我慢するルフィと誘惑するウタ②(続)
ウタル閲覧注意もの
女性優位的表現多め
ルフィのちょっとしたカウンター(主導権握るほどではない)あり
「あっ……? っ!? っ、うう~~……!!」
本日五回目の寸止めに、射精しなかったことへの安堵よりも口惜しさが色濃い声を自分が出したと気付いたようで、ルフィは羞恥からかあるいは自身への怒りからか顔を高揚させ唸る。
心の方もだいぶ溶け解されてきてるようだし、ここが勝負と私は最後の行動に移る。
……正直、ルフィを虐めている今の状態は好きじゃないので、早く決着を付けたいというのもある。
ルフィ自らに言って貰うためのお膳立てという名目がなければ、やることは一生なかったと思う。
「ほんと、すごいよねルフィは。普通ならこんな、耐えきれないよ。……私、ルフィ以外の人知らないし、知りたくもないけどさ」
「おへ、おれ、は……。おまえ、ウタがだい、だいじだ……」
「……うん。わかってる。私もルフィが好きだし、大事だし、愛してる。ルフィの気持ちもわかってる」
ルフィへと体を寄せる。
「なら、も、やめへ」
「でも、だからこそ、なんだよルフィ」
「あえ?」
快楽に耐えるために体に力を入れ続け、幾度も寸止めを繰り返されたルフィの体は疲労困憊。
精神的にも快楽に流されそうになる本能を理性で必死に抑えてかなり摩耗している。
だから、ルフィは私の言葉を聞きながらも意味することへの理解が遅れる、
「愛してくれてるから。愛してるからこそ、してほしい事もあるの」
「それっう、……っ?」
胡乱な思考でも私の言葉をに応えようと懸命なルフィは、私がルフィのに跨るような体勢になっても気づかない。
ほんのちょっとだけ腰を落とすと、粘液が触れ合い小さな水音が鳴る。
私自身ももう色々と耐えられそうになくて、このまま全てを受け入れたいけどここが正念場。
落としかけた腰を浮かせルフィに囁く。
「ねえ、ルフィ。もう、我慢するのも辛いよね? 私にいれて、我慢するのも止めてさ。思いっきり、出しちゃおうよ?」
「……っ。それは、できねェ!」
「どうして? ねえ、きっとすっごく気持ちいいよ……?」
「うぐっ。ど、どうしてもだ! ゴム、つけてねェしよ!」
「うん、知ってる。こないだ使い切っちゃったもんね。だから、生でしようよ」
「だ、だめだ! おれは、ウタがだいんぶっ!?」
「はぷ、んむっ、んちゅっ、ンンッ……ん~……」
ことここに至ってもルフィはセックスするならゴムを付ける、付けなきゃやらないと粘る。
私だってその事の大切さはわかってる。わかってるけど……それでも、ゴム越しではなく直接感じたい、注いでもらいたいという想いが消えるわけではない。
私から始めた問答だけれど、愛しさともどかしさとでぐちゃぐちゃになった気持ちのままルフィの唇を塞ぐ。
「んっ、んっ、んぢゅ……えゥ……ンっぷァ」
「ふむ゛んっ!? んん゛っ、ん~~! ……っ」
しばらく貪る様なキスをした後、再度問う。
「ねえ、ルフィ。……しようよォ」
「あ゛う……だ、ダメ、んぐっ! だめだ……」
それでもなおルフィは意志を通し続ける。それはもはや私への返答というよりは、自分自身に言い聞かせているかのようで。
一方で体の方は生殖本能と快楽に従い動き始めていた。
キスの途中から入り口で触れては離れてを繰り返した結果、逃げる私を追いかけるかのように、あるいは触れた瞬間少しでも入り込もうと突き上げてくる。
だから、あともう少し。ほんのもう一押しできっと……。
「ルフィ~……私も、もうせつないよォ……してよ、ルフィ~~」
「う、ぐ……うううっ」
はやく、はやく、はやく。体の中、最も深いところでルフィを感じたい。愛されたい。愛したい。
何度も絶頂寸前で梯子を外されたルフィの方が苦しいのはわかってる。
だから、はやく入れたいって、私の中に出したいって言ってよ。ルフィだからしてほしい、ルフィにしかしてほしくないの。
