我慢しなくてもいいから

我慢しなくてもいいから

黒庭勇者さん

「足りない、足りないのぉ…♥️」

 今日のイリっちはいつも以上に発情しているみたいだった。兎ってあんな感じなんだろうかって思うくらい、しゅっ、しゅっ、と擦ることを繰り返して、見ているとあたしも興奮してしまっていた。

「はふっ、ふっ…♥️」

 声が大きくなってるのもあって、みんなにはバレバレ。ひとりでして、みんなの疲労をなくそうとしても、これじゃ興奮を引き立たせてしまう。それはよろしくない。

(あたしが動かなきゃ、かな?)

 イリっちに近づいて、提案する。

「ちょっと、おいで、イリっち」

「ふ、ぇ…ヒュペル、ちゃん…?」

 手を伸ばし、あたしたちは個室に赴くことにした。


 個室。そこであたしはわざとイリっちの手足を拘束してみた。

「ふ、ぁ…♥️」

 興奮度が高いイリっちはそれだけで濡れちゃってるみたい。ふたなりのそれもそそりたっている。

「まったく、下手に弄って癖になったら止められなくなっちゃうよ?」

「も、くせに、なってるかも…っ…♥️」

 とろんとした表情。これは本格的に危なそうだ。

「イリっちには修行が必要かもっ」

「しゅぎょ、う…?」

「射精管理、するね」

「ふぁ…♥️」

 その言葉だけでもイリっちは出してしまった。本当に防御がない感じだ。あたしも言えた立場ではないけれど。

「まず、触れないことから」

「このまま、がまんってこと?」

「雑談するとかどうよ?」

「…わかった」

 なにげない会話に花を咲かせる。ご主人のことをどう思ってるかとか、あたしたちの情事のことについてとか色々。

「オルちゃんのおなか、ぷにぷにで、よくって…はぅ♥️」

 なるべく性的な話から逸れようとしても、戻って興奮しちゃうから困ったものだ。

「イリっち、だめっ。興奮しちゃったらでちゃうよ」

「ひぅ…♥️」

 それだけで濡れてしまうのもやっぱりスケベだ。…えっち。

「うーん、やっぱり力技の方がいいかな?」

「りき、わざって…ひんっ…♥️」

 出せないようにそっと、ふたなりのそれを掴む。もちろん、先端を、だ。

「あっ、あふ、い、い、いぃのに、いけ、いけ、ないっ…♥️」

「抑えてるからっ」

「んん、っ…♥️」

 ぐぐもった声をあげながら、彼女が身を捩る。よっぽど我慢が辛いのだろう、瞳には涙が浮かんでいた。

「いき、いきたい、いきたいの…♥️」

「んー、そろそろ、いいかな。あたしの手でいかせてあげるっ」

 指で、前立腺をぐっと押し込む。いままで我慢してきたのもあって、その刺激は抑えられるものじゃない。

「っ♥️♥️ ぁ、あっ♥️♥️♥️♥️ はひ、ひにゃあぁぁ♥️♥️♥️♥️♥️♥️♥️」

 いっぱいだして、びしょびしょになって、イリっちは気絶してしまった。息も絶え絶え。だけど、気持ちよさそう。

「無理に我慢しなくて、いいんだよイリっち」

 そっとあたしの太ももに乗せて、頭を撫でる。我慢して私生活が崩れるくらいなら、いっぱい甘えてもらった方が私たちだってありがたい。イリっちはどんな姿でも私たちのリーダーなんだから。

 優しく眠らせてあげたい。とろけた表情の彼女を見ているとそう思えていた。

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