我慢?させないよ!
「ルフィ~~!!」
夜、いつものようにルフィが居る部屋へと突撃する。
「……おう、来たか。ウタ」
部屋の中に据えられたテーブルの上で両手を組み、それで口元を画したルフィが静かに返事をする。
んん? なんかいつもと様子が違うような……気のせいかな?
「今日は久しぶりに二人とも夜の当番ナシだね~」
「……ああ」
軽く話しながらルフィの横に立つも、微動だにせず気のない返事。うん、気のせいじゃないいつもと違うルフィだコレ。
「……? ルフィ、なんだかヘンだよ? ま、まさか具合でも悪いの!?」
生まれてこの方病気どころか風邪すら引いたことがないルフィの体調が悪いなんて一大事だ!
慌てておでこに手を当て熱が無いか計ろうとするとルフィ本人に大丈夫だと制される。
「ウタ、今日は大事な話がある」
常にない真剣な面持ちでルフィが語りだす。
醸し出される重厚な雰囲気に私は思わずゴクリと音を鳴らしてつばを飲み込み――。
「今日は絶対しねェからな!!」
「……は?…………はァっ!?」
静かな、だけれども確固たる意志で宣言したルフィの言葉を一瞬理解できなくて、理解しても納得がいかなくて問い詰めるように叫んでしまった。
なにそれ……。久々にルフィをいじめもといかわいがりもとい愛し合える日だってのに。
じとーっと見つめる私に耐えきれなくなったのか、ルフィがしどろもどろになりながら理由をまくしたててくる。
「い、いやーだってよ。暇ができたらずっとウタとやってるような感じになってるしよ。ほら、そういうの、よくねーと思うしよ!!」
じー。
「それに、ほら! あれ、あのちんちんに付ける奴もうないしよ!」
じーーー。
「まあ、だから……今日はなしな! ……ははは、はは……」
じーーーーーーーーーっ!
「ぷひーひゅぷー」
ルフィが言い訳を述べている間、無言で見つめているとだんだんと喋る勢いが落ちていき、しまいには目を泳がせながら下手な口笛を吹いている。
最初から分かってたし、何より嘘ついてる時のルフィのわかりやすさといったら……。
「ル~フィ~? どうして、そんな嘘吐くのかなァ……?」
フッ、と耳に息を吹きかけながら問い詰める。
「ッ! イや! 別に嘘なんかじゃ……」
吹きかけられた息にビクッと体を震わせるも強情を張るルフィ。ふゥん……。
「そっか。わかった。ルフィが言うなら今日は無しの日ね」
「お、おう。悪いなウタ! せっかく来てもらったのによ!」
私がルフィの言い分を聞き分けた事の安堵と、私の誘いを断ったことへの罪悪感。
それらが半々になった表情でそう告げるルフィの背後に回る。
「……? ウタ?」
「べっつにー。ルフィに嫌われちゃったなーって」
「! ウタ! おれはウタの事嫌いになんかならねェぞ!!」
「どーだかー。勇気を出した夜のお誘い、断られちゃったしー?」
「うぐっ、それはその……男……ラ……が……」
今日はしない、なんていうルフィにちょっとした仕返しをしたらぽろっと本音が漏れていた。最後の方はゴニョゴニョしていてしっかり聞き取れなかったけど、そっか、そういうことか。それなら……。
「ごめんごめん。ちょっと意地悪しちゃったね。たまにはしないで過ごすのも悪くないよね」
そう言いつつ、背後からルフィの腰に抱き着くようにしてズボンの中に手を入れる。
「っ!? ウタ、今日はしないって――ゥ……」
約束が違うとでも言いたげなルフィのモノをキュッと握り黙らせる。
「うん、今日は私とルフィがするのは無しって話だよね?」
くにゅくにゅ、スリスリと指で弄ぶとあっという間に熱く硬くなっていく。それと共にルフィの息も荒くなる。
「っぐ……そ……なら……ゥ……はっ、あ……」
それならなんで、というルフィの声は途切れ途切れだ。ふふ、ルフィの気持ちいいポイントは知り尽くしてるんだからね。
「んんー? なんで、って……これは、私が"一人で勝手に"してるだけだしー? いわば、オナニーよ。オ・ナ・ニー」
私がオナニーと口にした途端、ルフィのモノがビクッと反応する。……私が自分を慰める姿でも妄想したのだろうか。かわいいなあ。
「……れと、なんっ……!!」
「それとこれと何が関係あるのか、って? もちろん関係あるよ!」
ルフィの先端から早くも溢れてきた先走りを指で絡め取り、竿や手のひらに塗してクッチュクッチュと扱いていく。
「……ァ、まっ……はやっ……」