「んっ、んふっ、んあっ、あ、はあっ、あ……」
「あゔ、っく、ああ……うっ、あ~~……」
触れ合いは激しさを増し、水音も大きく響くようになっているが挿入はしない。
時折深くまで腰を下ろすがそれは表面で擦れあうだけであり、快楽や入れた時にここまで入るという想像を膨らませるだけのもの。
「はっ、はっ、るふぃ、るふぃっ、イ、んっ」
「っは、あ゛……ひっ、イぎっ、うァ、あガッゔ」
もはやお互いにまともな会話を交わす余裕はなく、それでもなお最後の一線で踏みとどまる。
私の足はともすれば力を失って立てなくなりそうだし、ルフィの方も腰を突き上げるというよりは痙攣に近い。
そんな状態がどれくらい続いたのか、どれくらい続くのか私自身にもわからなくなってきたころ、ようやく待ち望んだ答えが来た。
「っはひ、ひ、ィ……あ゛ッ、……たい」
「んえ……? る、ふぃ……?」
「いれたいっ……うたのなかっに……だしたい……」
やっと、ついにこの時が来た。
「うん、うんっ……!」
「うたのっ、っでもォっ、でも゛っ」
「わか、あゥっ、わかって、るよ、ルフィ! わたし、もォっ」
「できちまっ、うぐ……うた、ウタにっ、ふたっんは、あっ……」
「うんっ、でもっわたしも、わたしだってっ……」
無知だったあのころとは違う。
避妊具を付けずにすることによる妊娠の可能性、妊娠したことで生じる様々な事柄。
だからこそ、こういうことをするときは避妊をしっかりとすると話し合って決めて、ずっとずっとそうしてきたのだ。
ルフィが海賊王になって新時代を作って……夢の果ての世界で落ち着いたころに、なんて漠然と私も思っていた。
でも、いつからか心の奥底で燻るように芽生えた想いはずっと消えずに、むしろ肌を重ねるたびにどんどん降り積もって大きくなっていって。
ルフィ本人から求めて欲しいという想いもあり、とうとうこんな強硬手段に出るほどの大火になっていた。
それも、もうすぐ……。
「いれ゛っ、な゛がっ、……ダメ、だ、アアッ」
「るふぃ~……」
ずっとずっと焦らすように付いては離れてを繰り返してた動きをほんの少し止めると、先端が入り口付近を小突いてくる。
「っ、あ、う……~~っ」
「あ゛っ、ア゛ッ」
それだけで達しそうになるほど気持ちいい。それはルフィも同じようで、口の端から涎が零れていた。
「ねえっ、ルフィっ。おねがい、いれてよ。このまま、して、ほしいのっ」
「でも゛っお゛れ゛っ」
「だい、じょおぶ、だよっ」
もちろん何の根拠もない……こともない。
生でやって、さらには中に出してしまった場合でもできる避妊方法をいくつかは調べてあるし、今日は周期的に一番可能性が低い日だ。
それで100%避妊できるわけではないという事も当然知っている。……逆を言えば、100%妊娠するわけではないということも。
ルフィだって馬鹿じゃない。元々知識としては知っていたのか、それとも私とこういう関係になってから勉強したのかは定かではないけれど理解を示していた。
だから普段であれば私の『大丈夫』にも冷静に諭してくれていたけれど、その判断力を奪うためさんざん焦らしたのだ。
強固なルフィの意志はそう簡単に快楽に流されないから、執拗に、生殖本能をひたすらに刺激しては解放させずに繰り返したのだ。
だから。
「も、がまんっしないで、いいのっ。わたしが、してほしいのっ」
「あ……う……おれ、いれ、だめ、あ゛、だめだ……あァ……」
一度は落ちかけたけれど持ち直したルフィを再度誘う。
少しだけ入り込んだ先端を舐るように腰を上下して、入れたらもっと気持ちいいよと、このまま中で果てたらきっとものすごいよと挑発していく。
「ん、はっあ、はっ……あ~~……あっ」
「っう、は、あゥいっ、ひぎっ、はっ……ああ゛ゔ」
そうして、脚腰どころか全身をも痙攣させ始めたルフィがとうとう根を上げた。
