或る少女達の或る一夜

或る少女達の或る一夜


「よしよし、えらいえらい……ママのおっぱい、ちゃんと吸えて……良い子良い子……」

「んぃっ……くぅっ……おねーちゃんのおっぱい……おいちいですか……?」


 その欠片も思ってもいないオウム返しのような言葉を、アリアはもう何度放っただろうか。

 乳首に歯を立てられる痛みに耐えながら吐き気を催すような言葉を、ナナセはもう何度放っただろうか。

 薄い茶髪のアリアと長い黒髪のナナセ。彼女達に挟まれたその肥え太った男は、唾液をだらしなく垂れ流しながら少女達の母乳を啜る。

 一時的に母乳が出るようになる妙薬。それは定期接種を続ければ、母乳の出る体質が永続化するという恐ろしいもの。

 そんなモノを自分の孫ほど幼い少女達に男は飲ませていたのである。


「い゙っっっっ!あ、主様っ……お許しください……お許しくださいっ……ん゙ん゙ん゙っ」


 態度が気に入らないと、少し強めに乳首を噛まれたナナセは敏感な部位への痛みに悲鳴を上げる。

 それを見ていたアリアは慌てて声を張り上げた。


「や、やめてくださいっ!私ががんばりますからっ……だから……ナナセさんを痛めつけないでくださいっ……」


 ナナセを庇うようにアリアは男に縋り付く。12歳という歳に見合わない大きく育った乳房は、彼女のここまでの境遇によるもの。一つ年上のナナセも着々と膨らみが増しているがそれよりも素晴らしい大きさだ。それが男の胸板で歪んでいる。

 そうかそうか、ならさっそくがんばってもらおうと言い出した男は、ナナセの乳首を解放するとアリアに騎乗位を命じた。

 むろんただの騎乗位ではない。


「ぁ、うぅ……ま、ママが動きますから……ぼうやは、おっぱいを吸っててくださぃ……」


 ぎこちなく微笑んで腰を降ろすアリア。出迎えた男のソレは幸いにも強い圧迫感は与えてこない。もっと前に初めてを散らしたときはそれこそ血がドバドバと出て、その日中アリアはずっと泣いていた。

 ゆっくりと腰を上下させながら、これまで生きる中で無理やり膨らまされた乳房を男に押し付ける。


「んっ……気持ち、いいですか……ママはとても気持ちいいです、からっ……」


 そんなこと思うはずもない。嫌で嫌で仕方ない。それなのに無理やり薬で感じさせられたり、感じるように身体を弄られ続けたり。アリアにとってはそれが不快で仕方ない。自分の大きく膨らんだ胸が、別の生き物のようにすら思えて抉り取りたくなるほどだ。