もはやグチュグチュといってもいいくらいの音を立てながら手の動きを速めていく。それに比例してルフィは射精を我慢するかのように身体をこわばらせている。
「ルフィでオナニーするの。私がルフィで、ね。ルフィからは手を出してないんだから、二人でしたことにはならないの」
自分でも随分と酷い詭弁だと思うが、本気で言ってるわけではないし目的はその先にあるので別に気にしない。
「そんっ……ひきょ……うっ……」
「出たァ、負け惜しみィ~♪ ……負け惜しみ以外も、でそうだね?」
腰もガクガクと震えだしたルフィが必死に抗議をするもいつもの言葉でスルーして、あとほんの数秒擦れば射精するというタイミングで手を抜き去り、刺激を止める。
「っ……!?はっ……はっ……はあァ……」
追い詰められなすがままに射精させられると思っていたらしいルフィは、突然やんだ刺激に戸惑いながらも息を整えどうにかおさめようとしている。その吐息に若干の名残惜しさを感じさせながら。
「んんー……? どうしたのかなールフィ―? なんだか、物足りなそうだけど」
「はっ……はー……い、いや。そんなこと、ねえぞ……」
「だよね! ん……、おいひ……♪」
ルフィの先走りがねっとりと絡みつく指や手のひらをピチャリピチャリと舐め、ズズズズ……と啜る。わざとらしく、これみよがしに音を立てて。
そうして味わいながらルフィを観察すると、こちらをに顔を向けていないもののピクッピクッと体が音に反応していた。
「はーあっついなー。この辺の気候はしばらく暖かいっていってたしなー」
シュルシュルと音を立てて服を脱いでいくと、ルフィの意識がこちらに向くのがわかる。が、決して振り向かず勃起したそれを鎮めようと必死に集中しようとしているみたい。
なので、脱いだ服をぱさりとルフィの目の前のテーブルに放り込む。目を瞑ってたら意味がないけれど、開いていたのか目の前に振ってきたソレに思わず目を開けたのか、今度は結構大きめにビクッとしていた。
「おいしかったなァー。おかわり、もらおっかなー」
そうしてむにゅ……とルフィにおっぱいを押し付け、静まり始めていたルフィのモノを扱き始める。
「まっ……ウタ、いまは……!!」
「しりませーん」
今度は両手を使って包み込むようにニチュニチュと揉みくちゃにしていく。一度お預けをくらっていたソレはまたもやあっという間に勃起し、なんならさっきよりちょっと大きいかもしれない。
「男に二言はないもんね、ルフィ? 私が勝手にルフィでオナニーしてるだけだから、ルフィは射精なんてしないもんね?」
「あっ、ぐ……うァっ……!」
「いやなら振り払えるよね~? ルフィのが強いんだしさ」
「そっ……な、こ……できっ……」
ルフィは私が与え続ける快感に耐えながらもそれだけは、私に対し力――暴力で抵抗しないと必死に言い募る。
「……うん、知ってる。ごめん、ちょっと意地悪だったね」
だからお詫び。なんていいながら手を放す。
「っゥ……あえ……?」
二度目の攻めで心がだいぶ蕩けてきたのか、射精直前のお預けになんで? という声音でルフィが呆然と呟く。
「んー? 最後までシテほしかった? 出したいの?」
「……! い、いや。今日はやらねェって言ったのはおれだかんな! 男に二言はねえ!!」
「うん、そうだよね! ルフィ!」
私の言葉にはっと正気を取り戻したルフィが慌てて言うが、いつもなら既に二回出してるはずの快楽を抱えたままでいつまで我慢できるのだろうか。
「それにしても……両手がドロドロだなァ~……これだけ濡れてれば、すぐにでも……んっ」
「ウ、ウタ……?」
床に座り込み、ルフィの腰に頭を預けるように寄りかかる。その感触に体を震わせながらも呼び掛けてくるが、あえて無視をして私は自分を慰め始める。
「んっ……ふ……は、ァ……ふふ、ルフィ、ので……ぬるぬる、だから……」
付着しているルフィの先走りのおかげで始めてすぐにナカへも指を入れられたので、そのままクリや膣も弄って快感を高めていく。
「んァっ……はあっ……は、ァ……ルフィ……ルフィ……」
ルフィとしてる時のことを頭の中に描きながら、少しずつ激しくしていく。
その拍子で体が動くので、とん……とん……と頭でルフィを小突くような感じになってしまうが、気にしない。
ルフィは相変わらず最初の姿勢のまま動けていないので、私の声と水の音、体を小突いてくる私の頭の動きが情報源だ。
想像してるかな……? なんて思うと私の興奮も高まり、絶頂に向けて指も快感も加速させていく。
