくれて、きけんな未来から守ってくれて、今みたいに色んなこと教えてくれるよね…?変な子だって思われたら、いままでみたく優しくされなくなっちゃうかもって…それはヤだから…ましらにだけは、はずかしいとこみせたくない…!」

「坊っちゃん…」

脳が痺れたような感覚がする。予想外の言葉を聞いて思考が乱れてしまったが、あくまでも俺は…俺は、大事なお供のうちの一匹、ただのお供でしかない。

しかし、「他の誰でもない、自分だから」という言葉が、これほどにまで嬉しいとは思わなかった。

頭脳を与えてくれた主は、この頭の良さを見込んで特別な信頼を寄せてくれていることを身に染みて実感する。…そしてあわよくば俺は、特別な信頼を超えた関係に…

…なれるというのなら夢のような話だが、生憎こちらにも理性というものがある。これは悪い夢だとか言い訳を適当に考えて、俺は坊っちゃんに言葉を投げかけた。

「だが…終わらせないと、いつまでたっても身体は疼いたままだぞ。大丈夫、…腐っても俺は、坊っちゃんのこと変だなんて思わないから」

変なのは俺の方だ。

「これが恥ずかしい事だってのは、俺もしっかり分かってる。忘れてほしい、忘れて今まで通りでいたいってのは俺も一緒だからよ…絶対に内緒にするって約束する」

これが終わればいつも通りに主従の関係を続けられると。お互い様だ、と半分は自分に言い聞かせるつもりで口に出す。

「わかった…!ふたりの内緒、ぜったい内緒…!…ましらが言うなら、いいよ。モモも、おんなじ気持ちだから…」

ふにゃりとあどけない笑顔を見せられて思わず気分が綻んでしまう。

ああ、坊っちゃんが俺の事を信じてくれている。

「坊っちゃん…あとちょっとだけ、頑張れるよな」

「うんっ…じゃあ、続き…教えて」

聡明なお供だからこその信頼、ただそれだけを命綱にして…精神を統一し直した俺は、いっそう頬を染めた坊っちゃんの体にまた触れるのだ。



「うぅ…っ…ぁ、あ…!…あぁ…っ…そ、そこ…ひゃんっ!」

掌の中に収まっている坊っちゃんの手ごしに柔らかい感触を感じ取りながら、弱いところや良い触り方を少しずつ探っていく。坊っちゃんがより早く苦しみから抜け出せるように…それでも決して傷つけはしないように、細心の注意を払って。先程から坊っちゃんは責める手が良いところに掠ると力む癖があるので、うまく力を逃せるように坊っちゃんの手を優しく握る。

目の前で響く声に俺自身の体を反応させないよう必死で仕方ないのだが、苦しいのは坊っちゃんも一緒だ。

やがて触れる力の加減を心得たのか、坊っちゃんの手にはだんだんと自分なりの動きが付いてくる。俺の細っこくて骨ばった手に比べれば、モモンの形をした柔らかい弾力のある手は刺激が良い加減になりそうだ。

ふにふにと極わずかに押し込められたりこねられたり、はじめての刺激を受けてピンク色に色づいてきた坊っちゃんの秘部。ぱっと見ではただの腹部の隆起した丘にしか見えないが、こうして変化が起こると何処となく…性器など生き物が繁殖時の多幸感を得るために発達させた体の部位に似てるようだとか、また余計なことを考えてしまう。

これはあくまで坊っちゃんの為なんだ、と脳内で言い訳をしながら、無理をさせていないか探るためによく目を凝らす。坊っちゃん自身が汗ばんできたせいか、そこは少しだけ湿って、月明かりを返してほんのりと艶を帯びてきた。

くちゅ、くちゅ、と悩ましげな音を立てながら、坊っちゃんは自身の弱いところを懸命にまさぐっている。再び目をぎゅっと閉じて…ただ昂る感覚を拾うことだけを考えているのだろう、丸い体をころんと傾けて体を跳ねさせながら、快楽の出口をわからないなりに求めようとする様子が……すごく、幼げで可愛らしい。

…と、思う。思ってしまった。ああ、また!坊っちゃんが必死なときになんて事を考えているんだ俺は!何の為に頭の良さを願ったか!流石に許されないだろう、恩義のある主人に向かって…!ぐらぐら湧き上がる感情を無理矢理抑え込み自分で自分を咎めつつ、俺は坊っちゃんの反応を見て適切に動くことだけに集中する。

しばらく続ければ触れる度にぴくぴくと反応を返す体から、じきに鼓動が大きくなってきて、俺の腕に伝わってきた。

「ふっ、ぅ…んっ…!まし、らぁ…!」

坊っちゃんのとろけた口から、はくはくと吐息が漏れる。目に涙をためて、物欲しそうな顔をする姿のなんと可愛らしいことだろうか。……違う、これはやましい思いでは無い、親心だ、親心によるものだと、何度も何度も頭の中で復唱する。