「も゛お……ダメだっ。いれだい、いれ゛させでっゔだっ」
「あはっ。あっ? あ、っあはァ」
嬉しいという想いが溢れ、笑みとなって口からこぼれ出る。
極度の興奮と私自身もお預け状態の焦燥感からまともに喋れなくなっていたから、ルフィの目をまっすぐに見つめて訴える。
いいよ、いれて。全部全部受け止めて、飲み込んであげる。
それを受けてルフィも頷き、また言葉で答えてくれる。
「わがっ、わかっだ、ウタっ。だのむ゛っ」
ルフィが言い終わるか否やのその瞬間に、私は深く腰を落としてルフィのすべてを飲み込んだ。
「あ゛、イッ、あ? イギ、ッ~~、いひっ、ィあ」
「っ!? ぐ、あ、お゛あっああ゛~~あ゛~~~~」
挿入自体は一瞬で終わり、根元まで迎え入れ自身の奥を突かれた途端、駆け上がってくる快楽にあっさりと脳髄を焼かれ体が痙攣する。
自分でも入れただけで絶頂するとは思いもよらなかったため、予感も覚悟も無い突然の絶頂はいとも簡単に私を陥落させた。
一方のルフィも同じく絶頂し射精をしているが、幾度となく限界間近でせき止められていたソレの解放による快楽は私の比じゃないハズ。
獣のような呻き声を発し体を仰け反らせながらも、私の奥の奥にまで射精しようと腰を突き出してくる。
イったことによる反射の運動なのか、それともルフィの突き入れと射精に反応した本能的なものなのか。
私の中はルフィとの隙間の一切をなくすように締め付け、より絞り出すように、あるいは解き放たれた精子を奥へ奥へと飲み込むように蠢動する。
当然、それは私にとってもルフィにとってもさらなる快楽を齎すものであり、絶頂という一つの限界を超えてなお快感は高まっていった。
「あ~~~……ひぐっ、うァっ、ァ~~~~」
「ゔあ゛~~あ゛~~はあ゛ぁ゛~~」
焦らしに焦らしたからかルフィの射精はいつも以上にすごくて、いつもならとっくに終わってるはずなのにまだまだ続いていた。
胎内に受けるその感触だけで体が跳ね、そのリズムに合わせて喘ぎ声が漏れ出てしまう。
気持ちいいのはもちろん、すごく満たされた感じがしてとても安心する。
その安心感によってか、だらしなく開いた口からは涎が垂れてしまっているけれど、そんなことに割ける意識も労力も私には残っていなかった。
ただひたすらに、ルフィとの今を享受する。
「っは、あ……ふっ、う……くあ、はああァ~~~~」
「はあ゛ーー、はーーっ、はっ、うあ……」
このまま、もしかしたらずっと終わらないのでは? なんて錯覚してしまう程の長い射精ようやく終わった。
ルフィも私も絶頂の余韻で体に力が入らず、まるで溶けたように折り重なったまま大きく呼吸をして息を整える。
湿った肌がぴったりとくっつく感触も、そこから感じる体温も、ルフィが呼吸することで上下に動かされる感覚も、全てが愛おしくて心地よくて。
このまま目を閉じて眠ってしまいそうになるけれど、まだ、もっと続けたいと願う自分が睡魔を振り払う。
「……あ」
「う」
しばらくそうしてゆったりと過ごしていたのだが、中に感じる硬いものに意識が向く。
あれだけの射精をしたというのに、ルフィがもう復活していたのだ。
半ば呆けていた私は再び大きさと硬さを取り戻したソレに声を上げ、当のルフィはまたもやバツが悪そうにしていた。
「ね、ルフィ。もっとしようよ……」
「う、ぐ……」
「一度やっちゃったら二回も三回も変わんないよ……あ、でもせっかくだし。……ん、くう、あっ」
「あっ、う、ウタ。まっ、あ、ああッ」
さっきはお互い瞬殺だったので、ある意味でここからが本番。
なんだけれど、射精していくらか冷静になったルフィはまたもや踏みとどまっている。
それならその気にさせればいいだけなので、すぐさま腰を動かす。
まだまだ私がリードを握ってるんだから、覚悟してよねルフィ。……そう思っていたのに。
「っふ、あ……? あ! あっ、は、ひあっ、はあっ、っんく、う~~」