「っんァ……あっ! ルフィ!ルフィィ~……!!」
そうして我慢することなく絶頂を迎える。
二度もお預けされたのに、お預けした張本人は何の遠慮もなくイっている。この状況、ルフィはどう思ってるんだろうなァ? なんて思いながら絶頂の余韻に浸る。
「はー……」
息を整え終わった私はルフィから離れ、立ち上がる。
ルフィはテーブルの上に腕を置き、力をこめて必死に耐えていた。
ふゥん……まだ我慢するんだ……。
「ルフィは我慢強いね。えらいぞ~」
「っ、子供、扱いは、やめろよ……」
今度はルフィの首あたりに胸を押し付けるようにして背後から抱き着くと、素肌が触れ合う感触にことさら大きくルフィが震えて反応する。
「そうだね。立派なオ・ト・ナだもんね~。こことか、特にさ」
またもやルフィの耳を虐めるように囁きつつ、三度目を開始する。二度のお預けと先程の私のオナニーの成果か、今度は少しも萎えていなかった。
「そろそろルフィも出したいよね? こんなに硬くして……こっちもずっしりしてるしさ……」
もう先走りどころではなくポタポタと床にもこぼれ始めているソレをまた塗すように広げていき、袋の方も優しく揉む。
「あ゛っ!?……ゥう゛……ぐうゥ……」
やっぱりだいぶ限界が近かったようで、たったこれだけの刺激でもういっぱいいっぱいになっていた。
「もう辛いよねルフィ……? ほら、これは私が勝手にシテることだしさ……もう、出しちゃおうよ、ルフィ?」
私がルフィでオナニーしてるだけだから出さないよねなどと先程言ったけれど、それはただの意地悪なので本気ではいっていない。
「だっ……おれ……がま、ん……」
だというのにルフィはいまだに必死に耐えている。
こうだと決めたら頑ななのはルフィらしいと言えばらしいけど……。それなら、しょうがない。
「そっか……でもさ、ルフィ。忘れてないよね? ……5」
カウントダウンを開始する数字を告げると、ルフィが今日一番の反応を示した。うんうん、そうだよねェ。
「まっ……!う、た……それ、はっ……!」
「うんうん、何かなルフィー? ……4」
ルフィが何か言いたそうなので、おねーさんである私は寛大な心で聴いてあげる。カウントは止めないけどね。
「それっ、かぞえっるの、やめっ」
「えー? なんでー? ただ数字を喋ってるだけなのに? ……3」
「う゛っあ゛っ……わか、ってるだろォ……!?」
「さあー? なんのことですかねー? はっきりいわないとわかんないかなァー。……2」
まるで貧乏ゆすりのように脚や膝が跳ねているルフィに理路整然とした物言いなどできるはずがないけど、はっきり言わないからわからないと切って捨てる。
「ほんどに゛っ……まっ……やめ゛っ……」
お、やっぱカウントダウンするとスゴクイイ反応するなあ……。これまでの経験が活きてるね。
「やめる理由が……みあたらないなァ~。……1」
「っは……ぐうゥゥ……」
机に倒れ込むように額をこすりつけ、全身に力をこめて抗い耐えるルフィ。でも、残念だけれどこれで終わりだよ。
「ほら、いっぱいきもちよく出そ? ……0」
「っ!?っゥ、がっ……あ゛っ!あぐっ……う……!」
そうして終わりを告げる数字を囁き、耳を舌で弄るとルフィは抵抗虚しく射精を――。
「え、嘘……?」
していなかった。
「はぐっ……ぐっ……ひっ……うぐうゥゥ……」
息を荒げ、射精してるかのように腰も全身も痙攣させているのにも関わらず射精していない。
今日はしない、我慢するとルフィはやってのけたのだ。
悔しさと同時に、ルフィはやっぱりすごいなァ……なんて思ってしまう。
今日はしてくれないなんて言うルフィへちょっとした意地悪をして、その後はいつものようにするはずだったのになあ……。
「ルフィ、ほんとにすごいね。耐えきっちゃった」
「おと、おとろに、にほんは、ねへ……」
気力をだいぶ使い果たして体力も相当消耗したのか、呂律が回らないながらも返事をするルフィ。
「座ったままじゃ休めないでしょ? ほら、ベッドに運んであげるから。汗もかいたし服も脱ごうね」
「おう、わりひ……」
ぐんにゃり脱力したルフィの服を脱がせてベッドに運び……当然、ギシリとルフィにまたがる私。
「うた……?」
「ルフィがいけないんだよ? ちょっと意地悪して、ルフィを気持ちよくイカせたらあとはいつも通りスルと思ってたのにさ……あんな、最後まで意地を通すなんてさ……んっ」