さっきよりも硬く体を強ばらせている坊っちゃんを安心させるため、体を支えていた手を腹の方に回して抱きしめてやると…体と体が触れる温もりを直に感じた坊っちゃんの息は、さらに荒くなった。

「ぁ…!ましら…、も、もう…!」

まだなにかを抑圧したような声色で名前を呼ばれるので、いいかげんにその欲を解放してやる気持ちで、

…むしろ、最後の箍を外すつもりで。

無垢な子供にかけてやるにはあまりにも酷すぎる、鉛玉のような嘘を。

責める動きはゆるく続けたまま、坊っちゃんの顔のすぐそばで伝えてやる。


「坊っちゃん、…大丈夫、どんな姿を見せようが俺には関係ないさ。あんたのことはずっと変わらず、大好きだから」


〝大好き〟という言葉に呼応するかのように、坊っちゃんの身体が激しく動いた。


「ッ…!ふ、あぁああっ…〜〜〜!!」


思えばこれまで、愛されたい一心で旅を続けてきたモモワロウ坊。長旅だったこともあって、愛情をこんなにも直接的に伝えられるのは実に久方ぶりだ。

これは大分効いたようで、良くも悪くも「愛」のおかげで…溜めていたものは無事に発散できたようだ。


…と、このままでは坊っちゃんにあらぬ誤解をされるかもしれない。

正直なところ、誤解、という言葉で済ましたくはないが。

今のは嘘じゃない、心からの言葉だろうと自分でも薄らと気づいている。しかしそれ以上にこの頭に巻かれた鎖が、「従者の道から逸れるような事は許さない」と刻みつけるが如く、知識を得たからこそ芽生える「罪悪感」という名の枷を己にかけているのだ。

番になるつもりもないのに、ましてやお供の立場でありながら、それもまだ幼い主人に、どさくさに紛れて目的のはっきりしない愛を囁いたこと。

これが良い事なわけがあるかと己と葛藤しながら、息を切らして軽く放心している坊っちゃんに声をかける。


「どうだ、すっきりしたかい」

「っ…う、うん…ゎ、わぁ…!すごい、あつくて苦しいの、なおっちゃった…!ましら、ありがと…。これからはモモ、自分でできるよ…!またしてほしくなったら、頼っちゃうかもだけど…」


自らの呼吸を整えて、数々の不手際を頭の中で列挙する。

これを教えたのが坊っちゃんにとって正しかったのか、俺にはわからないが。

とにかく謝らねぇと。


「坊っちゃん…すまん、実は…」


「ましら、」


言いかけたところでいきなり手を握られて、言葉が詰まる。


「 えへ…モモ、ちゃんと聞いてたよ…。すきっていってくれたよね。うれしい…おなか、ずっとぽかぽかしてる…」

「…ああ、言ったさ」

「だから、おかえし!モモもましらのことだいすき…!こうやってモモに教えてくれたのも、はずかしいとこ見られちゃったのも、…ふたりだけの内緒だよ…。ぜったい約束だからね、いっしょに守ってね、ましら…」

「…………そうだな」

先程まで片足を情事に突っ込んでいたとは思えないほどに清々しい高揚感に、俺自身も戸惑う。

モモワロウ坊の痛いくらいに純粋な言葉と、穢れを知らなさすぎる無邪気な笑顔。限界を迎えていた理性が嘘のように、不思議とやましい気持ちは薄れていった。

俺はもしかしたら、今なら、心を通じ合わせられるかもしれないと期待を込めて口を開く…


「ちなみにその大好きってのは、どういう意味の…」


返事は返ってこなかった。

ふたたび目線を戻すころには、モモワロウ坊はすっかり眠りこけていた。

今だって、普段の坊っちゃんならすやすや眠っている時間だ。今日ばかりは衝動を抑えきれないまま深夜に抜け出してひとりで悩み、信頼していたお供に恥を晒して、…はじめてのことをたくさん体験したのだから、疲れて眠ってしまうのも無理は無いだろう。


…まあ、ちゃんとした答えを聞けずじまいだったことが、かえって良かったのかもしれない。この気持ちもあやふやのままにしておいたほうが、簡単に諦めるよりもまだ…

いや、違う、そうじゃねえだろ。これはお供としての庇護欲が転じたもので、別の好意として向けたものでは…、ああ…ちくしょう。なんて情けねえ。

しょうもないことをうだうだ考えながら、モモワロウ坊を抱き上げて塒に戻っていく。


「しかしなあ…二人だけの内緒、か…。 今後もよからぬ事で頼られちまいそうだが。ま、それもしゃあねえか」


不思議と、「悪くない」と思った。

今日の出来事がこれから吉となるのか、凶となるのか。まだ見えぬ未来に少しの期待をもって、交わした約束と愛の言葉を何度も反芻するのだった。


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