「あ、あ、あ、すげ……ウタんなか……ゔあっ」
「わたしっ、も、なんで、コレ、すごっ、ルフィ、すごひっるふぃ……」
すっかり忘れていたけれど、ゴム無しでルフィとするのは今日が初めて。
最初の挿入はあの通り一瞬で終わったために感じる余裕もなかったが、直接触れ合うその感触はこれまでの比じゃなかった。
「あっ、や、あ~~。やだっこれ、しらないっ。わたし、しらなっあゥ、あっ、イッ~~」
「うあっ、ま、はげしっ。まっ、てウタっ、また、でっ」
私をかき分けて進む亀頭の感触、押し広げられた道が戻り包むように絡まる竿の硬さ、戻る際にカリ首の出っ張りで擦り抉られる感触。
そのどれもが避妊具を付けていた時とはまるで違う、非常に鮮明で強烈な刺激だった。
未知の強すぎる快感にほんの少しだけ恐怖を抱くが、それすらも塗りつぶすほどの気持ちよさで体は止まらなかった。
ルフィも自身に絡みつく私からの快楽にすっかり翻弄され、二度目の射精がすでに迫っていることをあっさりと白状していた。
「いいよ、ルフィ。また、だしてっ、イイよっ」
「ああ、あああっも゛……だめっだ、でる゛ゥ~~」
「がまん、するのっ? しても、いいよ、ださせてっ、あげるっ」
「ゔっぐ、あ゛~やべっ、それっ、やべで、ゔあ゛あ゛~~っ!」
肉と肉がぶつかる音と粘液が交わる音。そこに悲鳴を上げるように軋む椅子の音が混ざるほどの激しい交わり。
ルフィが射精を堪えるのは男のプライド的な物だろうか、それともその方が気持ちいと知る本能からか。
どっちでも構わない。
あっさりとイかされるルフィも可愛いけれど、必死に射精を堪えているルフィの顔も、その我慢が途切れて射精の解放感に蕩けるルフィの顔も全部大好きだから。
「んっフゥっ……! んあっ、ルフィ、ほら……おく、ごりごりって……ルフィ、わたしの、おくゥ……!」
「んぎっ、イ゛ッ、あ、ぐっ……うあ、っああぐ、……あ」
激しく上下させて全体でルフィのモノを愛し、時折深く腰を落として最奥で先端と押し合わせるように腰をくねらせて。
私はもうすっかり生で感じるルフィの虜になっていて、貪欲に快楽を貪っていた。
もっと。もっと、もっと気持ちよくなりたい。ルフィに気持ちよく私を感じて欲しい。
だから、ちょうだい? はやく、ルフィが私で果てたその証をもう一度。
まだまだ我慢しちゃう? いいよ、もっともっともっと……どれだけ我慢しても、それ以上に気持ち良くしてあげる。
この時、私自身がそう考えていたかは正直分からない。
ただ、後から思い返してこの時感じていた感情を言葉に起こすとしたら……たぶんこれが正解に一番近いと思う。
「ッア、は、あ……アハッ、は、ああ、あ、ハァ~~……あっ」
「うぐ、う、お゛あっ……! あぐっ、ふゔう……ゔっ」
二度目の射精。
それが来たと感じた瞬間、私の口からは自然と笑みがこぼれ、灼熱の塊が吐き出される度に歓喜していた。
生ですることでよりはっきりとルフィを感じられるとそう認識し、そのことで膣内も知覚も鋭敏になっていた私は、見えていないはずの中への射精が脳裏に浮かんでいた。
ルフィのおちんちんが脈打つさまも、その先端から射出された精子が私の膣内を押し広げる様子も、追加された精液が私の中をどんどんと満たしていく感触も、全てが鮮明に。
射精するルフィが体を震わせる振動すら私の快感へとなり、強く抱きしめて深く味わう。
「~~っ……っ、……あ、カッ、は、あ、ハヒッ、ッ~~ヒッ」
「はあァあ~~~……」
ルフィの射精が終わり、頭に浮かんでいたイメージが消えると同時に荒く息をつく。
呼吸を忘れるほどに集中してしまうくらい、強烈な体験だったけれど、まだ大丈夫。
ルフィはすっかり惚けた声を出しているが、たぶんまたすぐにでも復活するだろう。だってルフィだし。
ただ、あの射精を立て続けにしたんだし少しは時間があるはずなので、今のうちにルフィの拘束を解くことにする。