出していないから当然硬く反り返ってるソレを掴み、入り口に宛がう。
「うた、まっ……」
疲れてろくに動けないルフィは当然口で止めようとすることしかできないけれど、私はもう止まらない。
「やーだっ。ルフィは一度耐えきったんだから、もういいんだよ……?」
そうしてズニュリと奥まで迎え入れ、横たわるルフィに体を預ける。素肌同士で触れ合う、互いの汗と体温を交換するかのように密着するのはとても安心できて好きだ。
「ん、ァっ……すっごォい……」
なんだかいつもより硬くて大きい気がするのは私が興奮してるゆえの錯覚か、それともルフィが限界を幾度も超えて我慢してきたからか。
いれただけですでに爆発寸前というかのようにナカでビクビク震えるも、それでもまだ耐えているルフィ。
椅子に座ってる時は見えなかった、腰から出ていきそうになる快楽を必死に押しとどめるその顔。いつみてもとても愛おしい、快感を我慢するその顔。
「ほら、ルフィ。もう我慢しなくてもいいんだよ。……あと、数秒で日付かわるから『今日はしない』の今日が、終わるよ?」
「っ!?そっ……」
ほんとうはこのまま動いて出させてもいいのだけど、ここまで我慢したルフィへのご褒美として宣言そのものは守らせてあげる。
壁の時計を見やり、私の言葉が真実だと理解したルフィが体を硬直させる。
「ほらほら、あと5……4……」
「うァ……」
私のカウントダウンと、秒針の音。それによってルフィの物が一際膨張する。
「んっ……2……」
「あ……あ……」
私が、そしてルフィ自身が予感してるであろう、その瞬間。それを迎える事への期待と諦めが入り混じったような、ルフィの声。
「1……」
1と0の間。
ルフィにとっては一瞬だっただろうか、それとも何秒にも何分にも引き延ばされて長い時間だっただろうか。
「ゼ、ロ……んァっ!」
その数字の持つ意味に今日の事も擦り込むようにルフィの耳元で終わりの時を告げ、時計の針もカチッと全てが真上を刺す。
「うあっ! あ、あっ!あ゛あァ゛っ……!!」
そうして理性で必死に抑えていたソレを、誓いは違えていない、守り切った、宣言した今日はすでに昨日となっている――用意された様々な言い訳が全て開放していく。
その勢いたるや凄まじく、量も相応のものとなっていた。
「あはっ……やっ……これだけ、で……イイッ……」
その熱と勢いだけで私は気持ちよくなっていた。
今日もルフィを気持ちよく果てさせた事、ルフィの精子が胎内に満たされる悦び、ここから本格的にルフィとできるという期待。
「んっ……さすがに、だしすぎィ……」
あれだけイジめて我慢して、いつものアレにも耐えきったのだから当然という思いもあるけれど、一度の射精でこれだけの量を出し続けてるのは初めてだった。なにしろいまだに勢い衰えず出しているのだから。
……出した端から生産し続けているのでは? と、ついついそんなことを考えてしまうくらいには長く、大量に。
「ね、ルフィ気づいてる?」
「……ァ……ゥ……?」
さすがのルフィもこの射精で意識がぼんやりしてるのか、返事はすれど反応がだいぶ薄い。
なので、耳に口を近づけ囁く。
「いま、ね。生……なんだよ? こんなにたァくさんだしちゃったら、妊娠。しちゃうかも、ね」
「ゥぐっ……ゥあァ……」
「あ、また……っんん!」
生。妊娠。
それらのワードでルフィの雄の本能が殊更に刺激されたのか、勢いが落ちてきた射精が一際強く精を吐き出した。
「がっ……ひっ……ひゅっ、う……は……」
そうして射精が終わった後、ルフィは息も絶え絶えといった様子だった。
私の方は私の方で、胎内を奥の奥まで満たしてもなお出続けたルフィの精子にだいぶまいっていた。
正直、一度オナニーでイってなかったらやばかったと思う。
「はあ……はあ……もう、ほんとだしすぎ……」
収まりきらず零れ落ちた分だけ見てもかなりの量であり、お互いの性器周りはもちろんベッドもだいぶぐちゃぐちゃだ。
……皆に内緒で洗うの、大変そうだなァ。なんて後のことをつい考えてしまうが、ここまできたらもっとぐちゃぐちゃになろうが関係ない!
さすがというべきか、回復の速いルフィはもう息が整ってきていた。……もちろん、あっちもあれだけ出したのにもかかわらずすでに臨戦態勢。
「ふふ、それじゃあ……今度は普通にヤろっか、ルフィ♪」
そうして今日もルフィの我慢する顔を堪能して夜が更けていくのだった――。