憎悪と嫉妬

憎悪と嫉妬


「全員、この場は俺の顔を立ててもらおう。」


四皇赤髪のシャンクスのその一言をキッカケにセンゴク元帥はその要請を受託し頂上戦争は終結した。

表向きは海軍世界政府側の勝利と報道されたこの戦いは双方に甚大な被害を出し今後数年に及ぶ戦乱の時代を起こすことになる勝利者などいない戦争だった。

センゴク元帥の命令により負傷者の搬送捕らえた海賊の輸送など事後処理に追われる中ウタの護衛をしていた副官のアインは赤髪の方に体を向け一歩も動かないウタを不思議に思った。

「ウタ?どうしたの?指示を…ウッ⁉︎」

彼女はウタの顔を見て絶句した。

彼女の目は血走り目の周りには血管が浮くほど赤髪の男を凝視していた。この場でも聞こえるほど歯軋りをしており今にも相手の喉元を食いちぎろうとするオオカミのようだった。そして今にも飛び出しかねない身体を両腕で押さえ込み掴んでる腕からは血が流れてるほどだ。


ふざけるな…ふざけるな…ふざけるな…⁉︎


私は10年もほったらかしにしたくせに…


見捨てたくせに…


ゴミみたいに捨てたくせに… 


アイツが…


ルフィが危ない時は助けに行くのか⁉︎


危険を冒してまで会いに行くのか⁉︎


憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎いズルい憎い憎いズルい憎いズルいズルいズルいズルいズルい…


彼女の心は自分を捨てた父への怒りと敵となった幼馴染への嫉妬心で埋め尽くされていた。



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