さすがにここまでやったら……ルフィだって、という期待と不安とを抱えながら。
「ん……」
「? ウタ……?」
「今解くからちょっとじっとしてて。……よい、しょ。と」
「!? そんなあっさりほどけんのかよ!?」
「ん? うん、そうだよ?」
「えー!? それ、ズリィだろ!?」
「ふふっ。でた、負け惜しみィ~」
「っぐ。くそォ~」
上半身を縛る方、実はロープマジックよろしく特定の1本引っ張ればすぐに解けるんだよね。
あくまで無理やり引き千切ろうとしたら結構な力がいるくらい念入りに縛ったってだけで。
まあ、脚の方まで含めて1本はちょっと無理があったのでそっちは別だけど。
「まあまあ。ほら、脚の方も解いてあげるから。……解放されたからって、逃げたりするの、ナシだからね?」
「おう。逃げねェ」
「ん。よし」
一時のこととはいえ、離れるのは寂しい。まだまだ繋がっていたいと心も体も疼くが、ルフィにも自由に動いてもらいたい。
自分が愛するのもいいけれど、やっぱり……ルフィに愛されたいという気持ちも大きい。だから、少しの間くらい我慢する。
結び方自体はほぼ同じなので、両脚もすぐさま解放する。
「ほら、ルフィ。これでほど……け……」
「……」
「……ねえ」
「……おう」
「ルフィさ」
「おう」
「なんでもうそんななってんの。はやくない?」
「いや、そのよ。これはな……」
解き終わって顔を上げた私の目に飛び込んできたのは、完全に復活して反りかえっているルフィのモノだった。
え、あれ……? 両足の紐を解いたのってそんなに時間かかってないよね……? あれえ? なんでもうこんなに?
そんな疑問の元声をかける私と答えるルフィ。
短い言葉を交互に交わした末に一思いに聞くと、あれこれルフィが言い訳しだした。
曰く、屈んだ時に揺れた胸がどうとか、汗に濡れる肩や背中がどうとか、紐を解く際の指の細さや動きがどうとか、広がる紅白の髪がどうとか。
「それから」
「ちょっと。わかった、もうわかったから! ストップ。ストップってば!!」
「え、お……おう」
いやさ。聞いたのは私だけどさ。
二回出した後、見てるだけで何も触れていないのに完全復活してるのが恥ずかしくて動揺してるかしんないけどさ。
こうもあれこれまくしたてられるとものすっごい恥ずかしいんだけど?
いや、嬉しいよ? 褒めてくれてるのはわかるし、私の身体に興奮してるんだって思うと嬉しいけどさ。
でも、ちょっとこう……ねえ? いっつもストレートすぎるんだよ、ルフィはさ。
……だから、次はルフィに動いてもらおう。なんて思ってたけど撤回しよう。次も私がリード奪ってやる。
なんてことを考えていると、黙り込んだ私が怒ったと思ったのかルフィがしゅんとした様子で声をかけてきた。
「……ウタ、怒ってるのか?」
それは子供のころ、ふとしたことで喧嘩した後にルフィが見せた表情となんらかわらなくて。
元々怒っていたわけではないし、大きくなってもルフィはルフィだなあ、なんて思うと一気に毒気を抜かれてしまった。
「別に怒ってないよ。……その、ルフィがあんまり私のどこそこで興奮したっていうもんだから、ついね」
「ほ、ほんとのことなんだから、しょうがねェだろ……」
「ふふふ。ほら、ベッドいこ。続き、しようよ」
「おう。おれだって男だ、腹ァ決めたぞ!」
「うん。ごめんね、こんなことまでしちゃってさ」
「いや、ウタは悪くねェ! おれがしっかりしないせいでウタが思いつめちまったんだしよ。おれの責任だ」
私が今夜ルフィにしたことは、縁を切られてもおかしくないと自覚したうえでの最終手段だった。
それなのに、ルフィはおれの責任だウタは悪くないなんて言ってくれる。それは、優しさでもあるけど……。
「悪くないっていってもらっといてなんだけどさ。……ルフィって頭いいようで、やっぱバカだよね」
