愛すべきもの

愛すべきもの




コビーとあいつ 黒ひげの間に本来出来ないはずの子供が出来て海軍が荒れに荒れてから数年 

俺達は大佐と少将の地位に着いていた その間に子供は無事生まれ………極秘出産だったが

だが天の気まぐれかコビーの味方をしたのか幸いにも見た目は黒ひげには似ても似つかぬピンク髪の可愛い女の子に生まれたその瞬間あいつは何を思ったのか



「ごめんね」

「生まれてきてくれてありがとう」

そうあの子に伝えた




また出産後に例の悪魔の実の能力で一時的に女体化したという海賊がいたと聞いて(しかもよりによってあの麦わらの元同盟でもと王下七武海らしい)   秘密裏に連絡をとったがそいつは覇気の力で無力化したという、それを聞いてコビーも発達した見聞色を使おうとしたが子供を出産した時点で能力者の力が身体に完全に馴染んでしまっているのが発覚し性別が元に戻るのはどうやら無理なようだ。





後はもう軍法会議での制約通り、週一での定期報告がある。 と言っても最近は育児日記みたいなものになっている。 パートナーになると言っても前から一緒にいた関係から少し進んだ程度で大きく何かが変わったことは無い あえて言うなら子供がいることぐらいだ。




だが今は問題が発生している


「母様!!!見て!!!」

「何……あっそれルフィさんの手配書!!どこから!!」

「道に貼ってあった!!」




………頭が痛くなってきた



制約通り勤務している俺達はともかく娘は海軍の管理下にいるため住まいも自動的に海軍基地内になる 

コビーと俺の娘はそれはもう元気に育った 見た目がコビーに似たぶん性格があいつに似たのだろう。 

おかげで家から脱走するわするわ知らぬ間に敷地外から出て街へ出て冒険してニコニコして帰ってくる。

まだ海兵に見つかってないのが不幸中の幸いだがこれが大将や元帥に見つかった日にはどうなる事やら……

それを考えただけで胃が痛くなる


「ヘルメッポさんあの……」

「ん、あぁ姫様の事か?」

「姫って……まぁそうなんですがどうしましょう……年齢的にどこへにでも行きたい遊び盛りの歳ですし……にしてもあのルフィさんの手配書僕初めて見ました欲しい……………」

おいこら最後聞き捨てならねぇぞ



まぁともかく姫様の行動力っぷりには何とか対策しないとだよな  と定期報告日の日程を確認した





そして数日後の定期報告日 最初の1年 つまりあいつが子供を産んでいわゆる育休をしていた期間以外は3人での出席が義務付けられてる 




「こんにちは!!」

「はい、こんにちは」

「コビー少将、ヘルメッポ大佐共に出席します」

「ます!!」



流石に娘の前では元帥たちも怖い顔できない 

そして始まる定期報告 と言っても特段変わったこともないしあの野郎の雰囲気も無い 安心するばかりだ


「それじゃあ最後に」

出たいつもの  この質問が一番緊張する


「娘ちゃんは将来何になりたいのかな」






「海賊になりたい!!」






息が止まった  時間が止まった気がした

なんで  どうして まって

コビーの顔を見れない あいつは あいつはどんな顔してる



「………どうしてかな」

「自由に街に出られるから!!」

「街に自由に出るのに海賊じゃないといけないの?」




頼む 頼む 頼む頼む頼む!!俺達からこの子を奪わないでくれ!! 


「ううん、街に出られるなら海兵さんでもなんでもいい」

「だって海賊の話をすると母様もと父様も悲しい顔するんだもん 」

「特に麦わらのルフィって人」




……………そっちかよ!!いや黒ひげじゃなくて良かったけどまさかの麦わらかよ  


まさかの娘の回答で質問してたはずの元帥も鳩が豆鉄砲食らったような顔だった そりゃそうだろ てか麦わらの話題家で出るって時点でアウトな気がするが今はとりあえずいい  息ができるようになったタイミングであいつの顔を見れた  もうそれはどの感情で泣いてるんだお前  


「あー………ほら」

「ヴ……ヘルメッポさん…」

「あっずるい!!わたしもぎゅってする!!」



この娘とパートナー可愛すぎか?

「家族なかよしこよしなのはいいが今なんの時間か忘れてないか?」


やっべ忘れてた 今すぐ帰りてぇな もう話し終わったようなもんだろ


「改めて聞いてもいいか?君は将来何になりたい?」

「海兵さんになって街を沢山歩きたいです!!」




とまぁドタバタあったが今回の定期報告は無事に終了した  コビーはこの定期報告のせいなのか体調を崩し3日ぐらい体調を崩した。

「ごめんねヘルメッポさん……」

「あぁ何言ってんだ姫様のお転婆っぷりに比べればどうってことはねえよ」

「うぅ………」


あれから不安因子を潰したいのか娘に甘いのか街への外出許可はだいぶ緩くなった 街にも良く出れるようになった そのため姫様は街の人達にすぐ顔を覚えられ「あらコビー少将のとこの!」「ヘルメッポ大佐の所の」だなんて呼ばれるようになった住民からの愛され度はコビー似だな



あと変わったことといえば 

「こんにちは元帥さん!!」

「はいこんにちは」




何故か元帥が顔を出しに来るようになった

いや前から来てはいるがあくまで連絡事項があるとか中将に用事があるぐらいで娘に会いに来るのは………

えっまだ早いからな!!

「ヘルメッポ大佐聞こえてるぞ」

「見聞色の覇気ここで使わないでください あと娘はやりません」

恐らく先日の海賊になりたい発言が不安ポイントに引っかかったのだろう  海兵って言って落ち着いたから良いじゃねえか


「うちの娘は遊び盛りなので疲れないよう気をつけてください  ほんとに 本当にすごいので」

「わしの体力舐めてもらうと困るな」

「子供の体力そこそに凄いですから」



まぁひとまず 今日も娘はお転婆だしコビーと俺はそれに振り回されてる そんな平和な日々がこれからずっと続けばいい。

そしていつか成長して自分の生まれの秘密にぶち当たってしまった時は俺達で全力で支えればいい





愛してるよ かわいい かわいい 俺達の娘


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