「んんっ……あっ……んぐっ……えらい、えらい……ちゅーちゅーぱんぱんできて、本当にえらいです……」


 もう嫌だ。助けて。こんなこと嫌だ。助けて。そんな本音の言葉の正反対を言わされ続ける。いつか報われることを夢見ても、それが本当に来るかもわからない。

 そうして早漏な男は抗うこともせずにアリアの中に子種を注いだ。避妊薬は先の母乳薬に混ぜられている。


「今日も、たくさん出していただき……ありがとうございました……」


 そう言って早く終わることを祈るアリアだが、男は褒美をやろうと言い出した。

 そのままアリアを押し倒し、首に手をかけてくる。


「あっ……ぎぃっ……」


 くぐもった声が溢れる。酸素が足りずにアリアは小さな身体を震え上がらせた。このまま殺されるのではないか、そう思えてしまうくらいに。

 やがて苦悶の表情を楽しんだ男はそのまま犯そうと腰を構えてきた。早漏なくせに回復も早いのが厄介だ。

 もしこのまま首を絞められて、犯され始めればアリアは朝日を眺められるかも怪しいだろう。


「やめてくださいっ!!!次は、次は私が相手しますからっ……アリアを離してっ!」


 そうやってアリアの意識が朦朧としかけたところで、今度はナナセが慌てて止めてくる。

 なら今度はと男は豚のように腹を波立たせながら彼女を押し倒した。


「んぶぅっ……んぐっ……」


 強引に唇を奪い、否もはやぶ厚い唇で覆い尽くしている。じゅるじゅると唾液を流し込み、舐り尽くしてくる男にナナセ泣きそうになりながらも何も抵抗できない。

 そうして挿入は決行された。


「んんぅっ……ぁっ……んぐっ……」


 唇を解放されても、ナナセは深呼吸を選べなかった。いや、そうしたら罰を受けることをわかっていたからだ。

 できる限り早く息を整えて、胸にむしゃぶりついてくる男に世辞を述べていく。


「おねーちゃんのっ、おっぱい……おいしい?アソコも、気持ちいい、ですかぁっ……」


 怖気の走る言葉の数々をナナセは泣きそうになりながら口にする。それに機嫌よく男は腰を振り、歯型を付けながら13歳ほどの少女を乱暴に犯し続けてきた。

 そのたびにナナセは泣き叫びそうになる気持ちを抑えて、彼を悦ばせるために喘ぐ真似を続けていく。


「んっ……あぁっ……お姉ちゃんの、アソコっ……弟くんに、突かれてっ……」


 リードするような言葉を口にし続け、ナナセは自分が壊れそうな錯覚に陥る。

 最初の頃はアリアと共に嫌がって泣き喚いていた。その度に躾だと裸のまま首輪を付けられて外に放り出されたり、身体に鞭を打ちつけられたり、ただただケダモノのように背後から腰を打ち付けられたりと。

 酷い時は男の客人の相手をさせられたことも。

 アリアはもっと前に処女を散らしていたが、ナナセがあの男に捕まってハジメテを散らされた日はそれは酷いものだった。激痛に絶叫するナナセを狂ったように犯したのだから。


「弟くんの、きますねっ……どうぞ、お姉ちゃんのナカへ……」


 そんな思考のめぐりを打ち切って、そろそろ出そうだと体を震わせる男にそう囁きかける。リードするように腰を揺らし続ければ、彼はなんの躊躇いもなくナナセのナカへ精を放っていった。


「はぁっ……はぁっ……」


 自分の中にこの男の精が注がれていく不快感。だがそれで嫌がれば今度はまたお仕置きされるだろう。

 ゆっくりと腰を浮かせ、秘部から竿を抜いてやれば先ほど首を絞められたアリアも寄り添ってくる。

 二人で愛液と精液でぐちゃぐちゃに濡れた男の肉棒へ口付けをすると、掃除しようと舌を這わせていく。


「お姉ちゃんが、キレイにしますね……んっ……ちゅくっ……はぷ、れろ……」

「ママも、頑張りますから……んぅっ……ちゅるっ……んく」


 悪臭漂うソレを舐め回していると、今にも吐いてしまいたい衝動に駆られた。

 だがそれを選んでしまえば何が待っているかのを既に知っている彼女達は、まるで媚びる女のように肉棒を舐め続ける。

 小さな舌が行き交うのを楽しみながらその夜もまた更けていく。少女達の苦悶の心と共に。





「アリア……大丈夫?」

「なんとか……ナナセさんはどうですか?」


 淫猥な夜が終わり、男が部屋の外へと出ていくのを見送ってから、ナナセとアリアは互いに語りかけていく。

 汗だけでなく唾液や精液で汚れきった身体は不快で仕方ない。だけど夜中の間弄ばれ続けた身体はぐったり疲れ切っている。

 もうしばらくすれば使用人たちが来て動物のように洗われたり、嫌がらせのように身体を触られるがそれを悲観する体力もない。


「いつか、ここから出たら……素敵な人に会いたいな……」

「いいね……あんな嫌な奴じゃなくて、優しくしてくれる人がいいかも……」


 現実逃避するように、いつかを思い描く。また今夜もお気に入りらしい自分達はアレに呼ばれるのだ。だからこそ、少しの間でも未来を夢見たかった。

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