「なにィー!?」
「だってさ。ルフィが今までな、生……で、してくれなかったのって、色々ちゃんと考えていたからでしょ?」
「いや、だからそれでウタを」
「いーから聞いて。……私だって、ルフィが真剣に考えてくれてるってわかってたしそれはすごい嬉しい。たださ……」
「……ただ?」
「…………うー、言い辛い~~!」
「ええっ、なんだよそれー!!」
「うっさいうっさい! アンタに面と向かって言うとなるとやっぱ恥ずかしいんだもん!」
「いやまあ……無理して言わなくていいケドよォ」
「んぐうう~~……言う、言うけどちょっと待って!」
「お、おう……」
ベッドにはとうの昔についていて、縁に腰掛けながらこうして会話しているわけだけど……うう……いざあの事を言うとなるとうまく言葉が出てこない。
でも、この気持ちも私なのだから、ちゃんとルフィに伝えたい。
深呼吸をしながら思考をまとめる。だいじょうぶ、いける。
私はウタ。世界中に歌声を届けた女。目の前の男の子一人に言葉を伝えるくらいできなきゃ女が廃る! ……と思う。たぶん。きっと。
ええい、覚悟を決めろ私ィー!
「えっとね、ルフィ」
「おう」
「ルフィと体を重ねるのはとても満たされた気持ちで幸せだし、ルフィがその、私がちゃんと気持ちよくなれるようにって、頑張ってくれてるからいつもすごい気持ちいいの」
「…………」
あーーー! やだァーーー!! やっぱり恥ずかしいよっ!? ルフィなんで無言で見つめてんのさちょっとは何かリアクションしてよ!
とうとう喋ってしまっているという恥ずかしさと、こちらをまっすぐ見つめるルフィの視線とで板挟みになりながらも、言い始めたのだからと意地を通して最後まで言い切る。
「ただ、その、……気持ちよさのなかにも、こう、ね? なんかこう、ホラ。もっと満たしてほしいな、とかそういうアレがね」
あああああ。ダメだなんか言葉も頭もふわふわしてきた。
いやちょっとまって。今さらながらにお互い裸で今コレを言うのってすごくこう……生々しくない?
いや生でヤってはいるんだけどって違うそうじゃない。私がルフィに伝えたいのはえーとえーと……。
「……つまりは。ちょ、直接ルフィのを……感じて、ルフィが私で気持ちよくなった証を注いでほしいって。そういう気持ちがね? どんどん積もっていったの。だから」
「だから、さっきみたいなことを?」
うう、ルフィの方を向けない。視線は感じるけど無理無理無理そっち向けない。
声音でルフィの反応を探ろうにも今の私は冷静じゃないしそんなのできるわけない。
でも、ちゃんと言わなきゃ。
「う、ん……。ああして何度も何度も寸止めすれば、いくら我慢強いルフィでも理性のタガが外れるかなーって」
「……やっぱりおれの責任じゃねェか? ウタを思い詰めさせちまったことにかわりはねェだろ」
「そんなわけないでしょ。二人で決めたことを破ろうとしたのも、ルフィに破らせようとしたのも私なんだから」
「いや、でもよォ……」
むう。相変わらず頑固だルフィは。
今夜の事を第三者が判断するなら、十中八九襲う方が悪い言うだろうに。……いや、こんなこと誰にも言えないけどさ。
「どうしてもルフィが自分の責任だっていうならさ」
「いうなら?」
「……今度、ルフィが我慢してる事してよ。今夜私がそうしたみたいにさ」
「えっ!? いや、それは……う~ん」
「じゃないと私も譲らないよ。私が悪い、責任を取るべきは私だって」
「うっ……いや、うん。わかった。そうする。だから、ウタももう自分を悪いって責めないでくれ」
私が悪いという事に納得しなかったルフィだけど、ならばと提案したことでようやく折れた。
提案にもだいぶ渋っていたけど最終的に自分の中でも折り合いがついたのか承諾してくれた。
さて、相互理解も進んだところだし、言いたいこと言ってすっきりしたのかルフィの顔見ることもできてきたし。